腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:114

子宮内膜がん、レンバチニブ+ペムブロリズマブでPFS/OSを延長/NEJM

 進行子宮内膜がん患者において、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法は化学療法と比較し、無増悪生存(PFS)期間および全生存(OS)期間を有意に延長した。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのVicky Makker氏らが、21ヵ国167施設で実施した非盲検第III相試験「Study 309/KEYNOTE-775試験」の結果を報告した。プラチナ製剤による化学療法後の進行性子宮内膜がんに対する治療選択肢は、限られていた。NEJM誌オンライン版2022年1月19日号掲載の報告。  研究グループは、少なくとも1レジメンのプラチナ製剤による化学療法の治療歴のある進行子宮内膜がん患者を、レンバチニブ(20mg、1日1回経口投与)+ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと静脈投与)併用群、または化学療法(治験医師選択によるドキソルビシン60mg/m2の3週ごと静脈投与、またはパクリタキセル80mg/m2の週1回静脈投与3週・1週休薬)群のいずれかに、1対1の割合で無作為に割り付けた。

CAR-T ide-cel、多発性骨髄腫に国内承認/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年1月20日、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするCAR T細胞療法イデカブタゲン ビクルユーセル(製品名:アベクマ)について、再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした再生医療等製品製造販売承認を取得した。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象にしたCAR T療法の承認取得は今回が国内初。  今回の承認取得は、国際共同第II相試験(実施地域:日本・米国・欧州・カナダ)、ならびに海外第I相試験(実施地域:米国)で得られた有効性および安全性の結果に基づいている。

KRAS G12C変異の非小細胞肺がんにソトラシブ国内承認/アムジェン

 アムジェンは、2022年1月20日、KRASG12C阻害薬ソトラシブ(製品名:ルマケラス)について、がん化学療法後に増悪したKRASG12C変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの効能・効果で、日本における製造販売承認を取得した。  日本における製造販売承認は国際共同第I/II相多施設共同単群非盲検試験(CodeBreaK100試験)の結果に基づいたもの。同試験の第II相パートでは、非小細胞肺がん(NSCLC)患者126例(日本人11例を含む)を対象に、ソトラシブ960mgが1日1回経口投与され、主要評価項目である奏効率は、有効性評価対象123例で37.4%であった。

ゲフィチニブの非小細胞肺がんアジュバント、DFSとOSの結果(IMPACT)/JCO

 近年、非小細胞肺がん(NSCLC)のアジュバント療法として、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬を使用したさまざまな臨床試験が実施されている。  このたび、吹田徳洲会病院の多田 弘人氏らが、アジュバント療法におけるゲフィチニブの有効性を検討した国内臨床試験、IMPACT試験の結果をJournal of Clinical Oncology誌2022年1月20日号で報告した。  IMPACT試験は、EGFR変異陽性患者に対する標準的なアジュバント療法であるシスプラチン+ビノレルビン療法を対照としたゲフィチニブのランダム化比較第III相試験であり、WJOG(西日本がん研究機構)が実施した。

早期乳がんへの術後パルボシクリブ、iDFSに減量・中止の影響は?(PALLAS)/JCO

 PALLAS試験は、ホルモン受容体(HR)陽性/HER2陰性の早期乳がんの術後補助療法として、標準的な内分泌療法へのCDK4/6阻害薬パルボシクリブ追加の有効性を評価する第III相試験。主要評価項目である無浸潤疾患生存期間(iDFS)の有意な改善は示されておらず、今回、同試験におけるパルボシクリブ減量と中止の影響が評価された。米国・ダナファーバーがん研究所(DFCI)のErica L Mayer氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2022年1月7日号に報告した。

Stage IV乳がんの原発巣切除、OS改善せず(EA2108)/JCO

 de novo Stage IV乳がんでは、原発巣切除が全生存期間(OS)を改善するとされているが、臨床試験では相反する結果が報告されている。今回、米国・Northwestern UniversityのSeema A. Khan氏らが実施したEA2108試験では、早期の原発巣切除により、局所制御の改善はみられたもののOSは改善せず、QOLには影響がなかったことが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2022年1月7日号に掲載。  本研究では、4~8ヵ月間の全身療法で病勢進行のなかったde novo Stage IV乳がん患者を、局所療法(原発巣切除および放射線療法)群と全身療法継続群に無作為に割り付け、比較検討した。主要評価項目はOS、副次評価項目は局所制御とQOLとした。

切除不能悪性黒色腫の1次治療、relatlimab・ニボルマブ併用が有効/NEJM

 未治療の転移のあるまたは切除不能の悪性黒色腫患者の治療において、2つの免疫チェックポイント阻害薬relatlimab(抗リンパ球活性化遺伝子3[LAG-3]抗体)とニボルマブ(抗プログラム細胞死1[PD-1]抗体)の併用は、標準治療であるニボルマブ単剤と比較して、無増悪生存期間を有意に延長し、併用による新たな安全性への懸念は認められないことが、米国・テキサス大学MD AndersonがんセンターのHussein A. Tawbi氏らが実施した「RELATIVITY-047試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年1月6日号で報告された。

ホルモン薬避妊は子供の中枢神経系腫瘍リスクと関連?/JAMA

 ホルモン薬による避妊を行った母親の子供における中枢神経系の腫瘍のリスクは、ホルモン薬避妊法の経験のない母親の子供と比較して増加せず、ホルモン薬の種類ごとのリスクにも差はないことが、デンマーク・Cancer Society Research CenterのMarie Hargreave氏らの調査で示された。研究の詳細は、JAMA誌2022年1月4日号に掲載された。  研究グループは、デンマークにおける母親のホルモン薬避妊法の使用と子供の中枢神経系腫瘍の関連を評価する目的で、全国的なコホート研究を行った(Danish Cancer Research Foundationなどの助成を受けた)。

乳がん患者の抑うつ、適切な治療につなげるには?/JAMA

 地域の腫瘍科診療施設で治療を受けている乳がん患者において、実装科学(implementation science)に基づき日常診療で抑うつ状態のスクリーニングを行う個別化戦略は、抑うつスクリーニング指導のみの治療戦略と比較して、行動療法への紹介に結びつく患者の割合が高く、腫瘍内科の外来受診の頻度は低下することが、米国・カイザーパーマネンテ南カリフォルニア(KPSC)のErin E. Hahn氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌2022年1月4日号で報告された。  本研究は、KPSC(南カリフォルニアの450万人以上の会員に包括的な治療を提供する統合保健システム)に所属する6つの医療センターが参加した実践的なクラスター無作為化試験であり、2017年10月1日~2018年9月30日の期間に患者の登録が行われ、最終フォローアップ日は2019年3月31日であった(Regents of the University of Californiaなどの助成を受けた)。

再生不良性貧血に免疫抑制療法+エルトロンボパグが有効/NEJM

 未治療の重症再生不良性貧血患者において、エルトロンボパグと標準免疫抑制療法の併用は、血液学的奏効の得られる割合、速さ、大きさを改善し、さらなる毒性は認められなかった。フランス・パリ大学のRegis Peffault de Latour氏らが、未治療の重症再生不良性貧血患者を対象に、標準免疫抑制療法とエルトロンボパグの併用について検討した、研究者主導の無作為化非盲検第III相試験「RACE試験」の結果を報告した。重症再生不良性貧血患者を対象とした第I/II相試験において、エルトロンボパグは、ウマ抗胸腺細胞グロブリン(ATG)+シクロスポリンを含む標準免疫抑制療法の有効性を改善することが示されていた。NEJM誌2022年1月6日号掲載の報告。