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COPDへの配合吸入剤、身体活動にも効果

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、慢性気管支炎や肺気腫を伴う肺の炎症性疾患であり、2018年4月、ガイドラインが5年ぶりに改訂された。日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は、わが国のCOPD患者を対象に、長時間作用性抗コリン薬であるチオトロピウム(商品名:スピリーバレスピマット)と、長時間作用性β2刺激薬との配合剤であるチオトロピウム/オロダテロール(同:スピオルトレスピマット)の吸入剤の効果を比較検討したVESUTO試験の結果を発表した。この結果は、2018年5月1日付のInternational Journal of COPD誌に掲載された。
緑内障患者、オンライン利用技術とアドヒアランスに相関みられず

オンライン上に医療情報が普及するにつれて、患者のオンラインの情報源へのアクセスと経験を踏まえることが重要となる。米国・ミシガン大学のPaula Anne Newman-Casey氏らの調査によれば、より若く、アドヒアランス不良な患者は、医師のアドバイスなしで緑内障の情報源をオンラインで検索するものの、その内容にしばしば満足感が得られないようである。著者は、「医師が疾患の自己管理指導の提供を推奨するうえで、質の高い緑内障のオンライン情報源が作成されるべきである」とまとめている。Telemedicine and e-Health誌オンライン版2018年4月23日号掲載の報告。
喫煙による難聴リスク~日本の大規模コホート

わが国の職域多施設研究であるJapan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study(J-ECOH Study)において、喫煙が難聴(とくに高音域)リスクと関連することが示された。この喫煙による過剰リスクは、禁煙後、比較的短期間で消失するという。Nicotine & Tobacco Research誌オンライン版2018年3月14日号に掲載。
難治アトピー、10年ぶりの新薬に期待

2018年5月8日、サノフィ株式会社は、アトピー性皮膚炎(AD)に関するメディアセミナーを都内で開催した。本セミナーでは、「アトピー性皮膚炎初の生物学的製剤『デュピクセント(一般名:デュピルマブ)』治験のご報告~深刻な“Disease Burden”(疾病負荷)からの解放をめざして~」をテーマに、AD患者の経験談、新薬が拓くAD改善の可能性、治療の展望などが語られた。
オランザピンおよびリスペリドンの体重増加に関するメタ解析

体重増加が抗精神病薬の投与と関連していることは、メタ解析と同様に、単一研究から報告された多くのデータにより示されている。しかし、抗精神病薬誘発性の体重増加に、潜在的な性差が認められるかについては、検討されていない。スイス・ベルン大学精神医学病院のG. Schoretsanitis氏らは、女性患者の場合、有害な薬物反応に対する感受性が高いため、男性と比較し、体重が増加しやすいのではないかとの仮説について検討を行った。Acta psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2018年3月30日号の報告。
原因不明の脳梗塞へのPFO閉鎖術、有効な患者の特徴は: The DEFENSE-PFO Trial【Dr.河田pick up】

原因が特定されない脳梗塞、いわゆるCryptogenic strokeに対する卵円孔開存(PFO)閉鎖術が有効であることが、いくつかの無作為化試験、メタアナリシスの結果示されている1)。
病気があっても働き続けられる職場作り

厚生労働省は、2018年4月24日に『事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン』(2016年2月作成)に、難病に関する留意事項、企業・医療機関連携のためのマニュアルなどを追加・更新したガイドラインを発表した。
適切なワクチン接種は母子手帳の確認から

ファイザー株式会社は、2017年12月13~18日、ワクチン接種に対する実態調査アンケートを行い、その結果を示した。
双極性障害患者のパニック症の有病率と治療に関するメタ解析

最近のデータによれば、不安症は、単極性うつ病と同様に双極性障害(BD)と頻繁に合併する。イタリア・カリアリ大学のAntonio Preti氏らは、BDに合併するパニック症(PD)に関する文献のシステマティックレビュー、メタ解析を行った。Evidence-based mental health誌オンライン版2018年4月10日号の報告。
重症喘息のステロイド量は軽~中等症の20.8倍

わが国では約800万人が喘息に罹患していると推定され、そのうち5~10%が、治療にもかかわらず重症の喘息であるといわれている。アストラゼネカ株式会社は、データベースから重症喘息患者を調査した非介入研究(KEIFU研究)の結果を、第58回日本呼吸器学会学術講演会で発表した。
高齢者うつ病に対する薬物療法の進歩

最近の高齢者うつ病に対する薬物療法の研究を、単剤療法や増強療法に関する最新情報に焦点を当て、米国・デューク大学のJohn L. Beyer氏らがレビューを行った。また、臨床反応のモデレーターに関する新たな研究や有効性の改善に関する情報をどのように用いるかについてもレビューを行った。Current psychiatry reports誌2018年4月7日号の報告。
日本人の学歴・職歴と認知症の関連に糖尿病は関与するか

欧米では、低い社会経済的地位(SES)と認知症との関連は生活習慣病(糖尿病)を介すると報告されている。しかし、わが国では低SESと認知症の関連は研究されていない。今回、敦賀看護大学(福井県)の中堀 伸枝氏らの研究から、低SESと認知症の間のメディエーターとして、生活習慣病の役割はきわめて小さいことが示唆された。BMC Geriatrics誌2018年4月27日号に掲載。
「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」通知へ:厚労省

厚生労働省の高齢者医薬品適正使用検討会は 5月7日の会合で、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」について大筋で了承した。本指針では65歳以上の高齢者、とくに平均的な服薬薬剤数が増加する75歳以上に重点をおいて、処方見直しの基本的な考え方や評価・減薬までの流れ、よく使われる薬剤の高齢者における留意点などをまとめている。
アトピー性皮膚炎の重症化にTLR2が影響か?

アトピー性皮膚炎(AD)患者の皮膚には、疾患を重症化させる黄色ブドウ球菌が存在し、それは高度なコロニー形成によりヒト微生物叢のバランスを崩壊させる。ドイツ・ボン大学の岩本 和真氏らによる検討で、アトピー性皮膚炎患者ではTLR2を介した黄色ブドウ球菌由来シグナルの感知が、ランゲルハンス細胞(LC)で強く障害されていることが示唆された。著者は、「この現象は、アトピー性皮膚炎では免疫デビエイションと黄色ブドウ球菌の除去不足が影響している」とまとめている。Allergy誌オンライン版2018年4月19日号掲載の報告。
non HDL-コレステロールが特定健診の新たな基準に導入された

2018年4月24日、日本動脈硬化学会(理事長:山下 静也氏)が都内でプレスセミナーを開催した。本セミナーでは、岡村 智教氏(慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学 教授)が、「特定健診におけるLDL・Non-HDLコレステロール」をテーマに、2017年6月に発表された『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版』の内容も踏まえ、講演を行った。
初回エピソード統合失調症患者における抗精神病薬治療中止に関する20年間のフォローアップ研究

統合失調症の初回エピソード後に症状が安定した患者では、経時的に再発リスクが減少すると考えられている。多くの治療ガイドラインにおいて、抗精神病薬は、症状安定後1~5年間治療を継続し、その後の長期使用は避けるべきであることが推奨されている。しかし、この見解を証明するための公表されたエビデンスは存在しない。フィンランド・東フィンランド大学のJari Tiihonen氏らは、フィンランド全国データベースを用いて、この問題を調査した。The American journal of psychiatry誌オンライン版2018年4月6日号の報告。
感染症による慢性炎症で前立腺がんリスク増加?

前立腺炎が、慢性炎症によって前立腺がんリスクを増加させる可能性が疫学研究から示唆されている。今回、フランス国立保健医学研究機構(Inserm)のSolene Doat氏らがEPICAP研究のデータで検討したところ、慢性前立腺炎・急性腎盂腎炎の既往のある男性、NSAIDを使用していない男性で、前立腺がん発症のオッズ比がとくに高かった。この結果から、泌尿生殖器感染症により生じた慢性炎症が前立腺がん発症に関与するという仮説が補強された。International Journal of Cancer誌オンライン版2018年4月26日号に掲載。
米国の生殖可能年齢の女性におけるうつ病有病率

妊娠可能年齢の非妊娠女性における抗うつ薬の使用および大うつ病性障害、小うつ病性障害の予測因子について、米国・スタンフォード大学のNan Guo氏らが検討を行った。Obstetrics and gynecology誌オンライン版2018年4月号の報告。
LCZ696に腎機能保持の新解析結果

2018年4月16日、ノバルティス(スイス・バーゼル)は、左室駆出率(LVEF)の低下した心不全(HFrEF)患者に、LCZ696(一般名:サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)投与が推算糸球体濾過量(eGFR)を指標とする腎機能の保持に役立つという、PARADIGM-HF試験の新たな事後解析結果を発表した1)。
日本人高齢者の歩数と死亡率

これまでの研究では、高齢者の日常的な歩行活動の評価はアンケートに基づいている。今回、愛媛大学の山本 直史氏らは、客観的に歩行活動を評価する手段として歩数計を用いて、歩数と全死因死亡率の関連を検討した。その結果、1日平均歩数が多いと全死因死亡率が低いことが示唆された。BMC public health誌2018年4月23日号に掲載。