難治性てんかん患者に対するレベチラセタムの有用性はどの程度か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/12/04 新規抗てんかん薬は、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない場合の併用療法に使用することが定められているが、どの程度の有効性が期待できるのだろうか。中国・復旦大学のYouxin Fang氏らは、てんかん患者に対しレベチラセタム(LEV)を併用した際の有効性と忍容性を明らかにするためメタ解析を実施した。その結果、LEVの追加はプラセボに比べ、発作を有意に減少させ、忍容性も良好であることを報告した。Journal of Clinical Neuroscience誌オンライン版2013年11月11日号の掲載報告。 研究グループは、特発性または二次性てんかんに罹患し多様な発作を呈する、成人および小児に対するLEV併用療法の有効性と忍容性に関する、現時点のエビデンスを収集し、概括することを目的にメタ解析を実施した。てんかんに対する併用療法としてLEVを用いた無作為化比較試験(RCT)を選択し、50%以上の発作頻度減少、発作なし、有害事象などのアウトカムについて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・13件のRCTを解析に組み込んだ。 ・LEVの追加効果は、50%以上の発作頻度減少(pooledオッズ比[OR]:3.36、95%信頼区間[CI]:2.78~4.07、Z=12.46、p<0.00001)と、発作なし(同:4.72、2.96~7.54、Z=6.50、p<0.00001)の項目において、プラセボに比べ優れていた。 ・不均質性は軽度であった(50%以上の発作頻度減少:χ2=12.28、I2=2%、発作なし:χ2=0.49、I2=0%)。 ・サブグループ解析において、成人患者のすべての用量で同様の有効性が示唆された。 ・LEV群とプラセボ群の間で、有害事象の発現頻度に有意差はなかった。 ・LEV群で多く発現した有害事象は、眠気、興奮、めまい、無力症、感染症であった。 ・発疹、白血球減少、血小板減少などの重篤な有害事象はきわめて低頻度であった。 ・成人および小児の部分てんかんおよび特発性全般てんかんにおいて、LEVの追加はプラセボに比べ発作を有意に減少させ、良好な忍容性を示した。 ■関連記事 難治性の部分発作を有する日本人てんかん患者へのLEV追加の有用性は レベチラセタム、部分てんかん患者に対する1年間の使用結果レビュー:聖隷浜松病院 新規の抗てんかん薬16種の相互作用を検証 抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証 (ケアネット) 原著論文はこちら Fang Y et al. J Clin Neurosci. 2013 Nov 11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 新規抗てんかん薬の催奇形性リスクは 医療一般(2014/08/19) てんかん患者の日中の眠気と交通事故リスク 医療一般 日本発エビデンス(2019/07/26) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] GLP-1受容体作動薬、内視鏡検査の誤嚥リスクに影響するか/BMJ(2024/11/05) オピオイド使用障害、治療中止リスクが低い薬剤は?/JAMA(2024/11/05) 精神科病床数はどのくらい必要なのか〜メタ解析(2024/11/05) 胃がん1次治療のニボルマブ+化学療法、承認後のリアルワールドデータ/日本癌治療学会(2024/11/05) 実臨床のスタチン、ロスバスタチンvs.アトルバスタチン(2024/11/05) 脳卒中後の治療で最善の血栓溶解薬とは?(2024/11/05) 不十分な情報でも「自分は正しい」と思い込むのはなぜか(2024/11/05) 大量飲酒後には不整脈リスクが増加か(2024/11/05) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) 今、注目のエビデンス(2018/07/02) 第4回 特別編 覚えておきたい熱中症の基本事項【救急診療の基礎知識】(2018/07/25) 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.2(2018/04/07) 長門流 認定内科医試験BINGO! 総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.3(2017/06/07) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】(2016/12/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07)