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EGFR-TKIで脳転移の放射線治療を温存

 非小細胞肺がん(以下、NSCLC)の脳転移については、一般的に放射線治療が行われているが、EGFR-TKIの登場により変化が起こりそうである。2014年8月28日~30日、横浜市で開催された日本癌治療学会学術集会にて、千葉県立がんセンターの井内 俊彦氏は「EGFR-TKI時代の非小細胞肺癌脳転移治療~非照射TKI単独治療の効果と安全性」と題し、自施設での臨床試験の結果を紹介した。

統合失調症患者へのインフォームド・コンセント、有効な方法は

 研究の際のインフォームド・コンセントは、一般集団ですら取得が困難なことがあり、複雑な問題を抱えている。この問題は、統合失調症患者において最も大きい可能性がある。フランス・リール第1大学のT. Fovet氏らは、統合失調症患者を対象とした研究に際してのインフォームド・コンセントについて文献レビューを行った。その結果、統合失調症患者の同意に対するキャパシティは、健常人と比較して低下しているが、適切な介入により同意を得られやすい状態にもっていける可能性を示唆した。Encephale誌オンライン版2014年8月12日号の掲載報告。

就寝時、部屋は暗くしたほうがよいのか:奈良医大

 奈良県立医科大学の大林 賢史氏らは、住民ベースのコホート研究「平城京スタディ」により、夜間光曝露が高齢者の主観的・客観的な睡眠の質と有意に関連していることを明らかにした。実験室での検討で、夜間光はメラトニン分泌を抑制し、体内生体リズムに遅延を生じさせ眠気を抑制することが示されていた。研究グループは、実生活における夜間光曝露が、サーカディアンリズムの乱れと不眠症を引き起こす可能性があるとして両者の関連について評価を行った。Chronobiology International誌オンライン版2014年7月15日号の掲載報告。

野菜摂取増で肝細胞がんリスク低下

 野菜の摂取量を1日当たり100g増やすことで肝細胞がん(HCC)の発症リスクが8%低下することが、中国・浙江がん病院のYang Yang氏らのメタ解析によって明らかとなった。果物では同様の結果は認められなかった。著者らは、今回の知見について、検証アンケートや交絡因子を厳密にコントロールしたさらなる研究によって確認されるべきとしている。Gastroenterology誌オンライン版8月12日号掲載の報告。

統合失調症の妄想低減へ、新たな介入方法

 統合失調症患者に対する認知療法としてのメタ認知トレーニング(MCT)は、抗精神病薬治療の効果を上回る妄想減少の持続的効果があることが示された。ドイツ・ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターのSteffen Moritz氏らが無作為化試験の結果、報告した。MCTは妄想に関する認知バイアスをターゲットとする介入だが、さらに3年時点では自尊心やQOL改善といった、予期しない“スリーパー”効果などもみられたという。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年8月6日号の掲載報告。

日本血管病理研究会 第19回学術集会開催のお知らせ

 血管障害に関わる疾患の中で「血管炎」とは、病理学的に「血管壁の壊死と炎症細胞の浸潤」と定義される。民族や国・地域によって、疾患の頻度やその臨床症状が異なるために、臨床現場で血管炎の診療は難しく、専門的な知識と経験が必要となる。そのため、血管炎は古今東西の難しい学問・臨床分野の1つであると考えられ、年月を経ても理解に至らない疑問が数多く存在する。

認知症にイチョウ葉エキス、本当に有効なのか

 認知障害および認知症に対するイチョウ葉エキスの有益性および有害事象については、長年にわたって議論の的となっている。中国海洋大学のMeng-Shan Tan氏らは、認知障害および認知症に対しイチョウ葉エキス(EGb761)の有効性および有害性についてシステマティックレビューとメタ解析を行った。その結果、同240mg/日の22~26週投与により、認知、機能、行動の低下および全般的な低下を、阻止あるいは遅らせうることが、とくに神経精神症状を伴う患者で示されたと報告した。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2014年8月11日号の掲載報告。

COPD増悪患者の換気法 口or鼻?

 オープンマウスピース換気法は、従来型の鼻マスクによる換気法と同様に、軽症から中等症アシドーシスのCOPD患者のガス交換において、さらなる悪化を防ぐ可能性があることを、イタリアのセストリ・レヴァンテ病院のAntonello Nicolini氏らが明らかにした。RESPIRATORY CARE誌オンライン版2014年8月19日号の掲載報告。  オープンマウスピース換気法は神経筋の疾患を有する患者に対して、効果的であることがわかっている。そこで今回、軽症から中等症のアシドーシスでCOPD増悪を起こしている患者に、この換気法を実施した。

お米を食べるほど良質な睡眠に?

 これまでに、GI(グリセミック指数、食後血糖値の上昇度を示す指標)の高い食品が良好な睡眠の質に関連することが報告されている。金沢医科大学の米山 智子氏らは、日本人男女の集団において、GI値の異なる3種類のデンプン食(米・パン・麺類)の摂取量および食事のGI値と睡眠の質との関連を調査した。その結果、高GI食と米の高摂取が良好な睡眠の質と有意に関連する一方、パン摂取量は睡眠の質と関連せず、麺類摂取量は低い睡眠の質と関連することが示された。著者らは、これらのデンプン食と睡眠の質における関連性の違いは、各食品のGI値の違いによると推測している。PLoS One誌2014年8月15日号に掲載。

6分間歩行で統合失調症患者の身体評価

 フランス・モンペリエ第1大学のP. Bernard氏らは、統合失調症患者を対象とした研究での6分間歩行試験(6MWT)の意義について、システマティックレビューにて評価を行った。その結果、統合失調症患者が6分間に早歩きできる距離(6MWD)は健常成人と比べ概して短いこと、BMIが高値、喫煙量が多い、高用量の抗精神病薬服用、身体的な自己認識が低いことと負の関係にあることなどを報告した。そのうえで著者は、統合失調症患者の身体的健康モニタリングに6MWTが使用可能であるとし、「今後の研究において、その予測因子としての役割を検討するとともに、その測定特性の評価を継続すべきである」と述べている。Disability and Rehabilitation誌オンライン版2014年8月7日号の掲載報告。

暴力的なゲームが子供の心に与える影響は

 米国・UTHealth公衆衛生院のTortoleroSusan R氏らは、前思春期において、暴力的なビデオゲームを毎日することと、うつ病との関連を調べた。結果、両者間には有意な相関性があることが判明した。著者は、「さらなる検討で、この関連における因果関係を調査し、症状がどれほどの期間持続するのか、また根底にあるメカニズムと臨床的な関連性を調べる必要がある」と報告している。Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking誌オンライン版2014年7月9日号の掲載報告。

新規抗精神病薬、高TG血症が高頻度

 ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボ総合病院のBelma Sadibasic氏らは、抗精神病薬による脂質異常症の頻度を第二世代抗精神病薬と第一世代抗精神病薬で比較した。その結果、脂質異常症のなかで高トリグリセリド血症の頻度は第二世代抗精神病薬で有意に高頻度であったが、高コレステロール血症の頻度については有意差が確認されなかったことを報告した。Medicinski glasnik誌2014年8月号の掲載報告。

高齢者のうつとペットの意外な関連

 高齢者において、うつは大きな問題となる。これまでの研究では、動物と暮らす高齢者のメンタルヘルスが改善することが示されているが、逆の結果も存在する。そこで、ノルウェー・ノルトロンデラグ大学のIngela Enmarker氏らは、ペット非所有・イヌ所有・ネコ所有の高齢(本研究では65歳以上と定義)男女において、自己評価による抑うつ症状を集団研究で比較した。その結果、都会以外でイヌやネコを飼う高齢の男女において、抑うつ症状に違いが認められた。老人ホームのような環境でイヌやネコを利用する場合に、これらの集団研究のデータが使えるかもしれないという。Aging & mental health誌オンライン版2014年7月3日号に掲載。