うつ病のリスク遺伝子判明:藤田保健衛生大 藤田保健衛生大学の島崎 愛夕氏らは、大うつ病性障害(MDD)のリスク遺伝子を明らかにするため、遺伝子と外的環境との相互作用を考慮に入れた解析を実施した。その結果、双極性障害(BD)に関連する一塩基多型(rs7296288、DHH下流の12q13.1領域)とMDDのうつ症状との間の有意な関連を報告した。PLoS One誌2014年12月17日号の掲載報告。
レビー小体型認知症は日中の眠気がアルツハイマー型より多い傾向 アルツハイマー型認知症(AD)と比べてレビー小体型認知症(DLB)のほうが、日中の過剰な眠気がみられる患者が、より多いとみられることが、米国・メイヨークリニックのTanis J Ferman氏らによる検討の結果、明らかになった。これまで、レビー小体型認知症の日中の過剰な眠気は、既知の一般的な問題として報告されていたが、アルツハイマー型認知症患者と比較した検討は行われていなかった。Alzheimer's Research & Therapy誌2014年12月10日号の掲載報告。 研究グループは、AD患者とDLB患者を比較して、夜間連続睡眠と日中眠りに落ちている傾向との関連を調べた。DLB患者61例、AD患者26例に、夜間睡眠ポリグラフ検査を実施した。また、そのうちDLB患者32例、AD患者18例に日中、反復睡眠潜時検査(Multiple Sleep Latency Test:MSLT)を行った。DLB患者の20例について、神経病理学的検査を行った。 レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症を比較して日中眠りに落ちている傾向との関連を調べた主な結果は以下のとおり。
線維筋痛症にメマンチンが有望 線維筋痛症は痛みのために日常生活に支障を来す慢性疾患である。最近、いくつかの脳領域でグルタミン酸濃度が上昇していることが明らかとなり、メマンチンなどのグルタミン酸受容体遮断薬が線維筋痛症に有効との説が浮上している。
統合失調症、ビタミンD補充で寛解は期待できるか ビタミンD欠乏症は、統合失調症の発症に関与する病因の1つである。多くの統合失調症研究において、血清ビタミンD値が低い症例が報告されているが、疾患活動性と血清ビタミンD値との関連性は明らかになっていなかった。トルコ・Ankara Numune Egitim ve Arastirma HastanesiのRabia Nazik Yuksel氏らは、統合失調症とビタミンD欠乏症との関連を明らかにするため、寛解期および急性期の統合失調症患者の血清ビタミンDレベルを健常対照と比較検討した。その結果、急性期統合失調症患者の血清ビタミンD値は、寛解期の患者および健常対照に比べ有意に低いことを報告し、急性期統合失調症とビタミンD欠乏との関連を示唆した。Therapeutic Advances in Psychopharmacology誌2014年12月号の掲載報告。
乾癬、生物学的製剤との併用療法についてレビュー 米国・コロラドデンバー大学のApril W. Armstrong氏らは、乾癬患者の生物学的製剤を用いた治療について、他の全身性治療法との併用に関して、エビデンスに基づくガイダンス勧告を示すため、レビューを行った。その結果、推奨される組み合わせは推奨度が高い順に、メトトレキサートとの併用、アシトレチンとの併用、そして光線療法との併用であることなどを報告した。なおレビューの結果を踏まえて著者は「適切に選択された患者においては、慎重に組み合わせを選ぶことで、より大きな効果をもたらすことになり、毒性も最小限にすることができる」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年12月17日号の掲載報告。
抗うつ薬は有用か、てんかん患者のうつ てんかん患者のうつ病に対する治療として、抗うつ薬の有効性と安全性、けいれん発作再発に対する有効性を明らかにするため、英国・Leeds General InfirmaryのMelissa J Maguire氏らは8件の臨床試験をレビューした。その結果、抗うつ薬の有効性に対するエビデンスは非常に少なく、また質の高いエビデンスも存在しないことを明らかにし、同領域において大規模な比較臨床試験の必要性を指摘した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2014年12月3日号の掲載報告。
単一成分のヒドロコドン徐放性製剤、慢性疼痛に有効 ヒドロコドン徐放性製剤「Zohydro」(国内未承認)は、米国FDAに最初に承認された単一成分のヒドロコドン徐放性製剤である。米国・カンザス大学メディカルセンターのSrinivas Nalamachu氏らは多施設非盲検臨床試験において、中~重度の慢性疼痛を有しオピオイドの効果が不十分もしくは忍容性がなかった患者に対し、本剤の長期投与が概して安全かつ有効であったことを示した。
うつ病患者で重要な食事指導のポイント うつ病や不安症の発症にライフスタイル要因が関与していることを支持するエビデンスが発表され、これら疾患の治療では非薬理学的アプローチの重要性が増している。観察研究によると、習慣的な食生活の質とうつ病との関連が示唆されている。とはいえ、食生活がメンタルヘルスのアウトカムに影響を及ぼす原因についてはあまり知られていない。オーストラリア、ラ・トローブ大学のRachelle S Opie氏らは、うつ病や不安症に対する食事介入療法の成功プログラムの特性を明らかにするため、ランダム化比較試験の系統的レビューを実施した。Public health nutrition誌オンライン版2014年12月3日号の報告。
「第29回日本医学会総会 2015 関西」事前参加登録 締切迫る!(1月31日) 「第29回日本医学会総会 2015 関西」の開催が近づいてまいりました。メインテーマ「医学と医療の革新を目指して―健康社会を共に生きるきずなの構築―」のもと、少子超高齢社会に突入した現在が抱える医学・医療の問題について話し合います。
睡眠薬使用で不眠症患者のQOLは改善するのか 米国・テキサス大学オースティン校のJulieta Scalo氏らは、全米の代表的な検体を用いて、不眠症および処方された睡眠薬の使用と健康関連QOLとの関連を評価した。その結果、処方睡眠薬の使用有無にかかわらず、不眠症は身体的・精神的QOLスコアの低下と関連していること、ベンゾジアゼピン系薬の使用は、身体的QOLスコアのさらなる低下と関連していたことなどを報告した。Quality of Life Research誌オンライン版2014年11月29日号の掲載報告。
前立腺がん、診断後の身体活動が生存率上げる 前立腺がん診断後の身体活動と死亡率との関連を調べた研究はほとんどない。スウェーデン・カロリンスカ研究所のStephanie E. Bonn氏らは、前立腺がん診断後の身体活動が全死亡率および前立腺がん特異的死亡率に影響を与えるかどうかを、大規模コホートで検討した。その結果、身体活動性の高さが全死亡率および特異的死亡率の低下と関連することが示された。Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌オンライン版2014年12月19日号に掲載。
軽度認知障害からの進行を予測する新リスク指標 軽度認知障害(MCI)からprobableなアルツハイマー型認知症(AD)への進行を予測する新たな診断基準が、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のSei J. Lee氏らにより開発提示された。臨床指標をベースとしたリスク予測因子で、臨床医がMCI患者の進行について低リスクvs.高リスクを鑑別するのに役立つ可能性があるという。PLoS One誌2014年12月8日号の掲載報告。
シンポジウム「一般内科初診外来 - どう学び、どう教えるか」のご案内 東京女子医科大学 男女共同参画推進局 女性医師再教育センターでは、2015年3月1日(日)に「一般内科初診外来 -どう学び、どう教えるか」と題したシンポジウムを開催する。
アジアの勃起障害患者、うつ発症に注意が必要 うつ病は勃起障害(ED)のリスクを増加させ、一方でEDはうつ病を悪化させる可能性がある。しかし、両疾患の因果関係については議論の余地が残っている。さらに、うつ病とEDの関係について、年齢依存的および時間依存的影響に関するエビデンスは限られていた。台湾・高雄医学大学病院のPing-Song Chou氏らは、EDとうつ病との関連を明らかにするため、国民健康保険調査記録データベースを用いて長期コホート試験を実施した。その結果、ED患者はうつ病の発症リスクが高く、とくに診断後1年以内のリスクは非ED者の約3倍高いことを報告した。Journal of Sexual Medicine誌オンライン版2014年12月5日号の掲載報告。
イクセキズマブの慢性尋常性乾癬への長期有効・安全性確認 中等度~重度の慢性尋常性乾癬患者に対し、開発中のイクセキズマブ(ixekizumab:国内未承認)の長期有効性および安全性が確認された。米国・ノースウェスタン大学のKenneth B. Gordon氏らが、52週間の非盲検無作為化試験の結果、報告した。
第5回医療法学シンポジウム 開催のご案内 現在、全国の医療機関において、医療安全を目的とした院内事故調査が行われています。また、2014年6月、紆余曲折を経て、いわゆる医療事故調査制度が創設されることとなり、2015年10月以降には、医療事故調査・支援センターにおいても事故調査が行われることとなります。
統合失調症患者の抗コリン薬中止、錐体外路症状への影響は 抗コリン薬は、抗精神病薬により誘発される錐体外路症状(EPS)の治療や予防に対し、何十年も使用されている。しかし、抗コリン薬は、遅発性ジスキネジアの悪化や認知機能障害を含む多くの副作用を引き起こすことが知られている。これまでの研究では、抗精神病薬で治療中の統合失調症患者における抗コリン薬の中止は、EPSの再発率に大幅な影響を及ぼすこと、その一方で、認知機能の改善が認められることが報告されている。カナダ・マギル大学医療センターのJulie Eve Desmarais氏らは、抗コリン薬中止による、運動障害、認知機能、精神症状に対する影響を評価した。Therapeutic advances in psychopharmacology誌2014年12月号の報告。
乳がん術後化学療法後の骨髄新生物リスク 早期乳がんに対する第1世代の術後補助化学療法による試験では、骨髄異形成症候群または急性骨髄性白血病の8年累積発症率は0.27%であった。しかし、フォローアップが十分になされていなかったため、その後の治療関連骨髄新生物のリスクを過小評価している可能性がある。今回、米国ジョンズ・ホプキンス大学シドニー・キメル総合がんセンターのAntonio C. Wolff氏らが、全米総合がん情報ネットワーク(NCCN)乳がんデータベースを用いた早期乳がんの大規模コホートで、骨髄新生物の発症頻度を調査した結果をJournal of clinical oncology誌オンライン版2014年12月22日号に報告した。
飲酒量多いと医療費高い~日本男性の大規模研究 日本の医療保険制度下での大規模な疫学研究により、日々の飲酒量が多いと医療費および入院の可能性が増加することがわかった。金沢医科大学公衆衛生学の中村 幸志氏らが、Alcohol and Alcoholism誌オンライン版2014年12月17日号で報告した。