MSDは、2021年11月25日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)について、根治切除不能な進行・再発の食道癌に対する適応拡大に関する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得した。
食道がんにペムブロリズマブと5-FU/シスプラチンの併用療法
今回のペムブロリズマブの食道がんに対する適応拡大に関する承認は、化学療法歴のない根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がんおよび食道腺がん並びに食道胃接合部(Siewert分類typeI)の腺がん患者749例(日本人141例を含む)を対象とする、国際共同第III相試験KEYNOTE-590試験の結果に基づいている。
同試験において、ペムブロリズマブと5-フルオロウラシル(5-FU)/シスプラチンの併用療法により、プラセボと5-FU/シスプラチンのみの場合と比較して、全生存期間(OS)と治験担当医師が判定した無増悪生存期間(PFS)が有意に改善した。全集団(ITT)において、ペムブロリズマブ+5-FU/シスプラチン群ではプラセボ+5-FU/シスプラチン群と比較して、OSリスクが27%低下(HR=0.73)し、PFSリスクが35%低下(HR=0.65)した。
安全性については、安全性解析対象例370例中、高頻度(20%以上)に認められた副作用は、悪心(63.0%)、食欲減退(39.2%)、貧血(38.6%)、疲労(36.5%)、好中球数減少(36.5%)、嘔吐(29.7%)、下痢(26.2%)、好中球減少(25.9%)、口内炎(25.9%)および白血球数減少(24.1%)であった。
(ケアネット 細田 雅之)