母乳での哺乳で学童期の肥満リスクが低下~全国縦断調査データより これまでの研究では母乳での哺乳が子供の肥満を予防することが示唆されているが、社会経済的な状況や子供の生活習慣による交絡の可能性があるため、決定的なエビデンスはない。また、これまではほとんどが欧米先進国の子供での研究であったため、他の対象における研究が待たれている。岡山大学の山川路代氏らは、日本における母乳での哺乳と学童期の過体重・肥満との関連について、潜在的な交絡因子を調整して検討し、その結果をJAMA pediatrics誌オンライン版2013年8月12日号に報告した。
ミノサイクリン、腰椎ヘルニア術後疼痛を改善せず 腰椎椎間板切除の周術期におけるミノサイクリン(商品名:ミノマイシン)8日間投与の術後疼痛の軽減効果について検討したフランス・INSERMのValeria Martinez氏らによる無作為化二重盲検比較試験の結果、有効性は認められなかったことが報告された。ミノサイクリンは、慢性疼痛の主な発症機序である中枢性感作に関与するミクログリアの活性化を強く阻害することから、腰椎椎間板切除後の持続性疼痛を軽減することが期待されていた。
セロトニン3受容体、統合失調症の陰性症状改善に期待:藤田保健衛生大学 統合失調症患者に対する5-HT3受容体拮抗薬による治療成績は、それぞれの無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験の結果により異なっている。藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、5-HT3受容体拮抗薬は統合失調症治療に有効であると仮説を立て、検証を行った。Neuromolecular medicine誌オンライン版2013年7月30日号の報告。
脳卒中の死亡率と治療コストは病院規模により異なる 病院規模と脳卒中患者の転帰の関係は明らかではなく、脳卒中のサブタイプごとの関係はほとんど知られていない。ハーバード大学の津川友介氏らは、病院規模(退院数)と脳卒中の院内死亡率や治療コストとの関連を、国立病院データベースの二次データ分析によって検討した。その結果をMedical care誌2013年9月号に報告した。
食べるコラーゲン、UVBダメージ皮膚に効果 コラーゲン加水分解物の摂取は、紫外線B波(UVB)照射によるダメージを受けた皮膚のバリア機能や弾力性(ハリ)に効果があることが、マウス試験の結果、示された。株式会社明治のChisato Oba氏ら同社研究チームが報告した。
統合失調症患者にNaSSA増強療法は有用か:藤田保健衛生大学 藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、統合失調症の増強療法としてノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA:ミルタザピン、ミアンセリン)が有用かを系統的レビューにより検討した。The international journal of neuropsychopharmacology誌オンライン版2013年7月3日号の報告。
国内の献血から初めてシャーガス病抗体陽性例が報告される 献血者は中南米出身の40代男性で、「シャーガス病の疫学研究」*の対象であったため、平成25年6月の献血時に抗体検査を受け、抗体陽性が判明した。日本赤十字社は、安全対策として、この血液に対し出荷を差し止める等の対応を行った。
睡眠に関する記事 まとめ 高知県四万十市で国内の観測史上最高の41℃が観測されるなど、2013年は例年にない猛暑に見舞われている。連日の熱帯夜に寝苦しい思いをされている方も多いのではないか。医学論文にも睡眠にまつわる文献が多数投稿されている。今回は睡眠に関する記事をまとめて紹介する。
閉経期ホットフラッシュにSSRIが有効 サウジアラビア キング・サウード・ビン・アブドゥルアズィーズ健康科学大学KのTaghreed Shams氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析により、閉経周辺期にみられるホットフラッシュに及ぼす選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の影響を検討した。その結果、SSRI の使用によりホットフラッシュの頻度と重症度が改善され、なかでもエスシタロプラム(商品名:レクサプロ)の有効性が良好であることを報告した。Journal of General Internal Medicine誌オンライン版2013年7月26日号の掲載報告。
高齢の腰痛患者における特徴は? 腰痛は高齢者に多いが、プライマリ・ケアにおけるこのような患者の特徴に関する情報は限られている。オランダ・エラスムス大学医療センターのJantine Scheele氏らは、前向きコホート研究(BACE研究)において、プライマリ・ケアを受診する高齢の腰痛患者は、より多くの障害や併存疾患を有していることを明らかにした。しかし、そのことが腰痛の経過と臨床的にどう関連しているかについては今後の研究課題であるとまとめている。
認知症に対するアロマテラピー、効果はあるか アロマテラピーやハンドマッサージが認知症患者にいくつかの利点をもたらすことが報告されている。オーストラリアのChieh-Yu Fu氏らは、長期介護施設で生活する認知症患者における破壊的行動にアロマテラピーやハンドマッサージが有用かを、単盲検比較試験にて検討した。BMC complementary and alternative medicine誌オンライン版2013年7月10日号の報告。
小学生へのにきび治療薬処方の実態 米国・ウェイクフォレスト大学のScott A. Davis氏らは、米国食品医薬品局(FDA)が12歳以上への処方を認可しているざ瘡(にきび)治療薬について、思春期(12~18歳)とそれよりも年少者(本研究では7~11歳と定義)への処方について比較すること、および皮膚科医と小児科医で処方パターンに違いがあるかを調べた。
抗精神病薬治療中の若者、3割がADHD 米国・ザッカーヒルサイド病院のMichael L. Birnbaum氏らは、若年者の注意欠陥多動性障害(ADHD)における抗精神病薬使用に関する薬剤疫学データのシステマティックレビューとプール解析を実施した。その結果、若年ADHDの約1割で抗精神病薬が投与されていること、抗精神病薬による治療を受けている若年者の約3割にADHDがみられる状況を報告した。Current Psychiatry Reports誌2013年8月号の掲載報告。
メタボは上肢痛のリスク因子か 内臓脂肪は上肢痛のリスク因子であるようだ。フィンランド労働衛生研究所のTapio Vehmas氏らが、コホート研究の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「さらなる研究にて、そのメカニズムを解明し、減量が疼痛管理に有用かどうかを明らかにすることが必要だ」とまとめている。Pain Medicine誌2013年7月号(オンライン版2013年5月3日号)の掲載報告。
小児外傷後てんかんの予防にレベチラセタムは有用 急性頭部外傷を受けた外傷後てんかんリスクを有する小児へのレベチラセタムについて、安全性および良好な忍容性が確認されたことが、米国・国立小児医療センターのPhillip L. Pearl氏らによる第2相試験の結果、報告された。外傷後てんかんは、重症頭部外傷(TBI)を受けた小児において最大20%で発現することが報告されているという。Epilepsia誌2013年7月22日号の掲載報告。
足白癬患者の靴下、洗濯水は何℃が望ましいか 真菌が付着した靴下を洗浄する場合、低温での洗濯では真菌病原体が十分に死滅しないため、高温で洗濯することが望ましいことが、イスラエル・テルアビブ大学のBoaz Amichai氏らによって報告された。 真菌が付着した衣類からは再感染の可能性があるが、これまで十分に検証されていなかった。 The International Society of Dermatology誌オンライン版2013年7月24日掲載報告。
これからのアルツハイマー病治療薬はこう変わる 米国・カリフォルニア大学のMichael S. Rafii氏は、アルツハイマー病(AD)治療のアップデートを目的に文献レビューを行った。その結果、米国食品医薬品局(FDA)によるAD治療の新薬承認は2003年のNMDA受容体拮抗薬以降は行われておらず、近年の疾患修飾を狙った開発薬はいずれも有効性を示すことができなかったこと、その失敗を踏まえて現在はAD発症メカニズムに着目した新薬開発が積極的に進められていることを報告した。Reviews on Recent Clinical Trials誌オンライン版2013年7月17日号の掲載報告。