動脈硬化と身長低下はそれぞれ心血管系疾患との関連が報告されているが、動脈硬化と身長低下の関連はこれまで明らかになっていない。今回、長崎大学の清水 悠路氏らによる後ろ向き研究で、高齢者において動脈硬化と身長低下が関連することが示された。Scientific Reports誌2024年4月2日号に掲載。
本研究は、年1回の健康診断を受けた60~89歳の2,435人を対象にした後ろ向き研究。動脈硬化は頸動脈内膜中膜厚(CIMT)が1.1mm以上とし、身長低下は年間の身長減少が最高五分位群にあることとした。
主な結果は以下のとおり。
・参加者のうち555人がアテローム性動脈硬化症と診断された。
・アテローム性動脈硬化症と身長低下には、既知の心血管リスク因子とは関係なく正相関がみられ、調整オッズ比は1.46(95%信頼区間:1.15~1.83)であった。また、男女別にみると男性1.43(同:1.01~2.04)、女性1.46(同:1.07~1.99)であった。
(ケアネット 金沢 浩子)