ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:83

動脈瘤性クモ膜下出血、トラネキサム酸の超早期投与で改善する?/Lancet

 CTで確認された動脈瘤性クモ膜下出血患者において、超早期のトラネキサム酸による短期間の抗線溶療法は、修正Rankinスケールで測定した6ヵ月後の臨床アウトカム改善に結び付かなかったことが示された。オランダ・アムステルダム大学のRene Post氏らが、約1,000例の患者を対象に行った多施設共同前向き無作為化非盲検試験「ULTRA試験」の結果を、Lancet誌オンライン版2020年12月21日号で発表した。動脈瘤性クモ膜下出血患者において、トラネキサム酸による短期間の抗線溶療法は、再出血リスクを軽減することが示されている。一方で、同療法が臨床アウトカムを改善するかについては不明であった。

パーキンソン病の運動症状、集束超音波視床下核破壊術で改善/NEJM

 パーキンソン病による明らかな非対称性が認められ、薬物療法ではコントロール不良の運動徴候が認められるか、脳深部刺激療法が非適応の患者において、片側半球への集束超音波視床下核破壊術は、4ヵ月後の運動症状の改善に結び付いたことが示された。スペイン・CEU San Pablo UniversityのRaul Martinez-Fernandez氏らが、40例を対象に行った無作為化比較試験の結果を報告した。視床下核は、パーキンソン病の主要な運動症状を治療するための脳深部刺激に関して、好ましい神経外科的標的とされる。集束超音波は、視床下核などの脳深部の構造に、治療的病変を作成するための画像ガイド法であり、研究グループは、同技術を活用した手術の有効性を検討した。NEJM誌2020年12月24日号掲載の報告。

外科医が自分の誕生日に行った手術で、死亡率増/BMJ

 緊急手術を受けたメディケア受給患者の死亡率を分析した結果、外科医が手術を自身の誕生日に行った患者の死亡率が、誕生日以外の日に行った患者の死亡率と比べて高いことが判明した。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校の加藤 弘陸氏らが行った全米規模の観察研究の結果で、著者は「本所見は、外科医が手術室で、手術とは直接関係のない出来事で注意散漫になりうることを示すものである」と述べている。手術室では、臨床的出来事や個人的出来事によって、注意をそらされることが日常的に起きているという。研究室での実験では、注意散漫が外科医のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることは示されているが、患者の転帰にどれほど影響するのか、リアルワールドのデータを使用した経験的エビデンスは限定的であった。BMJ誌2020年12月10日号クリスマス特集号の「THE CITADEL」より。

COVID-19ワクチン、2021年に世界人口の何割に接種可能か/BMJ

 主要メーカーの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの世界的な需給について、メーカーが最大生産量を可能としても、世界の人口のほぼ4分の1は少なくとも2022年までワクチン接種を受けることはできないとの研究結果を、米国・ジョンズ・ホプキンズ公衆衛生大学院のAnthony D. So氏らが報告した。COVID-19ワクチンについては、高所得国が市販前に購入契約を結んでいる一方、そのほかの国・地域については入手が不確実であるといわれ、世界保健機関(WHO)が主導するCOVAXファシリティを介して、グローバルアクセスを調整する取り組みが進められている。しかし、高所得国の購入契約に遅れをとっているうえ、資金は不十分で、米国やロシアの協力は得られていない。今回の検討では、高所得国がどのようにCOVID-19ワクチンの将来の供給を確保したかについて概要を示すとともに、残されたそのほかの国・地域は不確実であること、2021年末までに低中所得国が調達できるワクチンはメーカー生産量の40%であり、仮に高所得国が購入予定量を増やした場合、その割合はさらに少なくなるが、高所得国が調達したワクチンが供出されれば増える可能性があることなどが明らかにされた。研究グループは、「政府およびメーカーは、購入契約に関する透明性と説明責任を高めることで、COVID-19ワクチンの公平な配分への確約も果たすことができるだろう」と提言している。BMJ誌2020年12月15日号掲載の報告。

早期TNBC、低用量カペシタビン維持療法で転帰が改善/JAMA

 標準的な術後補助療法を受けた早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)女性において、低用量カペシタビンによる1年間の維持療法は経過観察と比較して、5年無病生存率を有意に改善し、有害事象の多くは軽度~中等度であることが、中国・中山大学がんセンター(SYSUCC)のXi Wang氏らが行った「SYSUCC-001試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2020年12月10日号で報告された。乳がんのサブタイプの中でも、TNBCは相対的に再発率が高く、標準治療後の転帰は不良であり、再発および死亡のリスクを低減する効果的な維持療法が求められている。低用量カペシタビンによる化学療法は、2つの転移の機序(血管新生、免疫逃避)を標的とすることでTNBC女性の再発を抑制する可能性が示唆されているが、再発抑制に要する長期の治療の有効性と受容性については不確実性が残るという。

片頭痛の予防治療、rimegepantに発症抑制効果/Lancet

 片頭痛の予防治療において、rimegepantの12週間、隔日投与は、プラセボと比較して片頭痛発症の抑制効果が高く、忍容性は両群で同程度であることが、米国・Biohaven PharmaceuticalsのRobert Croop氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2020年12月15日号に掲載された。片頭痛の薬物療法は、一般的に、発作の発生時にこれを緩和するための急性期治療と、発作の頻度や重症度を軽減するための予防治療の2つに分類される。経口カルシトニン遺伝子関連ペプチド受容体拮抗薬rimegepantは、すでに急性期治療における有効性と安全性が確認されている。

新型コロナとインフル、死亡率・症状の違いは?/BMJ

 季節性インフルエンザ入院患者と比較して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者は肺外臓器障害・死亡リスクの上昇(死亡リスクは約5倍)、および医療資源使用(人工呼吸器装着、ICU入室、入院期間など)の増加と関連していることが、米国・VAセントルイス・ヘルスケアシステムのYan Xie氏らによるコホート研究で明らかとなった。研究グループは、先行研究での季節性インフルエンザとCOVID-19の臨床症状や死亡率の比較は、それぞれ異なるデータおよび統計的手法を用いて行われ、「リンゴとリンゴ」での比較ではなかったとして、米国退役軍人省の入院データを用いて評価を行ったという。結果を踏まえて著者は、「本調査結果は、COVID-19と季節性インフルエンザの比較リスクに関する世界的な議論への情報提供になるとともに、COVID-19パンデミックへの継続的な対策に役立つ可能性があるだろう」と述べている。BMJ誌2020年12月15日号掲載の報告。

慢性硬膜下血腫にデキサメタゾンは有益か/NEJM

 症候性慢性硬膜下血腫の成人患者において、デキサメタゾンによる治療はプラセボと比較して、6ヵ月後の良好なアウトカムには結び付かず有害事象も多かった。ただし、被験者のほとんどが入院中に血腫除去術を受けており、再手術に関する評価についてはデキサメタゾン群で少ないことが示された。英国・ケンブリッジ大学のPeter J. Hutchinson氏らが、英国の23施設で実施した無作為化試験「Dexamethasone for Adult Patients with a Symptomatic Chronic Subdural Haematoma trial:Dex-CSDH試験」の結果を報告した。慢性硬膜下血腫は、とくに高齢者に多い神経疾患・障害である。慢性硬膜下血腫患者のアウトカムに対するデキサメタゾンの有効性は、これまで十分な検討がなされていなかった。NEJM誌オンライン版2020年12月16日号掲載の報告。

COVID-19ワクチンの対象集団、国や地域による違いは?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種の対象集団の規模は、国や地域によって著しく異なっていることを、中国・復旦大学のWei Wang氏らが記述的研究で明らかにした。著者は、「国や地域レベルでの対象集団の分布は、ワクチンの優先順位や配分を公平かつ効率的に計画することの重要性を強調している」と述べたうえで、「各国は、地域の疫学、基礎となる公衆衛生、利用可能なワクチン量の予測、直接的または間接的な有益性をもたらすワクチン接種戦略の選択などに基づいて、さまざまな戦略と配分計画を評価すべきである」とまとめている。先行研究において、COVID-19ワクチンの公正な配分を保証する倫理的な枠組みについては説明がされている。そのうちの1つは、最適化アルゴリズムを用いて異なる目的に対する最適なワクチン配分戦略をモデル化しており、人口統計、職業または高リスク集団(エッセンシャルワーカーや既往歴のある人など)を対象としたワクチン接種プログラムに関する集団規模が必要と示されていた。BMJ誌2020年12月15日号掲載の報告。

ペットが糖尿病なら、飼い主も危ない?/BMJ

 飼い犬が糖尿病の飼い主は、飼い犬が糖尿病ではない飼い主と比べて、2型糖尿病の発症リスクが有意に高い(約1.3倍)ことがデータで明らかにされた。逆に飼い主が2型糖尿病の際の飼い犬の糖尿病発症リスクの増大については、有意な関連性は認められず、また、飼い猫と飼い主には、そのような関連性は認められなかったという。スウェーデン・ウプサラ大学のRachel Ann Delicano氏らが、飼い犬と飼い主のペア約21万組、飼い猫と飼い主のペア約12万組について行った縦断研究の結果を報告した。飼い犬と飼い主は、身体活動量など特定の健康行動を共有する場合がある。以前に行われた横断研究で、飼い犬と飼い主における肥満について関連性があることが示されていたが、飼い犬と飼い主および飼い猫と飼い主で糖尿病リスクを共有するのか調べた研究はこれまでなかった。BMJ誌2020年12月10日号クリスマス特集号の「THE CITADEL」より。

COVID-19入院患者へのバリシチニブ+レムデシビル併用は有益/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で、とくに高流量酸素療法または非侵襲的換気療法を受けている入院患者において、バリシチニブ+レムデシビル併用はレムデシビル単独よりも回復までの時間を短縮し、臨床状態の改善を早めることが明らかになった。米国・ネブラスカ大学のAndre C. Kalil氏らが1,033例を対象に行った第III相二重盲検無作為化プラセボ対照試験「ACTT-2試験」の結果で、著者らは、「この組み合わせ療法は重篤な有害事象の減少と関連していた」と報告している。COVID-19は調節異常の炎症との関連が示唆されている。ヤヌスキナーゼ阻害薬であるバリシチニブとレムデシビル併用の効果については明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2020年12月11日号掲載の報告。

AZ社の新型コロナワクチン4試験統合中間解析で安全性・有効性確認/Lancet

 ChAdOx1 nCoV-19ワクチン(AZD1222)は、英国・オックスフォード大学で開発された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン。同大学のMerryn Voysey氏らは、このワクチンに関する進行中の4つの臨床試験の第1回目の統合中間解析を行い、安全性プロファイルは容認可能なものであり、COVID-19に対し有効であることを確認した。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2020年12月8日号に掲載された。AZD1222は、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の細胞表面の構造蛋白である糖蛋白抗原(スパイク蛋白:nCoV-19)遺伝子を含む、チンパンジー由来の増殖能を欠失させたアデノウイルスベクター(ChAdOx1)から成る。2020年4月23日、英国で第I/II相試験(COV001)が開始され、その後、英国(COV002、第II/III相)、ブラジル(COV003、第III相)、南アフリカ共和国(COV005、第I/II相)で無作為化対照比較試験が進められている。

高用量インフルワクチン、高リスクCVDの死亡改善せず/JAMA

 高リスク心血管疾患患者では、高用量3価不活化インフルエンザワクチンは標準用量4価不活化インフルエンザワクチンと比較して、全死因死亡率や心肺疾患による入院率を低下させないことが、米国・ミネソタ大学のOrly Vardeny氏らが行ったINVESTED試験で示された。研究の詳細は、JAMA誌オンライン版2020年12月4日号で報告された。インフルエンザは、ワクチン接種への免疫応答が強くない心血管疾患患者の心肺合併症や死亡の割合を一時的に高めるという。高用量のインフルエンザワクチンは、インフルエンザによる疾患のリスクを低減する可能性が示唆されている。

ガイドライン、報告書、意見記事、レビューでも利益相反の影/BMJ

 臨床ガイドライン、諮問委員会の報告書、意見記事、ナラティブレビューにおいて、金銭的な利益相反と薬品およびデバイスの推奨は関連しているとのシステマティックレビューによる調査結果を、デンマーク・オーデンセ大学病院のCamilla H. Nejstgaard氏らが報告した。ただし今回のレビューには、包含した研究に交絡リスクがあったこと、個々の文書の解析に統計学的に不正確な点があったことなどの限界があり、非金銭的な利益相反が推奨事項に影響を与えるかどうかは定かでないとしている。これまでの研究では、金銭的利益相反と推奨との関連は、重要な試験やシステマティックレビューでは認められることが報告されていたが、臨床ガイドライン、諮問委員会の報告書、意見記事、ナラティブレビューについては関連性の程度は明らかになっていなかった。BMJ誌2020年12月9日号掲載の報告。

特発性肺線維症へのST合剤、生存ベネフィット認めず/JAMA

 中等症~重症の特発性肺線維症(IPF)について、コトリモキサゾール(ST合剤:スルファメトキサゾールとトリメトプリムの合剤)はプラセボと比較して、死亡・肺移植または予定外の初回入院までの期間の複合アウトカムの発生を低下しないことが、英国・イースト・アングリア大学のAndrew M. Wilson氏らによる検討で示された。IPFは予後不良で治療法が限られており、肺微生物叢の変化による肺への細菌負荷が死亡率に関連するとされている。先行の小規模無作為化試験においてST合剤投与による臨床アウトカムの改善および優れた費用対効果が示唆され、また探索的解析で健康関連のQOLや酸素必要量の改善、および試験プロトコールを順守した被験者における12ヵ月間の死亡率低下が示されていたが、生存ベネフィットのエビデンスは確定されていなかった。JAMA誌2020年12月8日号掲載の報告。

HIV維持療法、長時間作用型注射剤2剤併用2ヵ月ごと投与は?/Lancet

 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者において、長時間作用型注射剤cabotegravirと長時間作用型注射剤リルピビリンの2剤併用の8週ごと投与は、4週ごと投与と比較し有効性および安全性プロファイルは類似していることが、米国・アラバマ大学バーミングハム校のEdgar T. Overton氏らの「ATLAS-2M試験」で明らかとなった。cabotegravir+リルピビリン2剤併用投与については、第II相試験で8週ごと投与と4週ごと投与の有用性が示唆され、第III相試験で4週ごと投与の経口抗レトロウイルス療法に対する非劣性が検証されたことから、8週ごと投与のさらなる評価が求められていた。結果を踏まえて著者は、「HIV-1感染患者の治療選択肢として、より簡便なcabotegravir+リルピビリンの2ヵ月ごと投与の使用は支持される」とまとめている。Lancet誌オンライン版2020年12月9日号掲載の報告。

PTX被覆デバイスによる末梢動脈疾患の血管内治療、死亡率増大させず/NEJM

 末梢動脈疾患患者において、パクリタキセル被覆血管内デバイスと非被覆血管内デバイスに、追跡期間1~4年での全死因死亡率に差は認められなかった。スウェーデン・ヨーテボリ大学のJoakim Nordanstig氏らが、多施設共同無作為化非盲検臨床試験「SWEDEPAD試験」の計画外の中間解析結果を報告した。症候性末梢動脈疾患に対する下肢血管内治療で、パクリタキセル被覆血管形成バルーンおよび溶出ステントによる死亡リスクの増加が最近のメタ解析で示され、懸念が生じていた。NEJM誌オンライン版2020年12月9日号掲載の報告。

PD-L1陽性TN乳がん1次治療、ペムブロリズマブの上乗せ効果は?(KEYNOTE-355)/Lancet

 未治療の局所再発手術不適応または転移のあるPD-L1 CPS 10以上のトリプルネガティブ乳がん患者において、ペムブロリズマブ+化学療法はプラセボ+化学療法と比べて、無増悪生存(PFS)期間が有意かつ臨床的意義のある改善を示した。スペイン・Quiron GroupのJavier Cortes氏らによる第III相の国際多施設共同プラセボ対照二重盲検試験「KEYNOTE-355試験」の結果で、Lancet誌2020年12月5日号で発表された。著者は、「今回示された結果は、転移のあるトリプルネガティブ乳がんの1次治療について、標準治療へのペムブロリズマブ上乗せの意義を示すものである」と述べている。先行研究で同患者へのペムブロリズマブ単剤療法が、持続的な抗腫瘍活性と管理可能な安全性を示しており、研究グループは、同患者へのペムブロリズマブの上乗せが、化学療法の抗腫瘍活性を増強するかを検討した。

Pfizer社の新型コロナワクチンの第III相試験結果/NEJM

 PfizerとBioNTechによる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「BNT162b2」について、16歳以上における30μgの2回投与の有効率は95%で、同有効率は年齢や性別、基礎疾患の有無といったサブグループでも同程度であった。また、中央値2ヵ月間の安全性は、その他のウイルスワクチンと類似していた。アルゼンチン・Fundacion INFANTのFernando P. Polack氏らによる、進行中の第II/III相国際共同プラセボ対照観察者盲検化pivotal有効性試験の結果で、NEJM誌オンライン版2020年12月10日号で発表した。BNT162b2は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のfull-lengthスパイクタンパク質をコードする脂質ナノ粒子製剤・修飾ヌクレオシドmRNAワクチンである。

ロルラチニブ、進行ALK陽性NSCLCの1次治療で有効/NEJM

 未治療の進行未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の患者では、ロルラチニブの投与はクリゾチニブと比較して、無増悪生存(PFS)期間が有意に延長し頭蓋内奏効の割合が優れるが、Grade3または4の有害事象(主に脂質値の異常)の発生頻度は高いことが、米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのAlice T. Shaw氏らが行った「CROWN試験」の中間解析で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年11月19日号で報告された。ロルラチニブは第3世代のALK阻害薬で、血液脳関門を通過して中枢神経系に到達するようデザインされており、第Iおよび第II相試験では、第1・第2世代ALK阻害薬による治療が失敗した患者において強力な抗腫瘍活性が確認されている。第1世代ALK阻害薬クリゾチニブは、本試験開始時の標準的な1次治療薬であった。