進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)に対する、カルボプラチン・エトポシドへのアテゾリズマブ(商品名:テセントリク)の追加効果を評価する第III相試験IMpower133では、アテゾリズマブの追加による生存改善が、世界肺がん学会(WCLC2019)で示された。欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)では、同試験の全生存期間(OS)、奏効期間(DOR)、奏効率(ORR)、安全性について最新のデータが発表され、ドイツ・Lung Clinic GrosshansdorのMartin Rech氏が報告した。
IMpower133は、未治療のES-SCLC患者403例を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検第I/III相試験。
・対象:全身治療未実施のES-SCLC患者(症状がない既治療のCNS病変を有する患者を含む、PS 0~1)
・試験薬:アテゾリズマブ+カルボプラチン+エトポシド、21日ごと4サイクル(アテゾリズマブ群)
・対照薬:プラセボ+カルボプラチン+エトポシド、21日ごと4サイクル(プラセボ群)
・評価項目:
[主要評価項目]OS、治験医師評価による無増悪生存期間(PFS)
[副次評価項目]ORR、DOR、安全性
主な結果は以下のとおり。
・今回の追跡期間中央値は22.9ヵ月であった。
・OS中央値はアテゾリズマブ群12.3ヵ月、プラセボ群10.3ヵ月と有意にアテゾリズマブ群で良好であった(HR:0.76、95%CI:0.60~0.95、p=0.0154)。
・ORRはアテゾリズマブ群60.2%、プラセボ64.4%であった。
・DORはアテゾリズマブ群4.2ヵ月、プラセボ3.9ヵ月であった。
・PD-L1 1%以上(TC or IC)のOSはアテゾリズマブ群9.7ヵ月、プラセボ群10.6ヵ月(HR:0.87)、PD-L1 1%未満(TC or IC)OSはアテゾリズマブ群10.2ヵ月、プラセボ群8.3ヵ月(HR:0.51)であった。
・Grade3/4の有害事象はアテゾリズマブ群67.7%、プラセボ群63.3%、Grade5は共に1.5%の発現率であった。
(ケアネット 細田 雅之)