腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:165

PD-L1高発現NSCLC1次治療、抗PD-1抗体cemiplimab vs.化学療法(EMPOWER-Lung1)/ESMO2020

 トルコ・Baskent大学のAhmet Sezer氏は、未治療でPD-L1発現率が50%以上の進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する抗PD-1抗体cemiplimabとプラチナダブレット化学療法を比較した無作為化非盲検第III相EMPOWER-Lung1試験の2回目の中間解析の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO VIrtual Congress2020)で発表。cemiplimabは併用化学療法に比べ、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したと報告した。

EGFR陽性肺がんに対するamivantamab+lazertinibの成績(CHRYSALIS)/ESMO2020

 韓国・延世がんセンターのByoung Chul Cho氏は進行期EGFR変異陽性NSCLCに対するEGFRとMETの二重特異性抗体amivantamabと第3世代EGFR-TKIであるlazertinibの併用療法の第I相CHRYSALIS試験の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で発表。この併用療法は安全性が高く、EGFR-TKIオシメルチニブによる再発した患者にも有効であると報告した。  amivantamabはEGFRとMETを標的とする完全ヒト二重特異性抗体で、米FDAからEGFR陽性NSCLCのexon20挿入変異に対するブレークスルーセラピー指定を受けており、lazertinibは第1世代EGFR-TKIの獲得耐性であるT790Mへも有効であることが報告されている。CHRYSALIS用量漸増コホートと拡大コホートの2つから構成されている。

限局性前立腺がん、積極的初回治療がQOL低下の引き金に/BMJ

 限局性前立腺がんに対して、積極的な初回治療を受けた患者は前立腺がんの診断を受けていない男性に比べ、概して自己申告QOLが長期にわたり低下しており、根治的前立腺摘出術を受けた男性はとくに性機能のアウトカムが不良であった。オーストラリア・Cancer Council New South WalesのCarolyn G. Mazariego氏らが、同国で最も人口の多いニューサウスウェールズ州で実施された大規模前向きコホート研究「New South Wales Prostate Cancer Care and Outcomes Study:PCOS」の解析結果を報告した。限局性前立腺がんは、過去20年にわたって診断後の生存率が増加してきているが、治療に関連した長期的なQOLアウトカムに関する研究はほとんどなかった。著者は、「医師および患者は、治療法を決定する際にこれら長期的なQOLのアウトカムを考慮する必要がある」とまとめている。BMJ誌2020年10月7日号掲載の報告。

HER2+進行乳がんへのT-DXd、第I相/第II相試験の併合解析と日本人解析/日本乳癌学会

 抗体薬物複合体であるトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd、DS-8201)のFirst-in-human第I相試験であるJ101試験および非盲検国際多施設共同第II相試験であるDESTINY-Breast01試験において、承認用量で投与されたHER2陽性乳がん患者での併合解析と日本人集団におけるサブセット解析を行った結果、奏効率(ORR)は全体で58.3%、日本人集団で64.7%と日本人で高い一方、血液毒性の頻度が日本人で高い傾向であったことが示された。島根大学医学部附属病院 先端がん治療センターの田村 研治氏が第28回日本乳癌学会学術総会で発表した。  第I相J101試験でのORRは59.5%(95%CI:49.7~68.7)、第II相DESTINY-Breast01試験では60.9%(同:53.4~68.0)と高い値が報告されている。今回、これらの試験において、HER2陽性進行乳がん(T-DM1に抵抗性あるいは耐容不可)で承認用量(5.4 mg/kg、3週ごと)を投与された患者の併合解析を行い、さらに日本人集団におけるサブセット解析を実施した。

非小細胞肺がん、デュルバルマブ術前補助療法の成績/ESMO2020

 早期非小細胞肺がん(NSCLC)における免疫チェックポイント阻害薬の術前補助療法は、すでに幾つかの試験で検討され、有望な結果が得られている。欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)では、デュルバルマブの術前補助療法を評価する第II相多施設共同治試験(IFCT-1601 IONESCO)の中間解析の結果を、フランス・Cochin病院のMarie Wislez氏が発表した。

アバター活用など、がんチーム医療教育に新たな取り組み/J-TOP

 一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクトによるジャパンチームオンコロジープログラム (J-TOP) は、The 4th Team Science Oncology Workshopとして、従来3日間で行ってきたオンサイト・ワークショップを、オンラインに変更し、Part 1からPart 3までの3つの期間に分けて実施する。  がん医療で、専門分野に加え必要なスキル、リーダーとして求められる資質、患者満足度の高い医療を提供するためのチームの有機的な動き、などを学ぶ。

非転移性去勢抵抗性前立腺がんでダロルタミドは転移無再発期間を延長(解説:宮嶋哲氏)-1297

ダロルタミドは独自の化学構造を持つアンドロゲン受容体阻害薬であり、非転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として承認されている。本報告は、二重盲検プラセボ対照試験で1,509例を、アンドロゲン除去療法を継続しながらダロルタミドを投与する群(955例)とプラセボ投与群(554例)に2:1の割合で無作為に割り付けるARAMIS試験の主要解析に注目している。第III相試験で計画されていた主要解析では転移無再発期間中央値がダロルタミド群で40.4ヵ月とプラセボ群(18.4ヵ月)よりも有意に延長していた。主要評価項目の結果が肯定的であることが判明した後、治療割り付けの盲検を解除し、プラセボ群からダロルタミドの非盲検投与へのクロスオーバーを許可している。最終解析は約240例が死亡した後に行うこととし、その時点で全生存期間とその他の副次評価項目を評価した。

第11回日本製薬医学会年次大会開催のご案内(現地/web併催)

 一般財団法人日本製薬医学会は、2020年10月30日(金)、31日(土)に東京・日本橋ライフサイエンスビルでの開催を予定していた『第11回日本製薬医学会年次大会』を現地開催及びWeb開催の併催へと変更した。Webで参加する場合、参加登録者は会期中に全セッションを随時視聴可能である。また、後日、全参加者を対象としたWeb配信も予定されている[2020年11月14日(土)~11月23日(月)]。  開催概要は以下のとおり。 【日時】 2020年10月30日(金)~31日(土) 【参加条件】 ・登録方法:オンライン参加登録(10月31日まで。10月19日17時までは早期割引あり)

胃、食道胃接合部、食道腺がん1次治療におけるニボルマブ+化学療法の成績(CheckMate-649試験)/ESMO2020

 ドイツ・Johannes-Gutenberg大学のMarkus Moehler氏は、HER2陰性の未治療の転移を有する胃、食道胃接合部、食道腺がん患者を対象としたニボルマブ・化学療法併用(NIVO+Chemo群)、ニボルマブ+イピリムマブ併用(NIVO+IPI群)と、化学療法(Chemo群)を比較した無作為化非盲検第III相臨床CheckMate-649試験での、ニボルマブ併用群と化学療法群との比較結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress2020)で発表。Combined positive score(CPS)5以上のPD-L1陽性患者では、ニボルマブと化学療法併用が化学療法単独と比較して無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の統計学的に有意な延長を認めたと報告した。

PD-L1陽性NSCLC、アテゾリズマブへのベバシズマブ上乗せ効果は?(WJOG@Be)/ESMO2020

 抗PD-1/L1抗体の単剤治療は、高PD-L1発現非小細胞肺がん(NSCLC)における生命予後の改善を示す。一方、抗VEGF抗体ベバジズマブは、前臨床において抗PD-1/L1抗体の活性を強化することが報告されている。九州がんセンター 呼吸器腫瘍科の瀬戸 貴司氏は、未治療のPD-L1高発現NSCLCに対する抗PD-L1抗体アテゾリズマブとベバシズマブの併用療法に関する非盲検単群第II相WJOG@Be試験の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で発表。同併用療法が高い奏効率を示し、Grade4以上の有害事象はなかったと報告した。