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- 2024/12/20
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レニン阻害薬、動脈硬化進展を抑制せず/JAMA
冠動脈疾患を有する高血圧前症患者へのレニン阻害薬アリスキレン(商品名:ラジレス)投与はプラセボと比較して、アテローム性動脈硬化の進展を抑制しないことが、南オーストラリア健康・医療研究所(SAHMRI)のStephen J. Nicholls氏らによる無作為化試験AQUARIUSの結果、示された。著者は、「今回の結果は、アテローム性動脈硬化症の退縮または予防についてアリスキレン使用を支持しないものであった」と結論している。JAMA誌オンライン版2013年9月3日号掲載の報告より。
DPP-4阻害薬、糖尿病の虚血性イベント増減せず/NEJM
DPP-4阻害薬サキサグリプチン(商品名:オングリザ)は、心血管イベント既往またはリスクを有する2型糖尿病患者の治療において、心不全入院率は上昇するが虚血性イベントは増大も減少もしなかったことが、米国・ハーバードメディカルスクールのBenjamin M. Scirica氏らによるSAVOR-TIMI 53試験の結果、示された。著者は「サキサグリプチンは糖尿病患者において、血糖コントロールを改善するが、心血管リスクを低下させるにはその他のアプローチが必要である」と結論している。本研究は、2013年9月2日、オランダ・アムステルダム市で開催された欧州心臓病学会(ESC)で報告され、同日付けのNEJM誌オンライン版に掲載された。
PCI前の血栓吸引、STEMI患者の予後を改善しない/NEJM
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行前の血栓吸引はPCI単独に比べ、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者の予後を改善しないことが、スウェーデン・エーレブルー大学病院のOle Frobert氏らが実施したTASTE試験で示された。STEMI患者に対する初回PCI前の冠動脈内血栓吸引は、血流やST上昇を改善する可能性があり、簡便で迅速に施行可能で、相対的に安価との指摘があるが、これは一般的な見解ではないという。1,071例を対象に単施設で行われたTAPAS試験では、STEMI患者における生存ベネフィットが示唆されているが、むしろ高額であるとの指摘や、脳卒中リスクを増大させるとのメタ解析の結果が報告されていた。本研究は、2013年9月1日、オランダ・アムステルダム市で開催された欧州心臓病学会(ESC)で発表され、同日付けのNEJM誌オンライン版に掲載された。
新規抗凝固薬、ワルファリンに非劣性-静脈血栓塞栓症の再発-/NEJM
経口第Xa因子阻害薬エドキサバン(商品名:リクシアナ)は、症候性静脈血栓塞栓症(VTE)の治療において、有効性がワルファリンに非劣性で、安全性は優れていることが、オランダ・アムステルダム大学のHarry R Buller氏らが行ったHokusai-VTE試験で示された。VTEは、心筋梗塞や脳卒中後にみられる心血管疾患として3番目に頻度が高く、北米では年間70万人以上が罹患しているという。従来の標準治療は低分子量ヘパリン+ビタミンK拮抗薬だが、ヘパリンの前投与の有無にかかわらず、新規経口抗凝固薬の有効性が確立されている。本研究は、2013年9月1日、アムステルダム市で開催された欧州心臓病学会(ESC)で報告され、同日付けのNEJM誌オンライン版に掲載された。
DPP-4阻害薬、糖尿病の心血管リスク増大せず/NEJM
新規DPP-4阻害薬アログリプチン(商品名:ネシーナ)は、直近の急性冠症候群(ACS)既往歴のある2型糖尿病患者の治療において、心血管リスクを増加させずに糖化ヘモグロビン(HbA1c)を改善することが、米国・コネチカット大学のWilliam B. White氏らが行ったEXAMINE試験で示された。糖尿病患者では、血糖値の改善により細小血管合併症リスクが低下する可能性があるが、大血管イベントへの良好な効果は示されておらず、米国FDAをはじめ多くの国の監督機関は、新規の抗糖尿病薬の承認前後で、心血管系の安全性プロフィールの包括的な評価を求めている。本研究は、2013年9月2日、オランダ・アムステルダム市で開催された欧州心臓病学会(ESC)で報告され、同日付けのNEJM誌に掲載された。
低線量CT画像上の肺結節のがん確率を正確に推定するモデル開発/NEJM
低線量CTスクリーニングで検出された肺結節が悪性腫瘍である確率を正確に予測する方法として、カナダ・バンクーバー総合病院のAnnette McWilliams氏らが開発した患者の背景因子や結節の特性に基づくモデルが有用なことが示された。低線量CTによる肺がんスクリーニングの主要課題は、陽性の定義および検出された肺結節の管理とされる。また、初回スクリーニングで20%以上に再検査を要する肺結節がみつかり、1万人に4.5人の割合で重篤な合併症が発現するとされ、全米肺検診試験(NLST)では外科的に切除された結節の25%が良性であったことから、結節が悪性腫瘍である確率を正確に予測する実用的なモデルの構築が求められている。NEJM誌2013年9月5日号掲載の報告。
古くて新しい薬コルヒチン、急性心膜炎の頻発・再発リスクを半減/NEJM
急性心膜炎に対し、アスピリンなどによる従来抗炎症療法に加えてコルヒチンを投与すると、頻発性・再発性心膜炎の発生リスクは半減することが明らかになった。症状持続率や入院率も、コルヒチン投与により大幅に減少することが示された。イタリア・マリア・ビットリア病院のMassimo Imazio氏らが、急性心膜炎の患者240例を対象に行った無作為化プラセボ対照試験の結果、報告した。コルヒチンは痛風の古典的な治療薬だが、近年、再発性心膜炎に有効であることが示され推奨されている。急性心膜炎に対する効果も支持する報告がされているが確定的データはなかった。NEJM誌オンライン版2013年9月1日号掲載の報告より。
機械弁患者にはダビガトランよりワルファリン/NEJM
人工心臓弁置換術を行った人に対し、ダビガトラン(商品名:プラザキサ)投与はワルファリン(同:ワーファリンほか)投与に比べ、血栓塞栓症・出血イベントリスクが増大することが明らかになった。カナダ・マックマスター大学のJohn W. Eikelboom氏らがダビガトラン用量検証のための第2相臨床試験を行った結果、報告した。ダビガトランは心房細動患者においてワルファリンに代わる選択肢になることが示されている。NEJM誌オンライン版2013年9月1日号掲載の報告より。
重度狭窄部への予防的PCIが予後改善/NEJM
ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)患者への救急時の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)において、梗塞部に加え重度狭窄部への予防的PCIを施行することは、重大心血管イベントリスクを有意に低下することが、英国・ロンドン大学クイーンメアリー校のDavid S. Wald氏らによる無作為化試験PRAMIの結果、示された。これまで同患者における梗塞部へのPCI施行が予後を改善することは明らかであったが、予防的PCIの予後改善効果は不明であった。NEJM誌オンライン版2013年9月1日号掲載の報告より。
抗血小板薬の診断時と周術期の2回に分ける分割投与/NEJM
待機的経皮冠動脈インターベンション(PCI)を受ける非ST上昇型(NSTE)急性冠症候群患者へのプラスグレル(本邦では承認申請中)投与について、診断時に投与する前治療の有意な有効性、安全性は認められなかったことが、フランス・ピティエ-サルペトリエール病院のGilles Montalescot氏らによるACCOAST試験の結果、示された。P2Y12受容体阻害薬プラスグレルは、第三世代の新規抗血小板薬で、NSTE急性冠症候群患者への有効性が示されている。しかし、投与のタイミングによる影響は不明であった。著者は、今回の結果は、プラスグレルの治療戦略は冠血管造影後とすることを支持するものであったと結論している。NEJM誌オンライン版2013年9月1日号掲載の報告より。
1位ブルーベリー、2位ブドウ、3位リンゴ:糖尿病の発症リスクが低いフルーツ/BMJ
果物摂取と2型糖尿病リスクとの関連性について、果物の種類によって差があること、また果物そのものよりもジュースのほうがリスクは高いことが、米国・ハーバード大学公衆衛生学部のIsao Muraki氏らの検討で明らかとなった。多くの慢性疾患の一次予防で果物の摂取が推奨されているが、疫学調査では2型糖尿病に関して相反する結果の報告があるという。これらの不一致は、果物の種類や被験者の背景因子などの違いで説明可能とされるが、その検証は十分には行われていなかった。BMJ誌オンライン版2013年8月28日号掲載の報告。
肺動脈性肺高血圧症に新薬の有効性が示される―新規デュアルエンドセリン受容体拮抗薬―/NEJM
肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療において、マシテンタン(国内未承認)はイベント発生および死亡を有意に抑制することが、メキシコ・Ignacio Chavez国立心臓研究所のTomas Pulido氏らが行ったSERAPHIN試験で示された。現行のPAH治療薬(エンドセリン[ET]受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ5[PDE5]阻害薬、プロスタサイクリンなど)は、運動耐容能を主要評価項目とする短期的な試験(12~16週)に基づいて臨床導入されているという。デュアルET受容体拮抗薬マシテンタンは、ET受容体拮抗薬ボセンタンの化学構造を改良して有効性と安全性を向上させた新規薬剤で、受容体結合時間の延長と組織透過性の増強を特徴とする。NEJM誌2013年8月29日号掲載の報告。
新規抗α4β7インテグリン抗体、クローン病には?/NEJM
クローン病に対する新規抗α4β7インテグリン抗体vedolizumabの有効性と安全性について、米国・カリフォルニア大学のWilliam J. Sandborn氏らが行ったGEMINI2試験の結果が報告された。活動期クローン病成人を対象とした検討で、6週時点で寛解を達成していた割合は14.5%でプラセボ投与群より有意に高率であったが、クローン病活動指数(CDAI)スコアが100ポイント以上減少(CDAI-100)の達成は有意差がなかった。また、寛解導入が有効であった患者について、治療を継続した群はプラセボに切り替えた群と比べて、52週時点に寛解であった割合が有意に高率であったことが示された。NEJM誌2013年8月22日号掲載の報告より。なお、vedolizumabの潰瘍性大腸炎に体する有効性と安全性を検討したGEMINI1試験では、その有用性が示されている(ジャーナル四天王2013年9月2日配信号)。
糖尿病患者の冠動脈疾患リスクを高める遺伝的要因を特定/JAMA
冠動脈性心疾患(CHD)との関連が、2型糖尿病の人では有意だが、それ以外の人では関連が認められない一塩基多型(SNP)rs10911021の存在が、米国・ハーバード公衆衛生大学院のLu Qi氏らによるゲノムワイド解析の結果、確認された。同SNPは、グルタミン酸の代謝に関与しており、その作用機序的結びつきも明らかになったという。糖尿病ではCHDリスクが高く、先行研究において、糖尿病の人には特有の心血管リスクを高める遺伝的要因があるのではないかと示唆されていた。JAMA誌2013年8月28日号掲載の報告より。
喫煙が死亡に及ぼす影響は、人種差でこんなにも違う/Lancet
南アフリカにおける喫煙死亡リスクは、白人・黒人の混血“カラード”において最も高く、非喫煙者・元喫煙者との比較でおよそ5割増に上ることが明らかにされた。最もリスクが低いのは黒人で、同2割弱増であった。オーストラリア・Cancer Council NSWのFreddy Sitas氏らが、南アフリカの中高年50万人弱について行ったケースコントロール研究の結果、報告した。Lancet誌2013年8月24日号掲載の報告より。
外側楔状足底板使用でも変形性膝関節症の痛みは軽減しない/JAMA
変形性膝関節症の人において外側楔状足底板を使用しても痛みの軽減効果はないことが、英国・マンチェスター大学のMatthew J. Parkes氏らによるメタ解析の結果、報告された。外側楔状足底板の効果については議論が分かれ、コンセンサスは得られていなかった。JAMA誌2013年8月21日号掲載の報告より。 研究グループは、2013年5月までにCochrane Central Register of Controlled TrialsやMedlineなどのデータベースに登録された試験のうち、外側楔状足底板の使用による膝関節過重への効果について検討された無作為比較試験を抽出し、メタ解析を行った。データ抽出は2名の独立した研究者が行った。また、バイアスリスクの評価を2名のオブザーバーがCochraneバイアスリスクツールを用いて行った。
インフルエンザのリスク因子、エビデンスが弱い/BMJ
インフルエンザ関連合併症のリスク因子を定義するエビデンスのレベルは低いことが、カナダ・マックマスター大学のDominik Mertz氏らによるシステマティックレビューの結果、明らかにされた。インフルエンザ発症において一部の患者集団では合併症の併発や重症化するリスクが報告され、ハイリスク集団にワクチン接種を優先する勧告がWHOおよび世界各国で行われている。しかし、これまで同集団を定義するエビデンスの質について包括的かつシステマティックなレビューは行われていなかったという。BMJ誌オンライン版2013年8月23日号掲載の報告より。
降圧目標到達率を44%から87%までに改善したプログラム/JAMA
米国・北カリフォルニア・カイザーパーマネンテ(KPNC)が2001年に開発導入した、大規模集団高血圧プログラムの実施状況を分析した報告が、KPNC南サンフランシスコメディカルセンターのMarc G. Jaffe氏らにより発表された。2009年時点の分析で、州や国が行うプログラムに比べると、KPNC高血圧プログラム下で血圧コントロールを受ける高血圧患者の割合は有意に増大したことが示されたという。Jaffe氏は本報告で、同プログラム開発の経緯と変遷、プログラムのキー要素について報告している。JAMA誌2013年8月21日号掲載の報告より。
新規抗α4β7インテグリン抗体、潰瘍性大腸炎に有効/NEJM
抗α4β7インテグリン抗体vedolizumabは、中等度~重度の活動性潰瘍性大腸炎の導入療法および維持療法として有用であることが、カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のBrian G Feagan氏らが実施したGEMINI 1試験で示された。潰瘍性大腸炎治療については、アミノサリチル酸など従来療法の効果は十分ではなく、グルココルチコイドやTNF阻害薬は重篤な有害事象の懸念があることから、新たな治療戦略が求められている。vedolizumabは、α4β7インテグリンに特異的に結合して腸管へのリンパ球の遊走を選択的に阻害するヒト化モノクローナル抗体である。NEJM誌2013年8月22日号掲載の報告。
転移性腎細胞がん、2つのTKIの有効性に差なし/NEJM
転移性腎細胞がんの1次治療において、パゾパニブ(商品名:ヴォトリエント、腎細胞がんへの適応拡大申請中)の有効性はスニチニブ(同:スーテント)に劣らず、安全性やQOLはパゾパニブがより良好なことが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのRobert J Motzer氏らが実施したCOMPARZ試験で示された。腎細胞がんは腎がんの中で最も高頻度にみられ、診断時には最大30%が転移性と報告されている。パゾパニブとスニチニブはいずれも経口チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であり、転移性腎細胞がんの治療において無増悪生存期間(PFS)の改善効果が確認されていた。NEJM誌2013年8月22日号掲載の報告。