ペムブロリズマブ+化学療法による小細胞肺がん1次治療の結果は?(KEYNOTE-604)/ASCO2020

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2020/06/17

 

 米国・メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターのCharles M. Rudin氏は、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)に対する1次治療における化学療法へのペムブロリズマブ併用効果を比較するプラセボ対照無作為化二重盲検第III相試験KEYNOTE-604の結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表。化学療法単独に比べ、無増悪生存期間(PFS)は有意に改善するものの、全生存期間(OS)は有意差が示されなかったと報告した。

・対象:期待余命3ヵ月以上で臓器機能が保持され、脳転移のない未治療のStage IVのES-SCLC患者、PS 0~1(453例)
・試験群:ペムブロリズマブ200mg+化学療法(カルボプラチン/シスプラチン+エトポシド)、21日ごと4サイクル(ペムブロリズマブ群、228例)
・対照群:プラセボ+化学療法(同上)(プラセボ群、225例)
・評価項目:
[主要評価項目]盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価によるPFS、OS
[副次評価項目]奏効率(ORR)、奏効持続期間(DoR)、安全性
 PFS優越性の閾値は、one-sided p=0.0048、OS優越性の閾値は、one-sided p=0.0128であった。

 主な結果は以下のとおり。

・ITT集団での中間解析のPFS中央値はペムブロリズマブ群4.5ヵ月、プラセボ群4.3ヵ月(ハザード比[HR]:0.75、95%信頼区間[CI]:0.61~0.91、p=0.0023)であった。
・ITT集団での最終解析のPFS中央値はペムブロリズマブ群4.8ヵ月、プラセボ群4.3ヵ月(HR:0.73、95%CI:0.60~0.88)であった。
・ITT集団での最終解析のOS中央値はペムブロリズマブ群10.8ヵ月、プラセボ群9.7ヵ月(HR:0.80、95%CI:0.64~0.98、p=0.0164)であった。
・最終解析でのORRはペムブロリズマブ群70.6%、プラセボ群61.8%であった。
・DoR中央値はペムブロリズマブ群が4.2ヵ月、プラセボ群が3.7ヵ月であった。
・As treated集団での有害事象は、Grade 3/4はペムブロリズマブ群が76.7%であった。

(ケアネット)