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ADHDの小児および青年における意図しない怪我のリスクとADHD薬の影響

 小児、青年におけるADHDと意図しない身体的な怪我のリスクとの関連を定量化するリスク分析およびこのリスクに対するADHD薬の効果を評価するため薬剤分析について、スペイン・Servicio Navarro de Salud-OsasunbideaのMaite Ruiz-Goikoetxea氏らは、メタ解析を用いたシステマティックレビューを行った。Neuroscience and biobehavioral reviews誌オンライン版2017年11月21日号の報告。

餅による窒息での院外心停止、三が日に集中

 餅は日本における食品窒息事故の主な原因であるが、餅が原因の窒息による院外心停止(OHCA)の疫学はよくわかっていない。今回、大阪府心肺蘇生効果検証委員会のウツタイン大阪プロジェクトにおける集団ベースの観察研究で、窒息によるOHCAの約10%が餅による窒息が原因であり、その25%が正月三が日に発生していたことが報告された。Journal of epidemiology誌オンライン版2017年10月28日号に掲載。

日本人と胃がん―ピロリ菌と気を付けるべき3つの習慣

 世界的に見れば、罹患率・死亡率共に減少傾向にあるとはいえ、依然、最も診断されているがんであり、死因としては第3位の胃がん。今月、都内で開かれたプレスセミナー(ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社主催)では、津金 昌一郎氏(国立がん研究センター 社会と健康研究センター長)が、ピロリ菌をはじめとする胃がんのリスク因子と予防について講演した。

ディープラーニング活用の完全自動OCT、精度は専門家並み

 オーストリア・ウィーン医科大学のThomas Schlegl氏らは、従来の光干渉断層法(OCT)による網膜画像で黄斑液を検出し定量化する自動測定法を開発した。検証の結果、OCTデバイスを問わず、最も一般的な滲出性黄斑疾患における網膜内嚢胞液(IRC)および網膜下液(SRF)の識別・検出の精度は優れており、定量化についても専門家による手動評価とほぼ一致することが認められたという。著者は、「網膜OCT画像の完全自動分析は、眼科学の研究・臨床における網膜診断の正確性および信頼性の改善に有用と考えられる」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2017年12月8日号掲載の報告。

婚姻と認知症リスクに関するシステマティックレビュー

 既婚であることは、健康的な生活習慣と関連し、死亡率を低下させる。そして、ライフコースの因子によって認知症のリスクを低下させる可能性がある。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのAndrew Sommerlad氏らは、婚姻状況と認知症の発症リスクとの関連性について、システマティックレビューとメタ解析を行った。Journal of neurology, neurosurgery, and psychiatry誌オンライン版2017年11月28日号の報告。

ALK陽性肺がんでのアレクチニブ1次治療、日米欧の3極で承認

 中外製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役会長 CEO:永山 治)は2017年12月21日、F. ホフマン・ラ・ロシュ社(本社:スイスバーゼル市、CEO:セヴリン・シュヴァン)がアレクチニブ(商品名:アレセンサ)に関して、欧州委員会より「成人のALK陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)へのアレクチニブ単剤での一次治療」について承認を取得したことを発表。

治療抵抗性焦点性てんかんに対する第3世代抗てんかん薬補助療法の間接比較

 第3世代の新規抗てんかん薬として、eslicarbazepine、ラコサミド、ペランパネル、brivaracetamが、最近販売されている。中国・四川大学のZhu Li-Na氏らは、コントロール困難な焦点性てんかんにおける第3世代抗てんかん薬の有用性、忍容性を間接的に比較するためメタ解析を行った。Epilepsy research誌オンライン版2017年11月26日号の報告。

中外製薬、膀胱がんの光線力学診断用剤アラグリオ販売

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:永山 治)は2017年12月18日、自社のニュースリリースで、SBIファーマ株式会社(本社:東京、代表取締役執行役員社長:北尾 吉孝)が開発を行い「経尿道的膀胱腫瘍切除術時における筋層非浸潤性膀胱癌の可視化」を効能・効果として2017年9月27日に製造販売承認取得、11月22日に薬価基準収載された光線力学診断用剤「アラグリオ顆粒剤分包1.5g」(以下、アラグリオ)について、12月19日より販売を開始すると発表した。

「アメトーーク!」で“火がついた”IQOS人気、310万人が使用?/本邦疫学研究

 マスメディアは人々の行動に大きな影響を与える。非燃焼加熱式(Heat–Not-Burn、以下HNB)タバコ「IQOS」が人気娯楽番組「アメトーーク!」で取り上げられ、その人気に火がついたようである。大阪国際がんセンターの田淵 貴大氏らは、2つのデータソースを使用して、日本におけるIQOSを含むHNBタバコへの関心度、使用率、HNBタバコの2次的曝露による症状などについて研究した。Tobacco Control誌オンライン版2017年12月6日号に掲載。

心不全のマネジメントにおける抗うつ薬の死亡率や心血管機能への影響

 うつ病は、心不全の患者の罹患率、死亡率、再入院率の増加と関連している。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのThurkka Rajeswaran氏らは、抗うつ薬の使用がうつ病を伴う心不全患者のアウトカムを改善できるかを検討するため、システマティックレビューを行った。International journal of psychiatry in clinical practice誌オンライン版2017年11月26日号の報告。

“電子タバコで禁煙”にネガティブな結果?

 電子タバコ(e-cigarettes)は禁煙を促進するという研究結果がある一方、喫煙開始のきっかけになるリスクを懸念する意見もある。その評価を確認すべく米国では、若年の非喫煙者の電子タバコ使用と、それに続くタバコの喫煙開始との関連性評価を目的としたコホート研究が行われた。The American journal of medicine誌オンライン版2017年11月17日号に掲載。

高齢者へのZ薬と転倒・骨折リスクに関するメタ解析

 Z薬として知られるゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロン、zaleplonは、不眠症治療に用いられるベンゾジアゼピン(BZD)の代替薬として一般的に使用されている。Z薬は、しばしばBZDよりも安全であると認識されている。イスラエル・ヘブライ大学のNir Treves氏らは、Z薬と骨折、転倒、傷害との関連性を評価するため、システマティックレビューとメタ解析を行った。Age and ageing誌オンライン版2017年10月25日号の報告。

小児の双極性障害I型または統合失調症に対するアセナピン治療のレビュー

 1日2回の舌下錠として用いられるアセナピンは、小児・青年期10~17歳における双極性障害I型の躁病および混合エピソードの急性期治療に単独療法として、二重盲検プラセボ対照試験(推奨用量:2.5~10mg、1日2回)の結果に基づき承認されている。小児統合失調症についてもアセナピンの研究が行われているが、まだ承認はされていない。また、米国以外の主要な国々において、アセナピンは、小児の双極性障害I型または統合失調症に対し承認されていない。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のEkaterina Stepanova氏らは、小児精神疾患患者に対するアセナピン治療に関して、神経薬理学、薬物動態、臨床試験、臨床使用の観点より要約した。Paediatric drugs誌オンライン版2017年11月23日号の報告。

人口当たりの医師数が最も少ない県は? 依然大きい地域偏在

 厚生労働省がこのほど取りまとめた2016(平成28)年の「医師・歯科医師・薬剤師調査」の結果によると、医療施設に従事する医師は、総数の95.4%に当たる30万4,759人であった。これを都道府県別に人口10万人当たりの医師数でみると、全国平均では240.1人で、前回の14年調査に比べ6.5人増となったものの、最も多かった徳島県(315.9人)と最も少なかった埼玉県(160.1人)では倍近い開きがあることがわかった。  本調査は、医師や歯科医師、それに薬剤師が厚生労働大臣に届け出た各届出票に基づき、厚生労働省が2年に1度実施するもの。

眼科医は若手のほうが患者の苦情を受けやすい

 患者の苦情(unsolicited patient complaint)が、医師の年齢によってどのように分布しているかを理解することは、患者が抱く不安の特性を知る手がかりとなる。患者の不満に関するこれまでの研究の多くは、苦情や危険な治療および訴訟と関与する可能性がある、医師の年齢や診療環境、専門性などの特性との関連について言及していなかった。米国・ヴァンダービルト大学のCherie A. Fathy氏らは、それらを評価する後ろ向きコホート研究を行い、若い眼科医のほうが高年齢の眼科医よりも患者の苦情を受けやすい傾向があることを明らかにした。著者は、研究デザインに、結論の解釈に影響を及ぼす限界があるとしたうえで、「検討の結果は患者の安全性、臨床教育および臨床実践において、実際に役立つと思われる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年11月30日号掲載の報告。