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VATS後の肺合併症の長期的影響

 肺がんは、中国におけるがん死亡の主要な原因であるが、同国における肺葉切除術後の肺合併症(pulmonary complicaions、以下PC)の発生率は15~37%にのぼる。さらに、PCが肺がん患者の長期生存に及ぼす影響の研究は少ない。中国Peking University Hospitalでは、術後NSCLC患者のPC発症、重症肺合併症(major pulmonary complicaions、以下MPC)の長期的影響などの特定を試みた。Journal of Thoracic Disease誌2017年12月号の掲載。

糖尿病リスクに人種間格差はあるか?/JAMA

 米国において中年期男女の糖尿病リスクは、黒人のほうが白人に比べ有意に高いが、青年期の体格指数や本人・親の教育レベルといった修正可能なリスク因子で補正後は、人種間のリスク格差は認められなくなることが示された。米国・ノースウェスタン大学のMichael P. Bancks氏らが、1985~86年の期間から米国で行われている冠動脈疾患リスクに関する観察研究「CARDIA」(Coronary Artery Risk Development in Young Adults Study)の参加者4,251例のデータを解析し明らかにしたもので、JAMA誌2017年12月26日号で発表した。

非糖尿病のハイリスク高血圧患者、他の降圧薬追加の効果は/BMJ

 非糖尿病の心血管ハイリスク患者において、服用中の降圧薬レジメンへの新規クラスの降圧薬の追加投与は、収縮期血圧と主要心血管イベントリスクを大きく低下することが示された。この結果は、適応による交絡を補正後に示されたもので、追加投与による収縮期血圧への効果は、服用中降圧薬の全レベルおよび全患者サブグループ間で保持されることも確認された。米国・ミシガン大学のAdam A.Markovitz氏らが行った「SPRINT試験」の2次データ解析の結果で、これまでの観察試験では、降圧薬を追加投与してもベネフィットが減少することが示されていた。ただし、そうした結果は適応による交絡の可能性があることも示唆されていた。BMJ誌2017年12月22日号掲載の報告。

緑内障の長期点眼、マイボーム腺機能に注意を

 抗緑内障薬の負荷が高い緑内障患者は、涙液層が不安定で、重度のマイボーム腺脱落が認められることを、台湾・Kaohsiung Chang Gung Memorial Hospital/長庚大学のWan-Hua Cho氏らが報告した。著者は、「眼圧降下薬の長期点眼を行っている緑内障患者では、マイボーム腺疾患の観察がとくに必要である」とまとめている。Journal of Glaucoma誌オンライン版2017年12月13日号掲載の報告。

チェックポイント阻害薬でOSを得られる2次治療の肺がん患者

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)2次治療における、チェックポイント阻害薬の生存ベネフィットに関する臨床的・分子的な予測因子はどのようなものか。この研究は、チェックポイント阻害薬とドセタキセルの効果の関係を、全体的な観点および臨床病理的特徴によって定義されたサブグループにおいて予測するため、システマティックレビューが行われた。JAMA Oncology誌オンライン版2017年12月21日号掲載のオーストラリア・シドニー大学による研究。

統合失調症と自閉スペクトラム症における白質代謝率の増加

 統合失調症や自閉スペクトラム症は、しばしば白質の障害を有する。統合失調症におけるさまざまな白質領域における代謝率、脳灌流、基礎活動の上昇が、数々の研究で報告されているが、自閉スペクトラム症では研究されていなかった。米国・マウントサイナイ医科大学のSerge A. Mitelman氏らは、自閉スペクトラム症患者(25例)と統合失調症患者(41例)および健常対照者(55例)の白質代謝率を、定位的に配置された関心領域について幅広く比較するため、18F-FDGポジトロン断層法(PET)を用いて、検討を行った。Brain imaging and behavior誌オンライン版2017年11月22日号の報告。

ヒドロクロロチアジドの使用、非黒色腫皮膚がんと関連

 ヒドロクロロチアジドは、米国および西欧で最も使用頻度の高い利尿・降圧薬の1つであるが、光感作性があり、これまでに口唇がんとの関連が報告されている。デンマーク・南デンマーク大学のSidsel Arnspang氏らの症例対照研究の結果、ヒドロクロロチアジドの累積使用量は、非黒色腫皮膚がん(NMSC)、とくに扁平上皮がん(SCC)リスクの著しい増加と関連していることが明らかとなった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年11月30日掲載の報告。

ジェネリックとブランド、中枢神経系用薬における自殺や自殺念慮の比較

 これまで、中枢神経系(CNS)に作用するそれぞれの異なるタイプの薬剤は、自殺や自殺念慮のリスク増加と関連しているといわれていた。しかし、CNS用薬のブランド医薬品とジェネリック医薬品との間に、自殺リスクの差異があるかは報告されていない。米国・オーバーン大学のNing Cheng氏らは複数のデータソースを用いて、CNS用薬のブランド医薬品とジェネリック医薬品における自殺の有害事象を比較した。Drug safety誌オンライン版2017年12月2日号の報告。

統合失調症の再発リスク評価のための新規自己報告スクリーニングツール

 統合失調症患者の再発評価(RASP:Relapse Assessment for Schizophrenia Patient)は、患者の安定性を評価し、切迫した再発を予測するために、不安と社会的隔離の指標を測定する6つの自己報告スクリーナーとして開発された。米国・UT HealthのDawn Velligan氏らは、RASPの開発と心理測定の特徴について報告した。Clinical schizophrenia & related psychoses誌オンライン版2017年11月22日号の報告。

ADHDの小児および青年における意図しない怪我のリスクとADHD薬の影響

 小児、青年におけるADHDと意図しない身体的な怪我のリスクとの関連を定量化するリスク分析およびこのリスクに対するADHD薬の効果を評価するため薬剤分析について、スペイン・Servicio Navarro de Salud-OsasunbideaのMaite Ruiz-Goikoetxea氏らは、メタ解析を用いたシステマティックレビューを行った。Neuroscience and biobehavioral reviews誌オンライン版2017年11月21日号の報告。

餅による窒息での院外心停止、三が日に集中

 餅は日本における食品窒息事故の主な原因であるが、餅が原因の窒息による院外心停止(OHCA)の疫学はよくわかっていない。今回、大阪府心肺蘇生効果検証委員会のウツタイン大阪プロジェクトにおける集団ベースの観察研究で、窒息によるOHCAの約10%が餅による窒息が原因であり、その25%が正月三が日に発生していたことが報告された。Journal of epidemiology誌オンライン版2017年10月28日号に掲載。

日本人と胃がん―ピロリ菌と気を付けるべき3つの習慣

 世界的に見れば、罹患率・死亡率共に減少傾向にあるとはいえ、依然、最も診断されているがんであり、死因としては第3位の胃がん。今月、都内で開かれたプレスセミナー(ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社主催)では、津金 昌一郎氏(国立がん研究センター 社会と健康研究センター長)が、ピロリ菌をはじめとする胃がんのリスク因子と予防について講演した。

ディープラーニング活用の完全自動OCT、精度は専門家並み

 オーストリア・ウィーン医科大学のThomas Schlegl氏らは、従来の光干渉断層法(OCT)による網膜画像で黄斑液を検出し定量化する自動測定法を開発した。検証の結果、OCTデバイスを問わず、最も一般的な滲出性黄斑疾患における網膜内嚢胞液(IRC)および網膜下液(SRF)の識別・検出の精度は優れており、定量化についても専門家による手動評価とほぼ一致することが認められたという。著者は、「網膜OCT画像の完全自動分析は、眼科学の研究・臨床における網膜診断の正確性および信頼性の改善に有用と考えられる」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2017年12月8日号掲載の報告。

婚姻と認知症リスクに関するシステマティックレビュー

 既婚であることは、健康的な生活習慣と関連し、死亡率を低下させる。そして、ライフコースの因子によって認知症のリスクを低下させる可能性がある。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのAndrew Sommerlad氏らは、婚姻状況と認知症の発症リスクとの関連性について、システマティックレビューとメタ解析を行った。Journal of neurology, neurosurgery, and psychiatry誌オンライン版2017年11月28日号の報告。

ALK陽性肺がんでのアレクチニブ1次治療、日米欧の3極で承認

 中外製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役会長 CEO:永山 治)は2017年12月21日、F. ホフマン・ラ・ロシュ社(本社:スイスバーゼル市、CEO:セヴリン・シュヴァン)がアレクチニブ(商品名:アレセンサ)に関して、欧州委員会より「成人のALK陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)へのアレクチニブ単剤での一次治療」について承認を取得したことを発表。