一部の皮膚疾患患者は心臓病の早期スクリーニングを受ける必要があるかもしれない。米テキサス大学サウスウェスタン医療センター皮膚科のHenry Chen氏らの最新の研究によると、免疫システムが自己を攻撃する自己免疫性皮膚疾患患者では動脈硬化を発症するリスクが対象群と比べて72%増加することが、明らかになった。同氏らによる研究結果は、「JAMA Dermatology」に12月4日掲載された。
全身性エリテマトーデス(SLE)は全身に炎症を引き起こし、皮膚、関節、臓器に損傷を与える疾患である。米疾病対策センター(CDC)の報告によれば、米国にはSLE患者が約20万4,000人存在し、そのうちの少なくとも80%が皮膚症状を発症している。一方、皮膚のみに症状が現れることもあり、この病態は皮膚エリテマトーデス(CLE)と診断される。これまでに、SLEや乾癬のような自己免疫疾患の患者では、アテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の発症リスクが高まることが報告されている。しかし、CLE患者では、メタボリックシンドロームやがんのリスクが高まることは報告されてはいるものの、ASCVDのリスクについてはこれまで検証されてこなかった。