細菌性髄膜炎、ワクチン導入で乳幼児リスクは減少、疾病負荷は高齢者に:米国CDC
1998~2007年の細菌性髄膜炎に関する疫学調査を行った米国疾病管理予防センター(CDC)は、発生率は減少しているが、同疾病による死亡率はなお高いこと、また1990年代初期以降の各対策導入によって乳幼児のリスクの減少には成功したが、相対的に現在、高齢者が疾病負荷を負うようになっているとの報告を発表した。米国では1990年代初期に乳幼児へのインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンを導入した結果、細菌性髄膜炎の発生率が55%減少。2000年に導入した肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)では、侵襲性肺炎球菌感染症が5歳未満児75%減少、65歳以上31%減少したと報告されている。このほかにも全妊婦を対象にB群レンサ球菌(GBS)スクリーニングなど予防策が講じられるようになっており、今回の調査は、今後の予防戦略の基礎資料とするため1998~2007年の細菌性髄膜炎の発生率の動向、2003~2007年の髄膜炎の疫学を評価することを目的に行われた。NEJM誌2011年5月26日号掲載より。