日本発の、非小細胞肺がん(NSCLC)術後補助化学療法の適正レジメンが示された。完全切除されたStage IB、IIおよびIIIAのNSCLCでは、術後補助化学療法が標準治療であるが、これまで最適な化学療法レジメンは決定されていない。日本医科大学呼吸器内科の久保田馨氏らは、これらの患者において望ましいプラチナベースの第3世代レジメンを選択する「TORG0503試験」を実施した。その結果、ドセタキセル+シスプラチン併用療法とパクリタキセル+カルボプラチン併用療法が、術後補助化学療法として安全に施行できることが示された。結果を踏まえて著者は、「次の臨床試験では、対照としてドセタキセル+シスプラチン併用療法を選択する」と述べている。Lung Cancer誌オンライン版2019年3月号の掲載報告。
研究グループは、完全切除されたStage IB、IIA、IIB、IIIAのNSCLC患者を、ドセタキセル(60mg/m2)+シスプラチン(80mg/m2)併用療法を3サイクル行う群(A群)と、パクリタキセル(200mg/m2)+カルボプラチン(AUC 6)併用療法を3サイクル行う群(B群)に無作為に割り付けた。
主要評価項目は2年無再発生存割合、主な副次評価項目は全生存期間(OS)、有害事象(忍容性、毒性)などとした。
主な結果は以下のとおり。
・111例(A群58例、B群53例)が無作為に割り付けられた。両群の患者背景は類似していた。
・3サイクルの化学療法を完遂した患者の割合は、A群で93%(54/58例)、B群で92%(49/53例)であった。
・両群で治療に関連した死亡は認められなかった。
・2年無再発生存割合は、A群で74.5%(95%信頼区間[CI]:68.6~80.4)、B群で72.0%(95%CI:65.7~78.3)であった。
・また、5年無再発生存割合はA群で61.6%、B群で46.0%であった。
・2および5年OSは、A群で89.7%および73.9%、B群で86.9%および67.5%であった。
(ケアネット)