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COPDの重症度と冠状動脈疾患との関係は?

 長期間の喫煙歴があるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)患者ではCACS(冠動脈カルシウムスコア)が高くなることが認められたが、COPDの重症度と冠動脈カルシウムスコアとの間に相関関係は認められないことが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のThomas Rasmussen氏らによって報告された。European heart journal cardiovascular Imaging誌オンライン版2013年5月2日号の掲載報告。

この25年間で統合失調症患者の治療や生活環境はどう変わったのか?

 統合失調症をめぐる治療については近年、入院から地域へという考え方の変化や、第二世代抗精神病薬の登場および心理・社会的介入の導入など大きな変化が起きている。英国・クライトンロイヤル病院のSomashekara Shivashankar氏らは、特定地域におけるそれら変化の影響を確認するため、過去25年間の有病率等の変化を調べた。その結果、陰性症状患者が減少する一方で陽性症状が増加している傾向が認められたが、社会的な介入機能レベルは変わっていないように見えることなどを報告した。Schizophrenia Research誌2013年5月号の掲載報告。

腰椎椎間板ヘルニア患者、オピオイド使用は手術回避には結びつかない

 The Spine Patient Outcomes Research Trial(SPORT)は、腰椎椎間板ヘルニアに対する手術的治療と保存的治療を比較する多施設前向き無作為化研究である。同研究参加者について、米国・トーマスジェファーソン大学のKris Radcliff氏らが行ったサブグループ解析の結果、オピオイド使用患者は試験開始時からの疼痛とQOLの悪化が著しかったこと、またオピオイド使用の有無で4年後の臨床転帰に差はなく、オピオイド使用により手術を回避できるわけではないことが明らかになった。

抗てんかん薬によりADHD児の行動が改善:山梨大学

 抗てんかん薬治療による脳波(EEG)改善と、注意欠陥多動性障害(ADHD)児における行動改善が高い関連を示す可能性が、山梨大学小児科助教の金村 英秋氏らによる検討の結果、報告された。ADHD児46例を対象とした検討で、34.8%にEEGの突発性異常(PA)が認められたが、そのうち62.5%がバルプロ酸ナトリウム治療後にEEGの改善を示し、前頭部PAの頻度とADHD評価スケール改善との間に高い関連性があったという。Epilepsy & Behavior誌オンライン版2013年4月17日号の掲載報告。

アルツハイマー病、46.8%で不適切な薬剤が処方

 フランス・トゥールーズ大学のFrancois Montastruc氏らは、アルツハイマー病(AD)患者における潜在的に不適切な医薬品(potentially inappropriate medication:PIM)の処方実態を調べた。その結果、AD患者の2人に1人がPIMを処方されていること、そのなかでも脳血管拡張薬の頻度が多いことを報告した。そのうえで著者は、「AD患者への処方に際し、疾患特性および処方薬の薬力学/薬物動態学的プロファイルが十分に考慮されていないことも示唆された」と結論している。これまで、AD患者におけるPIMの使用に関する研究はほとんどなかった。European Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2013年4月16日号の掲載報告。

閉塞性肺疾患の増悪に対する新たな非侵襲性バイオマーカーとなるのは?

 閉塞性肺疾患の増悪の診断において、非侵襲性バイオマーカー、とくに喀痰中のインターフェロンγ誘導タンパク(IP-10)、ネオプテリン、呼気濃縮液(Exhaled breath condensate:EBC)のpHは有用な非侵襲性バイオマーカーとなりうることが、オーストラリア ・セントビンセント病院のGeoffrey Warwick氏らによって報告された。Respirology誌オンライン版2013年3月25日号の掲載報告。

血糖降下に影響が大きいのは?高用量BG薬 vs SU薬―DPP-4阻害薬との3剤併用療法

 シタグリプチン、高用量メトホルミン、グリメピリドの3剤併用療法のうち、血糖降下作用に大きな影響を及ぼすのはスルホニル尿素薬(SU薬)グリメピリドであるということが、あらいクリニック・新井桂子氏らにより明らかになった。著者は「このレジメンは、シタグリプチンと高用量メトホルミンの2剤併用療法では血糖コントロールが十分でない患者に有用だろう」としている。Diabetes Technology Therapy誌2013年4月15日号(オンライン版2013年3月12日号)の報告。

MTX治療乾癬患者には葉酸補充を考慮すべき

 米国・ウェイクフォレスト大学皮膚科研究センターのAmir Al-Dabagh氏らは、メトトレキサート(MTX、商品名:リウマトレックスほか)治療を受ける患者(とくに乾癬患者)の葉酸使用について検討した文献をレビューし、葉酸使用の傾向を検証した。その結果、皮膚科医による処方が少ない傾向や、葉酸の使用は文献的にはMTXの有害事象を減少させることが確認されたが、MTXの有効性を低下させるかについては不明であることなどを報告した。

キーンベック病の長期予後、血管柄付き骨移植術は良好

 血管柄付き骨移植術(VBG)は、進行期のキーンベック病に対する治療法の一つであるが、この治療法の長期予後に関する報告はほとんどなかった。日本・京都府立医科大学講師の藤原浩芳氏らは、VBGを施行したキーンベック病患者を10年以上追跡し、長期予後は良好であることを報告した。The Journal of Hand Surgery誌2013年5月号(オンライン版2013年4月2日号)の掲載報告。

過去20年間で、メラノーマによる社会的疾患負荷が2倍以上に

 オランダ・エラスムス大学医療センターのC. Holterhues氏らは、1991~2010年のオランダのメラノーマ登録患者のデータを解析した結果、オランダ社会においてメラノーマが重大な疾患負荷となっていることを報告した。疾患負荷は、疾患による健康損失や死亡を表すが、これまで一般集団におけるメラノーマについて十分に研究されていなかったという。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年3月29日号の掲載報告。

「かくれ骨粗鬆症」を救うために

 2013年4月23日(火)、日本イーライリリー株式会社開催のセミナーにて、近畿大学医学部奈良病院の宗圓 聰氏(整形外科・リウマチ科)と聖隷浜松病院の森 諭史氏(骨・関節外科)が、原発性骨粗鬆症の診断基準ならびに椎体骨折評価基準の改訂がもたらす積極的な診断・治療の広がりと、臨床に潜む「かくれ骨粗鬆症」の実態について語った。

疼痛性障害に対し、学際的な通所疼痛リハビリテーションプログラムが有効

 米国・ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部シカゴリハビリテーション研究所のChristine M. Gagnon氏らは学際的疼痛リハビリテーションプログラムの効果について検討し、多くの患者で精神的苦痛と疼痛が減少するとともに、就労が可能となったことを示した。Pain Practice誌2013年4月号(オンライン版2012年8月3日)の掲載報告。

糖尿病は軽度認知障害発症リスクを上昇させる

 高齢者において、糖尿病が軽度認知障害(MCI)発症リスクを上昇させることが米国メイヨークリニックのRosebud O. Roberts氏らの研究によって明らかになった。また、本研究により対象者の性別やMCIサブタイプ、障害領域の数によってその相関の強さが異なることも示された。Alzheimer's & dementia誌オンライン版2013年4月3日付の報告。  

やっぱり説明は大切!医師の分かりやすい説明は糖尿病治療に対する患者理解度と相関する-本邦での報告-

 良好な医師-患者間コミュニケーションは糖尿病治療における患者理解度と※1自己効力感を高めることが、帝京大学の井上真智子氏らの断面調査研究によって示された。また筆者は、患者のもつ伝達的・批判的※2ヘルスリテラシーも同様に、糖尿病治療における患者理解度と自己効力感に相関することを示した。BMC family practice誌オンライン版2013年3月23日号掲載の報告。

腰痛などに関与する傍脊柱筋変性を、日常的にCTで評価するための指標

 最近の研究で腰痛、椎間関節の変形性関節症、脊椎すべり症、椎間板変性疾患に傍脊柱筋変性が関与していることが示唆されているが、これまで簡単かつ信頼性の高いCTによる傍脊柱筋変性の指標はなかった。イスラエル・ベン=グリオン大学のLeonid Kalichman氏らはCTによる傍脊柱筋変性の評価について遂行可能性確認試験を行い、2つの指標(脂肪浸潤スコア、放射線学的密度比)が椎間関節の変形性関節症と有意に関連し、信頼性も高いことを明らかにした。Journal of Spinal Disorders & Techniques誌オンライン版2013年4月3日の掲載報告。