カルフォルニア大学のAlexis L Beatty氏らは新型コロナワクチン接種後に参加者が報告した副反応に関連する可能性のある因子を評価した。ワクチンを商品ごとで比較することで、その要因が、フルドーズのワクチン接種、ワクチン商品名、年齢の若さ、女性、新型コロナウイルス既感染であることが明らかになった。JAMA Network Open誌2021年12月22日号で掲載の報告。
研究者らは、本研究をオンライン上で実施。対象者は2020年3月26日~2021年5月19日に新型コロナワクチンを1回以上接種し、スマートフォンまたはインターネットにアクセスできる18歳以上で、参加者は健康状態(新型コロナ関連のイベント含む)に対する毎日、毎週、毎月の調査を完了した。
参加者から報告された副反応とその重症度を多変量ロジスティック回帰モデルで解析し、候補因子には、年齢、性別、人種、民族性、主観的な社会的地位、新型コロナ感染歴、持病の有無、薬物の使用、ワクチン接種量、およびワクチン商品名が含まれた。
主な結果は以下のとおり。
・参加者1万9,586例の年齢中央値(IQR)は54歳(38~66歳)で、そのうち1万3,420例(68.8%)は女性だった。
・アレルギー反応またはアナフィラキシーは、ファイザー製(BNT162b2)またはモデルナ製(mRNA-1273)を1回接種した8,680例のうち26例(0.3%)で、ファイザー製またはモデルナ製を2回接種またはJ&J製(JNJ-78436735)を1回接種した1万1,141例のうち27例(0.2%)で報告された。
・副反応に関連する最も強い因子はワクチンの投与量(ファイザー製かモデルナ製2回接種、またはJ&J製1回接種vs.ファイザー製かモデルナ製1回接種)で、オッズ比[OR]は3.10(95%信頼区間[CI]:2.89~3.34、p<0.001)だった。
・ワクチンの商品ごとの比較では、モデルナ製vs.ファイザー製のORは2.00(95%CI:1.86~2.15、p<0.001)、J&J製vs.ファイザー製のORは0.64(95%CI:0.52~ 0.79、p<0.001)だった。
・年齢(10歳あたり)のORは0.74(95%CI:0.72~0.76、p<0.001)、女性のORは1.65(95%CI:1.53~1.78、p<0.001)、そして、ワクチン接種前に新型コロナウイルス既感染のORは2.17(95%CI:1.77~2.66、p<0.001)だった。
(ケアネット 土井 舞子)