双極性障害の睡眠に対する心理的および行動的介入

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2022/02/23

 

 睡眠や概日リズムの乱れは、双極性障害患者にみられる顕著な症状であり、潜在的な補助的介入の標的となりうる。英国・オックスフォード大学のLampros Bisdounis氏らは、双極性障害患者の睡眠や概日リズムに対する心理学的および行動学的介入の有効性を評価するため、ランダム化比較試験のレビューを行った。Neuroscience and Biobehavioral Reviews誌2022年1月号の報告。

 包括基準を満たした19研究を、必要に応じてナラティブ統合およびメタ解析によりサマライズした。

 主な結果は以下のとおり。

・研究の内訳は、光線療法6件、対人的および社会的リズム療法5件、ブルーライトカット眼鏡2件、不眠症に対する認知行動療法1件、断眠療法1件、併用療法4件であった。
・研究の半数以上(10件、52%)において、介入の主要なターゲットであるにもかかわらず、睡眠や概日リズムの測定が行われていなかった。
・全体的には、これらの介入の有効性に関するエビデンスは、限られていた。
・介入ごとに少数の研究があり、プロトコルやアウトカムに一貫性が認められなかった。
・うつ症状に対する光線療法の有効性に関してはメタ解析可能であり、中程度~高度な治療後の有効性が認められた(Nc=6、g=-0.74、95%信頼区間[CI]:-1.05~-0.42、p<0.001)。

(鷹野 敦夫)