腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:165

既治療NSCLCへのニボルマブ、5年生存率の結果/JCO

 免疫療法は、進行非小細胞肺がん(NSCLC)の治療に革命をもたらした。すでに、既治療の扁平上皮および非扁平上皮NSCLC患者を対象とした2つの第III相試験(CheckMate-017およびCheckMate-057)において、ニボルマブはドセタキセルと比較し、全生存(OS)期間の改善と良好な安全性を示している。米国・Fox Chase Cancer CenterのHossein Borghaei氏らは、両試験の5年間における有効性および安全性に関するプール解析を行い、ニボルマブはドセタキセルと比較して、OS延長効果が持続し、新たな安全性の懸念はなかったことを明らかにした。Journal of Clinical Oncology誌2021年3月1日号掲載の報告。

医者にかかる10箇条に見る新たな医師と患者の関わり方

 インフォームド・コンセント(IC)の場において、医師の努力もさることながら患者にも自発性を促す必要がある。ではどのような方法が有力なのだろうかー。3月12日に開催された「カルテコいきいきPHRウェブセミナー」にて、山口 育子氏(NPO法人ささえあい医療人権センター[COML]理事長)が『新・医者にかかる10箇条』について解説し、病院受診する患者が持つべき心構えや責任について語った(主催:メディカル・データ・ビジョン[MDV])。

レンバチニブ、子宮体がんに対する希少疾病用医薬品に指定/エーザイ

 エーザイは、2021年3月12日、マルチキナーゼ阻害薬レンバチニブ(商品名:レンビマ)について、子宮体がんを予定される効能又は効果として、厚生労働省から希少疾病用医薬品に指定されたと発表。  プラチナ製剤による1レジメン以上の前治療歴のある進行子宮体がんを対象に、日本、米国、欧州などで実施している第III相KEYNOTE-775試験において、レンバチニブとペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の併用は、全生存期間と無増悪生存期間の2つの主要評価項目および奏効率の副次評価項目を達成。現在、日本を含む世界各国で、本試験のデータに基づく効能・効果追加申請の準備中である。

同種HCT後の心房細動、死亡リスク増大/JCO

 同種造血幹細胞移植(HCT)後の、新規心房細動は予後不良と関連するとの知見が示された。米国・ロサンゼルス小児病院のEllen K. Chang氏らは、同種HCTに関連した転帰に対する心房細動の影響を検討する目的で後ろ向きコホート研究を行い、同種HCT後の心房細動発症は生存率の低下と関連していることを明らかにした。また、患者背景、HCT前の心臓パラメータおよびHCTに関連した曝露と、心房細動リスクとの重要な関連を特定し、HCT中およびHCT後の予防戦略についても示している。Journal of Clinical Oncology誌2021年3月10日号掲載の報告。  研究グループは、コホート内症例対照研究法を用いて、2014~16年に同種HCTを受けた487例を対象に、HCT前の心エコー測定とその後の心房細動イベントとの関連を解析した。

FGFR阻害薬ペミガチニブ、胆道がんに国内承認/インサイト

 米国インサイト・コーポレーション(以下、インサイト)は2021年3月23日、選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害薬ペミガチニブ(商品名:ペマジール)について、がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がんの治療薬として、厚生労働省による国内製造販売承認を取得したと発表。  胆管がんは、肝内胆管がんと肝外胆管がんに分類され、診断時にはすでに進行期または末期であることが多く、概して予後も不良である。FGFR2融合遺伝子または遺伝子再構成は、肝内胆管がんにほぼ限定的に発生するもので国内でまれに認められる。

本邦3剤目のCAR-T療法liso-cel、国内承認/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブとその関連会社セルジーンは、2021年3月22日、CD19を標的とするCAR-T細胞療法リソカブタゲン マラルユーセル(liso-cel、商品名:ブレヤンジ)について、再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫と再発又は難治性の濾胞性リンパ腫を対象とした再生医療等製品製造販売承認を取得した。  今回のliso-celの承認取得は、再発または難治性のB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした海外第I相臨床試験および再発または難治性のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同第II相臨床試験で得られた有効性および安全性の結果に基づいたもの。

pirtobrutinib(LOXO-305)、既治療のB細胞性悪性腫瘍に有望/Lancet

 共有結合型ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬などによる前治療歴のあるB細胞性悪性腫瘍(慢性リンパ性白血病[CLL]/小リンパ球性リンパ腫[SLL]など)の治療において、非共有結合型BTK阻害薬pirtobrutinib(LOXO-305)は、良好な安全性と耐用性を示し、全奏効率も優れることが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのAnthony R. Mato氏らが実施した「BRUIN試験」で確認された。研究の成果は、Lancet誌2021年3月6日号で報告された。共有結合型BTK阻害薬は、B細胞性悪性腫瘍に有効だが、抵抗性や不耐性のため患者は治療を継続できない。pirtobrutinib(LOXO-305)は、この問題の解決を目標に開発が進められており、経口投与が可能で、高選択性の可逆的BTK阻害薬である。

HER2陽性早期乳がんへの術後トラスツズマブ、半年 vs.1年~メタ解析

 HER2陽性早期乳がん患者における術後トラスツズマブ投与が生存転帰を改善することが示されているが、標準とされる12ヵ月の投与と比較し6ヵ月の投与が非劣性であるかについては議論がある。中国・華中科技大学同済医学院のBi-Cheng Wang氏らは術後トラスツズマブの投与期間についてメタ解析を実施。Medicine誌オンライン版2021年3月12日号にその結果が掲載された。  2020年1月14日まで、PubMed、Cochrane Library、Web of Science、およびEMBASEで関連研究が検索された。無病生存期間(DFS)と全生存期間(OS)について、プールされたハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)のメタ解析が行われた。

ROS1陽性肺がんに対するエヌトレクチニブ、統合解析の結果/JCO

 ROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるROS1‐TKIエヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)の3つの第I、II相臨床試験(ALKA-372-001、STARTRK-1、STARTRK-2)の統合分析の結果がJournal of Clinical Oncology誌に掲載された。  有効性評価集団は、局所進行または転移のあるROS1陽性NSCLCの成人患者で、CNS転移の有無にかかわらず600mg/日以上のエヌトレクチニブを投与された。複合主要評価項目は盲検化独立中央委員会評価の客観的奏効率(ORR)と奏効期間(DoR)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、頭蓋内ORR、頭蓋内DoR、頭蓋内PFS、安全性などであった。

慢性リンパ性白血病のBTK阻害薬アカラブルチニブ、国内承認/AZ

 アストラゼネカは、慢性リンパ性白血病(CLL)に対する選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬アカラブルチニブ(商品名:カルケンス)の国内承認を受け、3月11日にプレス向けのセミナーを行った。この承認は、再発または難治性CLL患者を対象に、標準化学療法とアカラブルチニブを比較した国際共同第III相試験(ASCEND)※において、アカラブルチニブの有効性と安全性が認められたことを受けたものとなる。  CLLは白血病の中で、リンパ系幹細胞が比較的時間をかけてがん化するものを指す。CLLや地域による発症頻度の差が大きく、米国では10万人あたり3.5人だがアジア諸国では少なくなり、日本においては10万人あたり0.2人(いずれも2008年調査)と比較的稀な疾患だ。CLLはB細胞性悪性腫瘍で、アカラブルチニブはB細胞に多く発現するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を標的とし、腫瘍細胞の生存と増殖を阻害する。