早期乳がん術前化学療法、pCRは代替エンドポイントには役不足/BMJ
病理学的完全奏効(pCR)は、無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)のいずれについても、臨床試験の代替エンドポイントとして不十分であることが、イタリア・European Institute of Oncology(IEO)のFabio Conforti氏らが実施した、早期乳がんを対象とする術前化学療法の無作為化臨床試験に関するシステマティックレビューおよびメタ解析で確認された。米国食品医薬品局(FDA)は、早期乳がんの術前化学療法を検証する無作為化臨床試験において、pCRをDFSおよびOSの代替エンドポイントとすることを承認している。しかし、先行のメタ解析(試験数に限界があった)で認められたpCRとDFSおよびOSとの間の強い相関関係は、患者レベルであり試験レベルではなく、pCRを代替エンドポイントとすることについては議論の的となっていた。著者は、「今回示された結果は、pCRを早期乳がん術前化学療法の主要エンドポイントとして規定すべきではないことを示すものである」とまとめている。BMJ誌2021年12月21日号掲載の報告。