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運動での消費カロリーの情報は体重管理に逆効果?

 運動での消費カロリーを実際より高く伝えられると、その後の食事の摂取カロリーが高くなる可能性があることを、英国・ブリストル大学Duncan C McCaig氏らが報告した。モバイルアプリなどによる消費カロリーの情報提供は、健康的な体重管理に逆効果となるかもしれないと考察している。Appetite誌オンライン版2016年8月20日号に掲載。

認知症の世界的トレンドはどうなっているか

 今後の認知症拡大に関する予測では、年齢特異的および性特異的有病率に経時的な変化はなく、予測される認知症者増加を推進するのは高齢化のみと仮定されている。しかし、この仮定の根拠は疑わしく、傾向変動(長期における有病率の緩やかな減少または増加)は妥当であると考えられる。英国・ロンドン大学精神医学研究所のMartin Prince氏らは、認知症の有病率や発症率に関する世界的な傾向を分析した。Alzheimer's research & therapy誌2016年7月30日号の報告。

高額薬の緊急対応検討、薬価算定方式の見直し求める声も

 8月24日に開催された厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)総会および薬価専門部会で、高額薬剤への対応の検討課題が示された。今後、次期改定に向けた取り組みと、期中改定を含む緊急的な対応について検討し、新規作用機序医薬品の最適使用推進ガイドライン(最適使用推進GL)の医療保険上の取り扱いと、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)についての特例的な対応に関しては、年内には一定の結論が得られる予定だ。

加齢黄斑変性の抗VEGF療法、心血管イベントとは関連せず

 米国では、2006年に滲出型加齢黄斑変性(AMD)に対し抗VEGF(血管内皮増殖因子)療法が導入された。米国・デューク大学のArseniy P. Yashkin氏らは、メディケア受給者を対象に後ろ向きコホート研究を行い、心血管イベントの発生について5年間の追跡調査を行った。その結果、滲出型AMD患者に対する抗VEGF療法は、急性心筋梗塞(AMI)、脳卒中または全死亡のリスクを増加しないことが示されたという。Ophthalmology誌オンライン版2016年8月11日号掲載の報告。

地中海食と大腸がんリスク~本場イタリアでの検討

 地中海食の順守は数種のがんのリスク低下と関連しているが、地中海地方で実施した研究は少ない。今回、ミラノ大学のValentina Rosato氏らが、イタリアでの3件のケースコントロール研究のデータから、地中海食が大腸がんリスク低下に関与していることを確認した。British journal of cancer誌オンライン版2016年8月18日号に掲載。

不眠症重症度質問票(ISI)やアテネ不眠尺度(AIS)に違いはあるか

 不眠症は、現代社会において蔓延している健康愁訴であるが、過小診断され、治療も不十分である。不眠症のリスクを評価するためのスクリーニングツールとして、不眠症重症度質問票(ISI)、アテネ不眠尺度(AIS)、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)が広く用いられているが、診断特性は、体系的にまとまっていない。台湾・台北医学大学のHsiao-Yean Chiu氏らは、不眠症スクリーニングのためのISI、AIS、PSQIの診断制度を評価、比較した。Journal of psychosomatic research誌2016年8月号の報告。

長生きしても認知症にならないためにできること

 平均寿命が上昇し続けている現代社会において、晩年の認知機能低下や認知症を予防することができる修正可能なライフスタイルの要因を特定することは、老後の生活の質を維持するうえで重要である。英国・ノッティンガム大学のLauren A Yates氏らは、将来の認知症や認知機能障害のリスクと認知余暇活動について、システマティックレビュー、メタ解析を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2016年8月9日号の報告。

人工網膜システム、移植から5年後の機能と安全性

 人工網膜システム「Argus II」(Second Sight Medical Products社)は、網膜色素変性症や網膜外層変性で失明した患者の視覚を回復させるために開発された。小型カメラとビデオプロセッサを搭載したメガネをかけ、カメラで捉えた映像を電気信号に変換して人工網膜に送信することで、視覚が得られる。今回、英国・ロンドン大学のLyndon da Cruz氏らは、Argus II移植後5年の臨床試験成績を報告。Argus IIの長期安全性および有効性が確認されたことを明らかにした。Argus IIは、世界初の網膜インプラントとして欧州、米国およびカナダで承認されている。Ophthalmology誌オンライン版2016年7月19日号の掲載報告。

主婦への減塩の料理教室、家族にも好影響

 減塩のための戦略の1つに、日々の食塩摂取量を減らす必要性に関する意識の向上がある。今回、主婦に対する、減塩に焦点を当てた料理教室によって、主婦だけでなく家族の食塩摂取行動にも影響することが、福島県立医科大学白河総合診療アカデミーの高田 俊彦氏らの研究で示唆された。Public health誌オンライン版2016年8月11日号に掲載。

クロザピン誘発性代謝系副作用への有効な介入は

 クロザピン治療患者では、代謝系合併症がよく認められる。この問題の管理に関するレビューは、複数の異なる抗精神病薬により治療を受けた患者を対象とした研究において、薬剤をグループ化することにより見出された結果である。英国・ケンブリッジ大学のJorge Zimbron氏らは、クロザピン誘発性の肥満やメタボリックシンドロームに対する薬理学的、非薬理学的治療についてシステマティックレビューとメタ解析を行った。European neuropsychopharmacology誌2016年9月号の報告。

グラスワインのアルコール換算率は要検討

 近年のワイングラスの大きさとワインのアルコール度数の増大によって、現在の換算率ではワイングラス1杯当たりのアルコール含有量が実際より少なく見積もられている可能性が高く、集団研究における飲酒量の過小評価につながっているかもしれない。英国・ロンドン大学のAnnie Britton氏らは、これによって起こりうる分類の間違いが、飲酒量と死亡リスクとの関連に影響するかどうか調べた。その結果、ワイングラス中のアルコール含有量を高値に設定することにより、死亡リスクの推定値が変わることが示唆された。著者らは、研究者主導のコホート研究においては、より正確なワイングラス中のアルコール含有量推定値に基づいて、換算率を再検討する必要があると提案している。Alcohol and alcoholism誌オンライン版2016年6月3日号に掲載。