大半の米国人が睡眠不足で日中の眠気に悩まされている

提供元:HealthDay News

印刷ボタン

公開日:2024/11/08

 

 米国成人の大半が睡眠不足であるという実態を示すデータが報告された。日中の眠気のために、仕事や人間関係に悪影響が生じたり、自動車運転時の反応速度にも負の影響が起きたりしている懸念があるという。米国睡眠医学会(AASM)が行った大規模な調査の結果であり、10月1日に同学会からプレスリリースが発行された。

 この調査は、米国中の成人2,006人を対象に、2024年5月16~24日にオンラインで実施された。結果を解析したところ、米国成人の54%が「睡眠が足りない」と考えていることが明らかになった。さらに、10人中8人(82%)が日中に眠気を感じていて、そのことによって仕事、気分、人間関係などのうちの少なくとも一つに支障が生じていると回答した。

 これらの結果を受けてAASMの広報担当者で睡眠専門医のAlexandre Abreu氏は、「日中の眠気を、単に厄介な症状と考えるべきではない。その影響は、仕事の生産性から個人的な人間関係まで、あらゆることに波及して、自分のベストを尽くしてパフォーマンスを発揮しようとしても、その努力を阻害してしまう可能性がある」との解説を加えている。実際、今回の調査でも、回答者のほぼ半数(47%)が、「眠気によって生産性が妨げられ、集中力を持続できず、効率的な仕事の遂行に困難を感じている」と答えた。また回答者の3分の1(31%)は、「眠気が仕事の質に影響する」と答えた。この点は女性に比べて男性において、「不満」として挙げられることがより多かった。

 このほかにも、やはり3分の1ほど(34%)の回答者が、「眠気が記憶力や想起力に影響する」と考えていて、「運転中の反応時間に影響が出る」との回答も16%に上った。さらに注目すべきこととして、約4分の1(24%)の人が、「日中の眠気が家族や友人との関係に悪影響を与えている」と答えた。

 Abreu氏は、「これらの調査結果は、日中の眠気の悪影響が広範囲に及ぶという事実を明確に示している。健康的な睡眠を取ることの重要性を認識して、睡眠に問題がある場合は、周囲に助けを求めることが非常に重要だ」と語っている。なお、AASMは、成人の場合、一晩に7時間以上の睡眠が必要だとしている。また、就寝時間を一定に保つこと、安眠できる環境を作ること、そして睡眠の問題がある場合には医師に相談することなども推奨している。

[2024年10月3日/HealthDayNews]Copyright (c) 2024 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら