認知症は治癒が望めない疾患であり、治癒または回復に向かわせる治療法は存在しない。現在の治療は、認知または機能的アウトカムの改善を目的としたものである。米国・ブラウン大学のJacob S. Buckley氏らは、認知症および軽度認知障害(MCI)の治療に関する研究をレビューし、治療のベネフィットとリスクを評価した。その結果、コリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)によるベネフィットは小さく、経過とともに効果が減弱すること、用量依存的に有害事象が増加すること、またメマンチン単剤療法はベネフィット、リスクともに小さいことが明らかになったと報告した。Drugs & Aging誌オンライン版2015年5月5日号の掲載報告。