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心不全未発症者、睡眠時無呼吸や質低下が心拡張機能障害と関連/兵庫医大

心不全未発症の段階において、睡眠時の無呼吸と質の低下がそれぞれ独立した左室拡張機能低下の重要な予測因子であることを、兵庫医科大学糖尿病内分泌・免疫内科学講座の大学院生の木俵 米一氏らの共同研究グループが前向き研究で解明した。これまで、心不全患者では睡眠に関する問題が多く、睡眠が心不全発症と関連する可能性が指摘されていたが、無呼吸、短時間、質の低下などの睡眠関連因子を定量的かつ同時に評価し、左室拡張機能障害の進行に対する影響を直接検討した研究は報告されていなかった。Journal of American Heart Association誌オンライン版2022年9月21日号掲載の報告。
対象は、同大学が実施する全学横断的プロジェクト研究事業「Hyogo Innovative Challenge(HIC)」の一環であるHyogo Sleep Cario-Autonomic Atherosclerosis (HSCAA)コホート研究に登録された患者のうち、心不全未発症の452例。平均34.7ヵ月(中央値25ヵ月)追跡を行い、睡眠時の無呼吸、睡眠の時間と質が心拡張機能障害の進行にどのように関連するのかを前向きに検討した。
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中、452例中66例で心拡張機能低障害が進行した。
・カプランマイヤー解析の結果、中~重症の睡眠時無呼吸を有する患者および睡眠中の体動が多く質が低下した患者では、これらの因子がない/軽度の患者に比べて将来の心拡張機能障害を来す割合が高かった(それぞれp<0.01)。
・睡眠の時間については、心拡張機能との明らかな関連は認められなかった(p=0.27)。
・これらの因子の影響を患者背景も含めて検討したCox比例ハザードモデルでは、中~重症の睡眠時無呼吸を有する患者(ハザード比[HR]:9.26、95%信頼区間[CI]:1.89~45.26、p<0.01)および質の低下した患者(同:1.85、同:1.01~3.39、p=0.04)は、将来の心拡張機能の低下と有意な関連を示しており、これらの関係は互いに独立していた。
(ケアネット 森 幸子)
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