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ビタミンD補充でがん発症率は減少せず~メタ解析より

 これまでの観察研究で、ビタミンDは、がんの発症率に対する効果よりも死亡率に対する効果のほうが大きいことが示唆されている。しかし、ビタミンD補充に関する既存の無作為化比較試験では、1次エンドポイントががん発症率や死亡率ではなかったため、関連性の検討が限られていた。そこで、米・ハーバード大学公衆衛生学部N Keum氏らは、ビタミンD補充とすべてのがんの発症率および同死亡率の無作為化比較試験のメタ解析を行い、British Journal of Cancer誌オンライン版2014年6月10日号に報告した。

統合失調症の認知機能改善に抗認知症薬は有用か

 ガランタミンとメマンチンの組み合わせ治療は、統合失調症の認知機能改善に有効であることが米国・メリーランド大学のMaju Mathew Koola氏らによる検討プロジェクトの結果、示された。両薬の組み合わせが、いずれか一方の単独療法よりも認知機能を選択的に増強するためだという。今回の結果を踏まえて著者は、「将来的には、統合失調のような複雑な疾患の治療では、マルチターゲットの誘発リガンドが役に立つであろう」とまとめている。Schizophrenia Research誌オンライン版2014年5月27日号の掲載報告。

「SGLT2阻害薬の適正使用を呼びかけるRecommendation」を公表

 日本糖尿病学会「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」は、SGLT2阻害薬の発売開始から約1ヵ月間の副作用報告を受けたことを踏まえ、6月13日に「SGLT2阻害薬の適正使用を呼びかけるRecommendation」を公表した。  発表によると、報告された副作用として、当初予想された尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹など重篤な副作用が発症しているとのことである。

統合失調症の病因に関連する新たな候補遺伝子を示唆:名古屋大学

 名古屋大学のChenyao Wang氏らは、神経新生などに重要な役割を担っているF-box protein 45(FBXO45)について、統合失調症の病因としての可能性を探るため、統合失調症患者を対象にFBXO45エクソン領域の変異スクリーニングを行った。その結果、新規のまれなミスセンス変異としてR108Cを同定し、FBXO45が統合失調症の病因に関連する新たな候補遺伝子となる可能性を示唆した。Schizophrenia Research誌オンライン版2014年5月27日号の掲載報告。

職場のメンタルヘルス、効果的な方法は:旭川医大

 職場におけるジョブコントロールとソーシャルサポートが、うつ病、燃え尽き症候群、不眠症に相乗効果をもたらすことが、旭川医科大学の西條 泰明氏らによる調査研究の結果、明らかにされた。またその効果は、仕事の要求度による層別化後、男女間で差があることも明らかになった。この結果を踏まえて著者は、「仕事の要求度およびコントロールだけでなく、仕事のコントロールとソーシャルサポートの相乗効果も考慮することが、仕事のストレスを評価するためには必要である」とまとめている。International Archives of Occupational and Environmental Health誌オンライン版2014年5月23日号の掲載報告。

抗認知症薬の神経新生促進メカニズムに迫る:大阪大学

 大阪大学の喜多 祐紀氏らは、ガランタミンによる神経新生促進メカニズムについて、マウスを用いて検討した。その結果、ガランタミンはM1ムスカリン受容体およびα7ニコチン性アセチルコリン受容体を介して、神経新生を促進している可能性が示唆されたことを報告した。International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2014年5月12日号の掲載報告。

患者とパートナーの仲は腰痛で変わる?

 慢性痛は患者と患者のパートナーとの関係性に、どのような影響を及ぼすのだろうか。英国・キール大学のArani Vivekanantham氏らによる慢性腰痛患者とそのパートナーを対象としたアンケート調査の結果、患者の痛みについて、患者のパートナーがとくにうつ病を有する場合に二人の関係性に質的な影響を及ぼす可能性があることが示唆された。

機能性ディスペプシアの診療ガイドライン~プライマリケアでの対応も掲載

 今年4月の日本消化器病学会総会において、「機能性消化管疾患診療ガイドライン-機能性ディスペプシア(FD)」(日本消化器病学会編)が発表された。6月6日に開催されたメディアセミナー(ゼリア新薬工業・アステラス製薬共催)では、本ガイドラインのポイントや、国内で唯一FDに適応を持つアコファイド(一般名:アコチアミド)の有用性について、兵庫医科大学内科学消化管科 主任教授 三輪 洋人氏が講演した。

統合失調症治療に園芸療法は好影響をもたらすのか

 園芸療法は、習熟したセラピストまたは医療者による助けのもと、特別な治療目標の達成または単に健康改善のために、果物、野菜、花、木などを利用するプロセスである。同療法は認知、身体的、社会的、感情的およびレクリエーションなどにおけるベネフィットを期待して、治療またはリハビリテーションプログラムとして用いられており、身体的、心理的、精神的状態を改善させるとされている。

化学療法はがん患者の認知機能と脳活性を低下させるか

 がん化学療法後の認知機能障害は患者のQOLに悪影響を及ぼす。多くの横断的前向き試験が、神経心理学的ながん治療後の認知変化について述べている。しかしながら、決定的な知見はまだない。この試験は最新の神経学的イメージングシステムを用い、乳がん治療後の認知愁訴と脳活性度の変化の関連を検討している。ベルギーのルーヴェン・カトリック大学Sabine Deprez氏らの前向き比較試験。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2014年5月27日号の掲載報告。

双極性障害のミスマッチ陰性電位:九州大学

 九州大学の島野 聡美氏らは、双極性障害患者を対象とし、前注意の自動処理過程を反映すると考えられているミスマッチ陰性電位(MMN)の状況を健常対照と比較検討した。その結果、双極性障害患者では健常対照に比べMMNの減弱が認められ、前注意聴覚機能障害が周波数-MMNm反応の減弱として表れている可能性を示唆した。Bipolar Disorders誌オンライン版2014年5月8日号の掲載報告。

健康的なライフスタイルで脳卒中発症が3分の2に

 独・ハイデルベルク大学のKaja Tikk氏らは、欧州の前向き研究であるがん栄養調査(EPIC)のハイデルベルクコホートを分析し、ライフスタイルでの脳卒中の主な危険因子について、中年男女における一次予防の可能性を評価した。その結果、過体重、喫煙、多量飲酒、不健康な食事、運動不足を避けることが脳卒中の強力な一次予防になる可能性が確認された。Stroke誌オンライン版2014年5月29日号に掲載。