医療経済研究機構の服部 真治氏らは、介護保険サービスを利用する必要がなくなり、その利用を終了(介護保険サービスから卒業)するための短期集中型自立支援プログラムの有効性を評価した。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2019年10月17日号の報告。
短期集中型自立支援プログラムの構成は、一般的な通所型サービスCと同様であるが、今回のプログラムは、リハビリテーション専門職が中心となり、随時、管理栄養士、歯科衛生士も加わり、毎回20分間(状況に応じて10~30分間)の動機付け面談を実施することにより、利用者が自身の可能性に気付き、元の生活を取り戻すための日々の暮らし方を知り、意欲的に自分自身を管理できるようにすることを目的に開発されている。
大阪府寝屋川市にて、2群間並行ランダム化比較優越性試験を実施した。対象は、介護保険における要支援の認定を受けた65歳以上の高齢者のうち、参加同意が得られた介護保険サービス利用者。対象者は、短期集中型自立支援プログラムを追加で受ける介入群と通常の介護保険サービスのみを受ける対照群にランダムに割り付けられた。主要アウトカムは、介護保険サービスからの卒業とした。
主な結果は以下のとおり。
・対象者375例は、介入群190例、対照群185例にランダムに割り付けられた。
・介護保険サービスからの卒業の割合は、介入群11.1%、対照群3.8%であった(絶対差:7.3、95%CI:2.0~12.5)。
・重篤な有害事象リスクは、両群間で差は認められなかった。
著者らは「本研究で開発した短期集中型自立支援プログラムの追加的な利用により、介護保険サービスからの卒業を促進できることが示唆された」としている。
(鷹野 敦夫)