新型コロナウイルス感染症の流行が長期にわたり、再感染者も増えている。コロナ再感染は基礎体力が劣り、基礎疾患を持つ人が多い高齢者に多いのではと考えられるが、実際には若年・中年層の増加率が高齢者よりも高いことが明らかになった。米国疾病管理予防センター(CDC)が実施した研究結果は、Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)誌2023年6月23日号に掲載された。
コロナ再感染の割合の絶対的増加は18〜49歳で最も高い
CDCは2021年9月5日~2022年12月31日に、米国の18の管轄区域から報告された18歳以上の成人のCOVID-19全症例、入院、死亡に占めるコロナ再感染の割合を調査し、5つの期間(デルタおよびオミクロン[BA.1、BA.2、BA.4/BA.5、BQ.1/BQ.1.1]がそれぞれ優勢だった期間)と年齢層別に解析した。
コロナ再感染の割合を調査した主な結果は以下のとおり。
・期間中に278万4,548例のコロナ再感染が報告され、同集団および期間に報告された全症例(2,194万3,686例)の12.7%を占めた。
・18~49歳が人口に占める割合は54%だが、この期間のコロナ再感染者の66.8%を占めた。50~64歳は21.2%、65歳以上は11.9%であった。
・全症例に占めるコロナ再感染の割合は、2.7%(デルタ期)から28.8%(オミクロンBQ.1/BQ.1.1期、以後期間はすべてデルタ期→オミクロンBQ.1/BQ.1.1期)に大幅に増加した。COVID-19関連入院(1.9%→17.0%)および死亡(1.2%→12.3%)に占めるコロナ再感染の割合も大幅に増加した。
・コロナ再感染の割合の絶対的増加は18〜49歳で最も高く(3.0%→34.4%)、50~64歳は2.1%→29.0%、65歳以上は2.0%→18.9%だった。
・COVID-19の全症例、入院、および死亡のうちコロナ再感染の割合は、50歳以上と比較して、18~49歳では期間を通じて一貫して高かった。
・コロナ感染間隔の中央値は269~411日であり、BA.4/BA.5期間の開始時に急減した。
レポートはこの期間のコロナ再感染およびそれに伴う入院と死亡の割合が若年層で高い理由として、初感染の累積発生率が高いこと、ワクチン接種開始の時期が遅いこと、ワクチン接種率が低いこと、曝露リスクが高いこと、初感染の重症度が低いために生存バイアスがかかっている可能性、など複数の要因が考えられるとしている。
(ケアネット 杉崎 真名)