ocrelizumab、再発寛解型多発性硬化症の脳病変を低減

ヒト化抗CD20モノクローナル抗体ocrelizumabは、再発寛解型多発性硬化症における脳MRI上のガドリニウム増強病変の低減や臨床的な予後の改善に有用なことが、スイス・バーセル大学病院のLudwig Kappos氏らの検討で示された。多発性硬化症における炎症は、炎症誘発性のCD4陽性T細胞(Th1、ThIL-17)によって誘導されると考えられるが、B細胞も抗体依存性/非依存性の経路を介して関与している可能性があるという。ocrelizumabはCD20陽性B細胞を選択的に阻害し、CD20のキメラ型モノクローナル抗体リツキシマブ(商品名:リツキサン)に比べ抗体依存性で細胞誘導性の細胞障害性作用が強いため組織依存性の発病機序の調整能が高く、ヒト化されているため反復投与しても免疫原性が低いことから、ベネフィット-リスクプロファイルが優れると期待されている。Lancet誌2011年11月19日号(オンライン版2011年11月1日号)掲載の報告。