認知症予防ガイドラインでは身体活動を推奨しているが、認知症の発症と歩数やその強度との関連は明らかになっていない。南デンマーク大学のBorja Del Pozo Cruz氏らは、英国成人を対象に毎日の歩数やその強度とすべての原因による認知症発症との関連を調査した。その結果、歩数が多いほどすべての原因による認知症発症リスクが低く、1日当たり1万歩を少し下回る程度の歩数が、最も効果的であることが示唆された。JAMA Neurology誌オンライン版2022年9月6日号の報告。
UK Biobankの集団ベース・プロスペクティブコホート研究(2013年2月~2015年12月)を実施し、フォローアップ期間は6.9年、データ分析は2022年5月に行った。10万3,684人中、有効な歩数データを有する40~79歳の成人7万8,430人を分析対象に含め、認知症発症はレジストリベースで2021年10月までに確認した。歩数計から得られた1日の歩数、1分当たり40歩未満の偶発的な歩数、1分当たり40歩以上の意図的な歩数、1日の最も歩数の多い30分間(ピーク30分間)における1分当たりの歩数(必ずしも連続とは限らない)を分析した。主要アウトカムは、致死的および非致死的な認知症の発症とし、入院記録またはプライマリケア記録と関連付けて収集するか、死亡記録の死因を参照した。歩数との用量反応関連を評価するため、Spline Cox回帰を用いた。