遅発型統合失調症、脳の変化に違い:産業医大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/11/12 統合失調症は、早期発症例と遅発例とでは臨床的特徴に違いがあることが明らかとなっている。しかし、これらの相違の根底にある神経メカニズムに関してはほとんどわかっていない。産業医科大学の江頭 一輝氏らは、早期発症例と遅発例の統合失調症患者における形態学的異常を比較した。その結果、今回得られた知見は統合失調症の病態生理学的な理解を改善し、早期発症例と遅発例の神経生物学的な基盤の相違や共通点を明らかにするものである、としている。Neuropsychobiology誌オンライン版2014年10月24日号の報告。 早期発症統合失調症患者24例、遅発性統合失調症患者22例、健常者41例を対象にMRI検査を実施した。脳画像は、SPM8においてVBM(voxel-based morphometry)のためDARTEL法にて前処理をし、分析を行った。全脳解析で診断の主要な影響を検討し、3群間の結果を比較した。また、局所容量と臨床的変数の相関分析も行った。 主な結果は以下のとおり。 ・遅発例では、早期発症例や健常者と比較して、左楔前部の灰白質容量が大きかった。 ・統合失調症患者では、健常者と比較して、右島、左上側頭回、左眼窩前頭回における灰白質容量の減少を示した。 ・早期発症例における罹病期間の長さは、側頭極の灰白質容積の減少と関連していた。 関連医療ニュース 日本人統合失調症患者、遅発例と早期発症例の特徴は:自治医大 抗精神病薬が脳容積の減少に関与か 若年発症統合失調症、脳の発達障害が明らかに 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Egashira K, et al. Neuropsychobiology. 2014 ; 70: 142-151. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01)