躁病期間中の抑うつ要素の評価は、混合状態の正確な診断に重要であるが、DSM-5以前の分類システムは非常に狭義なものであった。スペイン・バロセロナ大学のReinares M氏らは、DSM-5における混合性定義の妥当性を評価するため、混合性の特徴を伴う躁病患者と伴わない躁病患者において、臨床的・機能的アウトカムに加え、社会人口統計学的、臨床・治療上の特徴を比較検討した。その結果、躁病患者の2割以上に混合性の特徴を伴う症例が存在すること、混合性の特徴を伴う躁病患者は伴わない患者に比べエピソード数が多く、抑うつ状態の変化が多くみられるなど、臨床的特徴や疾患の経過に相違が認められることを報告した。Australian & New Zealand Journal of Psychiatry誌オンライン版2015年6月号の掲載報告。