歯周病とアルツハイマー病リスク~メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2021/08/30

 

 歯周病とアルツハイマー病(AD)や軽度認知障害(MCI)との関連を調査した研究結果は、一貫性が認められておらず、2017年に発表されたメタ解析では、不十分な研究が含まれていた。中国・上海交通大学のXin Hu氏らは、歯周病とADまたはMCIのリスクとの相関をシステマティックに評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Psychogeriatrics誌オンライン版2021年7月11日号の報告。

 2人の研究者が独立して、各種データベース(CENTRAL、PubMed、EMBASE、China National Knowledge Interne、China Science and Technology Journal Database、Wanfang Data、www.ClinicalTrials.gov、WHO International Clinical Trials Registry Platform)より言語制限なしでスクリーニングを行った。含まれた研究の不均一性に応じて、変量効果モデルまたは固定効果モデルを用いて、メタ解析を実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・適格基準を満たした13件の研究(AD:8件、29万1,114例、MCI:8件、4,805例)をメタ解析に含めた。
・プールされた結果では、歯周病患者は、非歯周病患者と比較し、ADおよびMCIのリスクが有意に高かった。
 ●ADのオッズ比:1.78(95%CI:1.15~2.76)
 ●MCIのオッズ比:1.60(95%CI:1.24~2.06)
・とくに重度の歯周病患者では、ADおよびMCIのリスクがより高かった。
 ●ADのオッズ比:4.89(95%CI:1.60~14.97)
 ●MCIのオッズ比:2.32(95%CI:1.24~4.36)

 著者らは「歯周病は、ADやMCIのリスク上昇と関連しているため、早期介入が必要であろう」としている。

(鷹野 敦夫)