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- 2024/12/20
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安定冠動脈疾患への長期DAPTの有益性・有害性/BMJ
安定冠動脈疾患への2剤併用抗血小板療法(DAPT)の長期治療について、有益性と有害性を明らかにするCALIBER抽出患者(任意抽出集団;リアルワールド) vs.PEGASUS-TIMI-54試験の被験者(急性心筋梗塞後1~3年の患者が登録;試験集団)の検討が、英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのA Timmis氏らにより行われた。結果、リアルワールドで試験集団の包含・除外基準を満たした患者は4分の1で、同集団の発症後1~3年の再発リスクは約19%であったこと、リスクは試験集団よりも倍増してみられたこと、脳卒中既往歴なしや直近の抗凝固療法歴のないハイリスク患者で、1年超のDAPTの有益性は大きくなる可能性が示唆されたという。急性心筋梗塞後の2次予防として、生涯にわたる複数併用の薬物療法が推奨されるが、最近の検討を踏まえDAPTは1年までとする勧告が直近のガイドラインで示されていた。BMJ誌オンライン版2016年6月22日号掲載の報告。
米国成人の食習慣、13年間で改善/JAMA
1999~2012年の米国国民健康栄養調査(NHANES)を分析した米国・モンテフィオーレメディカルセンターのColin D. Rehm氏らは、自己申告による食習慣が改善していることを報告した。ただし、人種・教育・収入による差が持続または悪化していることも示唆されたという。これまで食事に関する研究の多くが、主な多量栄養素またはわずかな食事因子のみを評価したもので、個々の食品・栄養素に関する食事の質や、さまざまな集団での違いなどについては評価していなかった。著者は、「今回の結果は、米国に住んでいる人々の食習慣を改善するための機会、新たな達成、配慮が必要な地域などについて考察を与えるものである」とまとめている。JAMA誌2016年6月21日号掲載の報告。
心房細動へのNOAC3剤とワルファリンの有用性を比較/BMJ
すべての非ビタミンK阻害経口抗凝固薬(新規経口抗凝固薬;NOACs)は、日常診療において安全かつ有効なワルファリンの代替薬になりうる。デンマーク・オールボー大学病院のTorben Bjerregaard Larsen氏らが、デンマーク国内の大規模観察コホート研究の結果、報告した。NOACsとワルファリンとで虚血性脳卒中の発症に有意差はなく、死亡・出血・大出血はワルファリンに比しアピキサバン(商品名:エリキュース)およびダビガトラン(同:プラザキサ)で有意に低いことが示されたという。NOACsの使用は導入以来増加し続けているが、リアルワールドでNOACsの有効性と安全性をワルファリンと比較した研究は限られていた。BMJ誌オンライン版2016年6月16日号掲載の報告。
ホジキンリンパ腫、中間PET-CT結果による治療変更は有効か?/NEJM
進行期古典的ホジキンリンパ腫の患者に対し、ABVD(ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)療法2サイクル後に中間PET-CTを行い、その結果を基に治療をガイドしていくことは有効なのか。英国・サウサンプトン大学のPeter Johnson氏らが、1,214例の患者を対象に無作為化比較試験にて検討した。中間PET-CTの結果が陰性例について、ブレオマイシンを除いたAVD療法に変更した場合、ABVD療法の継続例と比較して、肺毒性発生率は低下し、有効性に有意な低下は認められなかったという。NEJM誌2016年6月23日号掲載の報告。
小児・若者の心臓突然死の原因、遺伝子検査で判明/NEJM
1~35歳の小児・若年成人における心臓突然死の原因について、剖検に加えて遺伝子検査を行うことで、特定できる事例が大幅に増加でき、冠動脈疾患に次いで遺伝性心筋症が多いことが判明した。また、原因不明例について遺伝的解析を行った結果、心疾患関連遺伝子の変異が3割弱で検出されたという。オーストラリア・シドニー大学のR.D. Bagnall氏らが、心臓突然死した小児・若年成人490例について前向きに調査し明らかにしたもので、NEJM誌2016年6月23日号で発表した。
アルコールの入手のしやすさと心疾患発生の関連/BMJ
法的なアルコール入手環境の違いという観点から心疾患との関連を検討した、米国・カリフォルニア大学のJonathan W Dukes氏らの研究成果が発表された。入手がしやすい地域の住民では心房細動が有意に多く、心筋梗塞およびうっ血性心不全は有意に少なかった。しかし規制が緩和されると短期間でうっ血性心不全のリスクの増大がみられたという。アルコールと心疾患の関連は複雑で相反する結果が報告されている。これまでの関連を検討した観察研究は、アルコール摂取について自己申告に基づいたもので、交絡因子がアウトカムに関連していた可能性があり、研究グループは、1州におけるアルコール販売規制の郡ごとの違いに着目して観察コホート研究を行った。BMJ誌オンライン版2016年6月14日号掲載の報告。
慢性疼痛へのLAオピオイドと全死因死亡リスク/JAMA
非がん性慢性疼痛に対する長時間作用型(LA)オピオイドの処方は、抗けいれん鎮痛薬や低用量抗うつ薬の処方と比較して、過剰摂取以外の原因を含む全死因死亡リスクを有意に増大することが、米国・ヴァンダービルト大学のWayne A. Ray氏らによる検討の結果、示された。絶対リスクの差はわずかであった。著者は、「今回の結果を、治療の有害性や有益性を評価する際に考慮すべきである」と述べている。LAオピオイドは、無作為の過剰摂取リスクを増大し、心臓・呼吸器系およびその他による死亡も増大させる可能性が示唆されていた。JAMA誌2016年6月14日号掲載の報告。
肥満治療薬5剤の体重減少効果を比較/JAMA
米国食品医薬品局(FDA)の承認を得ている5つの肥満治療薬は、いずれも良好な体重減少効果を有し、とくにphentermine-トピラマート配合薬とリラグルチドの効果が高いことが、米国・アイオワ大学のRohan Khera氏らの検討で示された。2014年の報告では、世界には約19億人の成人の過体重者と約6億人の肥満者がおり、長期的に有効な治療戦略の確立がきわめて重要とされる。FDAは、1つ以上の体重関連の併存疾患(2型糖尿病、高血圧、脂質異常症)を有する肥満(BMI≧30)または過体重(BMI≧27)の治療として、5つの肥満治療薬を承認しているが、これらの薬剤を比較した無作為化臨床試験のエビデンスは少ないという。JAMA誌2016年6月14日号掲載の報告。
抗凝固療法、ポリファーマシーによる影響は?/BMJ
ポリファーマシー(多剤併用)による抗凝固療法への影響を調べるため、英国・ラドバウド大学ナイメーヘン医療センターのJeroen Jaspers Focks氏らは、ARISTOTLE試験の事後解析を行った。同試験は、心房細動患者を対象にアピキサバン vs.ワルファリンを検討したものである。解析の結果、被験者の4分の3が5剤以上のポリファーマシーを受けており、そうした患者では、併存疾患、薬物相互作用および死亡の有意な増大や、血栓塞栓症、出血性合併症の発症率が有意に高率であることが明らかになった。そのうえで、併用薬剤数に関係なく、アピキサバンのほうがワルファリンよりも有効性に優れることが認められ、安全性も大出血に対するベネフィットはアピキサバンのほうが大きかったが、併用薬剤数が多いほどワルファリンとの差は減少することが示されたという。BMJ誌オンライン版2016年6月15日号掲載の報告。
全粒穀物の摂取は、あらゆる死亡リスクを下げる/BMJ
全粒穀物の摂取は、心血管疾患、がん、全死亡、呼吸器疾患・感染症・糖尿病・非心血管疾患または非がんによる死亡のリスク低下と関連していることを、英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのDagfinn Aune氏らが、前向き研究のシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。全粒穀物の摂取量の多さと、2型糖尿病、心血管疾患および体重増加のリスク低下が関連することが示唆されていたが、慢性疾患や死亡リスクを低下させるための全粒穀物の摂取量や種類はよくわかっていなかった。著者は、「慢性疾患や早期死亡のリスクを減らすために全粒穀物を多く摂取する食事ガイドラインが推奨される」とまとめている。BMJ誌オンライン版2016年6月14日号掲載の報告。
エンパグリフロジン、腎症の発症・進行を抑制/NEJM
心血管リスクが高い2型糖尿病患者において、SGLT2阻害薬エンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)は、標準治療への追加によりプラセボと比較して腎症の進行を抑制し、臨床的な腎イベント発生率を低下させることが明らかとなった。ドイツ・Wurzburg University ClinicのChristoph Wanner氏らが、EMPA-REG OUTCOME試験で事前に規定されていた腎アウトカムの解析から報告した。糖尿病では心血管および腎イベントのリスクが増加するが、エンパグリフロジンは、EMPA-REG OUTCOME試験において標準治療への追加により、主要評価項目である心血管イベントのリスクを有意に低下させることが報告され、注目されていた。NEJM誌オンライン版2016年6月14日号掲載の報告。
B型肝炎の母子感染予防、テノホビルが有効/NEJM
B型肝炎e抗原(HBeAg)陽性で、HBV-DNA量20万IU/mL超の妊婦に対し、妊娠30~32週からテノホビル・ジソプロキシル・フマル酸塩(TDF)の経口投与を始めると、母子感染率は低下することが示された。米国・ニューヨーク大学のCalvin Q.Pan氏らが、妊婦200例を対象に行った無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2016年6月16日号で発表された。
リラグルチドで2型糖尿病の心血管イベントリスク低下/NEJM
心血管イベントの発生リスクが高い2型糖尿病患者に対し、標準治療に加えてGLP-1受容体作動薬リラグルチド(商品名:ビクトーザ)を投与することで、心血管イベントリスクが有意に低下したことが報告された。米国・テキサス大学のSteven P. Marso 氏らによる9,000例超を対象とした国際多施設共同のプラセボ対照無作為化二重盲検試験「LEADER」の結果で、NEJM誌オンライン版2016年6月13日号で発表された。2型糖尿病患者で、標準治療に追加投与した場合のリラグルチドの心血管系の効果については明らかになっていなかった。
過去10年で米国女性の肥満率が上昇/JAMA
米国成人の年齢補正後肥満の有病率は、2013~14年男性35.0%、女性40.4%であり、女性の全肥満(BMI≧30)と3度肥満(BMI≧40)の有病率は2005~2014年の間に有意な右肩上がりの上昇が認められたことを、米国疾病予防管理センター(CDC)のKatherine M. Flegal氏らが報告した。同期間中、男性については有意な傾向はみられなかったという。これまでの調査研究では、1980~2000年の米国成人の肥満の有病率は男女ともに有意な上昇が認められ、その後2003~04年まで、男性については有意な上昇がみられたが女性ではみられなかった。著者は、「さらなる研究を行い、今回の調査で認められた傾向の要因を調べる必要がある」とまとめている。JAMA誌2016年6月7日号掲載の報告。
未成年者の肥満、過去20年の動向/JAMA
米国の小児・思春期青少年(2~19歳)の肥満の有病率は、2011~14年は17.0%であり、極度の肥満(extreme obesity:年齢性特異的BMI値が95パーセンタイル以上の120%以上)の割合は5.8%であることが、米国疾病予防管理センター(CDC)のCynthia L. Ogden氏らにより報告された。1988~94年から2013~14年の動向を調査した結果で、肥満の有病率は、2~5歳児では2003~04年までは上昇、以降は減少したことや、6~11歳児では2007~08年までは上昇し、以降は横ばい、12~19歳では調査期間中は上昇していたという。JAMA誌2016年6月7日号掲載の報告。
米国医師の年収格差、男女間で1千万円強/BMJ
米国医師の年収について、男性医師では人種間(白人と黒人)に有意な格差がみられる一方、女性医師では人種間に有意差はみられないが、全体的に男性医師よりも有意に低いことが、米国ハーバード・メディカル・スクールのDan P Ly氏らによる断面サーベイ調査の結果、明らかにされた。結果について著者は、「さらなる検討を行い、これらの格差が、就業機会の格差によって生じているのかを調べる必要がある」と提言している。米国社会では、黒人と白人の経済格差がみられるが、医師に関する人種間格差については限定的な推察にとどまっていたという。BMJ誌オンライン版2016年6月7日号掲載の報告より。
未成年者への抗うつ薬は有益か?14薬剤のメタ解析/Lancet
大うつ病急性期治療における抗うつ薬のリスク・ベネフィットを考えた場合、小児および思春期青少年には明らかな利点はないようだとの見解を、英国・オックスフォード大学のAndrea Cipriani氏らが、ネットワークメタ解析の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「薬物治療が必要な場合のベスト選択肢は、おそらくfluoxetineだろう」と述べている。大うつ病は、小児・思春期青少年において最もよくみられる精神疾患であるが、同集団に薬物治療による介入を行うべきかどうか、どのような薬物を処方すべきかは、なお議論の的となっている。研究グループは、プラセボとの比較による抗うつ薬のランク付けを意図し本検討を行った。Lancet誌オンライン版2016年6月7日号掲載の報告より。
早期リウマチへのトシリズマブ、単独・MTX併用でも寛解維持2倍/Lancet
新たに関節リウマチ(RA)と診断された患者において、メトトレキサート(商品名:リウマトレックスほか、MTX)併用の有無を問わず、ただちにトシリズマブ(商品名:アクテムラ)の投与を開始し寛解維持を目指す治療戦略は、より効果的であることが示された。安全性プロファイルは現在の標準治療であるMTXと類似していた。オランダ・ユトレヒト大学メディカルセンターのJohannes W J Bijilsma氏らが、トシリズマブの単独またはMTXとの併用療法の有効性と安全性を、MTX単独療法と比較したU-Act-Early試験の結果、報告した。早期RA患者にとって、治療の目標は速やかな持続的寛解を得ることだが、目標達成に向けた治療戦略の検討はされていなかった。Lancet誌オンライン版2016年6月7日号掲載の報告。
急性期脳出血に対する積極的降圧療法は有効か?/NEJM
超急性期脳出血患者において、ニカルジピンによる収縮期血圧140mmHg以下への積極的降圧療法は、140~179mmHgを目標とした標準降圧療法と比較し、死亡や高度障害は減少しなかった。米国・ミネソタ大学のAdnan I. Qureshi氏らが、多施設共同無作為化非盲検比較試験ATACH-2(Antihypertensive Treatment of Acute Cerebral HemorrhageII)の結果、報告した。脳出血急性期の収縮期血圧の降圧目標については、INTERACT-2試験にて、発症後1時間以内に140mmHg未満に下げることで3ヵ月後の転帰を改善する傾向が示されたが、これまで推奨の根拠となるデータには限りがあった。NEJM誌オンライン版2016年6月8日号掲載の報告より。
心血管疾患1次予防のためのスクリーニング、効果が高いのは/BMJ
心血管疾患の1次予防を目的としたスクリーニング・プログラムとしては、喫煙者や不健康な食事摂取をしている集団に絞ると同時に、最も心血管疾患リスクの高いことで知られる貧困層にのみ実施することで、心血管疾患の発症や心血管死の予防効果が最も高くなる。英国・リバプール大学のChris Kypridemos氏らが、英国の実態を基に行ったミクロシミュレーション試験の結果、明らかにした。検討したプログラムは、英国の「National Health Service Health Checks」で、普遍的スクリーニングと代替実行可能な戦略について比較した。BMJ誌オンライン版2016年6月8日号掲載の報告。