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日本初のARB/CCB/利尿薬の3剤合剤降圧薬を発売

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野 吉晃、以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)とアステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長CEO:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は2016年11月18日、「ミカルディス錠」(AT1受容体拮抗薬(ARB)、持続性カルシウム拮抗薬(CCB)アムロジピンベシル酸塩およびチアジド系利尿薬ヒドロクロロチアジド(HCTZ)の3剤合剤「ミカトリオ配合錠」の発売を発表した。

日本初のDOAC中和剤発売、迅速・完全・持続的な効果

 経口抗凝固薬ダビガトランに対する特異的中和剤であるイダルシズマブ(商品名:プリズバインド、日本ベーリンガーインゲルハイム)が、7ヵ月という短い審査期間で今年9月に承認され、11月18日に発売された。11月15日の発売記者説明会では、国立病院機構九州医療センター脳血管センター脳血管・神経内科の矢坂正弘氏が、抗凝固薬による出血リスク、イダルシズマブの効果や意義について紹介し、「迅速・完全・持続的に効果を示すイダルシズマブは臨床現場で有用な薬剤になるだろう」と述べた。

カルボニルストレス、統合失調症との関連を解析:都医学研

 東京都医学総合研究所の宮下 光弘氏らのこれまでの研究では、カルボニルストレスが統合失調症と密接に関連していることが示唆されていた。内因性分泌型終末糖化物質受容体(esRAGE)は、AGER遺伝子のスプライス変異であり、RAGEの可溶性形態の1つである。esRAGEは、終末糖化産物(AGE)閉じ込めることにより、カルボニルストレスの負担を軽減するための重要な物質であると考えられている。本研究では、AGERに焦点を当て、遺伝子関連解析を行った。Biochemical and biophysical research communications誌2016年10月21日号の報告。

皮下植込み型ICDの長期成績―経静脈植込み型ICDとの比較

 経静脈植込み型除細動器(TV-ICD)は、心臓突然死のリスクがある患者の予後を改善するが、合併症の問題が残っている。一方、皮下植込み型除細動器(S-ICD)は、リードに関連した合併症を克服するために開発された。これら2つのICDをめぐっては、それぞれの患者特性が異なるため、これまでの研究では臨床成績の比較が難しかった。そこで、オランダの2施設の研究グループが、プロペンシティスコアによるマッチングによって、S-ICDとTV-ICDの長期臨床成績を後ろ向きに比較検討した。Journal of the American College of Cardiology誌2016年11月号に掲載。

エボロクマブのプラーク退縮、AHAで発表:アムジェン

 アムジェン社は2016年11月15日、冠動脈疾患(CAD)患者に対して最適用量のスタチン療法にエボロクマブ(商品名:レパーサ)を上乗せした結果、統計学的に有意なアテローム性動脈硬化の退縮が確認されたことを発表した。この第III相プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験(GLAGOV試験)の結果は、2016年米国心臓学会議(AHA)学術集会での発表と同時に、Journal of the American Medical Association(JAMA)誌にも掲載された。

世界的に今後の認知症研究はどう進んでいくか

 2015年3月、WHO加盟国80ヵ国と4つの国連機関を含む160人の代表が集まり、認知症に対する世界的アクションに関する第1回WHO大臣級会合が開かれた。そのなかで、さらなる研究に向けて総力結集を後押しし、認知症の世界的な負担を軽減するためのアクションの呼びかけ(Call for Action)が発表された。米国・コロンビア大学のHiral Shah氏らは、この取り組みを促進するために、Child Health and Nutrition Research Initiative法の改良バージョンを用いて、世界の代表的研究の優先順位付けを行った。The Lancet Neurology誌2016年11月号の報告。

小児の弱視治療にiPadゲーム療法は有効か

 近年、不同視弱視や斜視弱視の治療について両眼アプローチが提唱され、小規模試験で有望との結果が示されている。それを受けて米国・メイヨークリニックのJonathan M. Holmes氏らは、大規模無作為化試験により、弱視小児の視力改善について、両眼アプローチとしてiPadを用いたゲーム療法と、従来の定時的なアイパッチ療法を比較する検討を行った。

小児に対する抗精神病薬使用、治療継続性を解析

 小児および青年に対する第2世代抗精神病薬の実際の有用性は、まだよくわかっていない。このような患者は長期にわたり治療を受けているため、重要な研究領域である。イタリア・Scientific Institute IRCCS Eugenio MedeaのMarco Pozzi氏らは、小児外来患者を対象に第2世代抗精神病薬の治療継続性を比較した。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2016年10月25日号の報告。

コーヒー1日3杯以上で脳腫瘍リスク低下~JPHC研究

 わが国の多目的コホート研究(JPHC研究)で、コーヒーや緑茶を飲む頻度で脳腫瘍のリスクを比較したところ、コーヒーを1日3杯以上飲むグループでリスクの低下がみられ、日本人ではコーヒー摂取が神経膠腫(グリオーマ)を含む脳腫瘍のリスクを減らす可能性が示唆された。International Journal of Cancer誌2016年12月号に掲載。

統合失調症への補助療法、その影響は:昭和大

 統合失調症患者における非薬理学的介入(NPI)と末梢脳由来神経栄養因子(BDNF)との関係を調査した研究はいくつかある。昭和大学の真田 健史氏らは、統合失調症(統合失調感情障害を含む)患者を対象に末梢血清および血漿BDNFにおいてNPIの有効性を確認するため、システマティックレビュー、メタ解析を行った。International journal of molecular sciences誌2016年10月24日号の報告。

震災による被害で認知症リスク増加

 これまで、震災前後における認知症リスク因子を考慮し、関連を調べた研究はなかった。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のHiroyuki Hikichi氏らは、将来を見据えて、2011年の東日本大震災と津波の影響による災害の経験が認知機能低下と関連しているかどうかを調査した。Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America誌オンライン版2016年10月24日号の報告。

うつ病患者のベンゾジアゼピン使用、ミルタザピン使用で減少:千葉大

 千葉大学の橋本 佐氏らは、うつ病エピソードの第1選択薬としてSSRIの代わりにミルタザピンを選択することで、うつ病患者のベンゾジアゼピン使用を低下させることが可能かを評価した。また、臨床的反応と血清成熟型脳由来神経栄養因子(BDNF)、前駆体proBDNFの関係を同時に調査した。Annals of general psychiatry誌2016年10月19日号の報告。

侮ってはいけない糖尿病網膜症とそのリスク

 糖尿病を発症した患者は、血糖コントロールや食事制限には意識的に取り組むが、網膜症のリスクがあることにはどれだけ自覚的だろうか。今月2日、都内で「糖尿病網膜症をとりまく日本の患者・医療の実態」と題したプレスセミナーが開かれた(主催:バイエル薬品株式会社)。14日は世界糖尿病デーであり、制定から10周年となる今年のテーマは“Eyes on Diabetes(糖尿病を見る眼)”。網膜症をはじめとする眼合併症のスクリーニング検査の重要性について、世界的に啓発が行われている中、セミナーに登壇した川崎 良氏(山形大学大学院医学系研究科 公衆衛生学講座准教授)は、「糖尿病治療に当たる医師と眼科医の速やかかつ継続的な連携が、糖尿病網膜症の早期発見と治療には重要だ」と強調した。

毛孔性紅色粃糠疹の発症にCARD14遺伝子変異が関与

 毛孔性紅色粃糠疹(PRP)は炎症性角化症の1つであるが、発症機序はわかっていない。名古屋大学医学部皮膚科助教の武市 拓也氏らは、CARD14遺伝子に着目して研究を行い、PRP V型(家族性および散発性)はCARD14遺伝子変異に起因している可能性があることを突き止めた。JAMA Dermatology誌オンライン版2016年10月19日号掲載の報告。

抗PD-1抗体キイトルーダ、11月の薬価収載見送り

 MSD株式会社(本社:東京都千代田区、社長:ヤニー・ウェストハイゼン、以下MSD)は2016年11月9日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)(商品名:キイトルーダ点滴静注20mgおよび100mg、以下キイトルーダ)の11月の薬価収載を見送ると発表した。2016年9月28日に、根治切除不能な悪性黒色腫に対する効能・効果について製造販売承認を取得後、薬価収載に向けて準備を進めていた。

「肺癌診療ガイドライン」の意義、上手な使い方とは

 新たな治療薬が続々と発売されている肺がん。この10年で「肺癌診療ガイドライン」(日本肺癌学会編)は記載形式や推奨方針が大きく変化してきている。2016年10月28日開催の第13回肺がん医療向上委員会において、その変遷や意義について、日本肺癌学会ガイドライン検討委員会 薬物療法および集学的治療小委員会 委員長である瀬戸 貴司氏(国立病院機構九州がんセンター 呼吸器腫瘍科)が講演した。