腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:239

EGFR変異肺がん1次治療におけるエルロチニブ+ベバシズマブの効果(NEJ026)/Lancet Oncol

 StageIVのEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)ではEGFR-TKIが標準療法であるが、1年程度で半数に耐性が起こる。そのため、さまざまな併用療法が試みられている。NEJ026はASCO2018で発表されたEGFR変異陽性NSCLCの1次治療に対するエルロチニブとベバシズマブの併用をエルロチニブ単剤と比較した第III相試験であるが、その中間解析の結果がLancet Oncology誌2019年4月8日号で発表された。

がん患者の深部静脈血栓症、再発率は2倍以上/日本循環器学会

 がんは深部静脈血栓症(VTE)の強力なリスク因子である。がん患者のVTE発症頻度は非がん患者に比べ高く、その発症率は近年増加している。しかし、がん関連VTEに関する研究は十分ではなく、適切な管理については明らかになっていない。天理よろづ相談所病院 循環器内科 坂本二郎氏らは、がん関連VTEの臨床的な特徴、管理、臨床的転帰をリアルワールドで評価する多施設後ろ向きコホート研究COMMAND-VTEレジストリを行い、その結果を第83回日本循環器学会学術集会で発表した。

がん患者の食欲不振にnabiloneが有効?

 カンナビノイドに由来する薬剤(nabiloneなど)は近年、食欲不振の改善効果があることが認められたが、がん患者の食欲不振の改善にも有効なのか。メキシコ・国立がん研究所のJenny G. Turcott氏らは、肺がん患者を対象にnabiloneの有効性を検討する、無作為化二重盲検プラセボ対照第II相臨床試験を行い、「nabiloneは食欲不振のがん患者に対する支持療法の選択肢となりうる」ことを示した。「肺がん患者における有効性を結論付けるために、さらなる大規模臨床試験を行う必要がある」とまとめている。

がん終末期は減薬を/Cancer

 がん終末期における予防薬の投与はいつまで行われているのか。スウェーデン・カロリンスカ研究所のLucas Morin氏らは、高齢の進行がん患者における降圧薬、抗血小板薬、抗凝固薬、スタチン、経口糖尿病薬などの予防薬の継続について調査を行い、これらは死亡前1年間においても処方され、しばしば最後の数週間まで続けられていたことを明らかにした。著者は、「終末期の患者において、予防薬が臨床的有用性を達成する可能性は低い。

コーヒーは5杯未満が有益?日本人の死亡率への影響

 これまでのコホート研究で、コ―ヒー摂取によるがん、心疾患、呼吸器疾患などへの良い影響が示唆されている。今回、国立がん研究センターによる「科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」で、コーヒー摂取による日本人の全死因および死因別死亡リスクへの影響について、日本の8つのコホート研究(Japan cohort consortium)のプール解析を行った。その結果、コーヒー1日5杯未満の摂取で全死因死亡や主な死因による死亡リスクが低下する可能性が示唆された。Preventive Medicine誌オンライン版2019年4月2日号に掲載。

S-1+ドセタキセルが、胃がんアジュバントのスタンダードに(JACCRO GC-07)/JCO

 Stage II/IIIの治癒切除胃がんに対する標準治療として、本邦ではS-1による術後補助化学療法が用いられる。一方、ドセタキセルは標準化学療法との併用で、進行期および周術期における生存ベネフィットが証明されている。Stage III胃がん患者に対するS-1+ドセタキセル併用療法とS-1単独療法を比較した無作為化第III相比較試験JACCRO GC-07(START-2)の中間解析の結果がJournal of Clinical Oncology誌2019年3月29日号で発表された。GC-07試験は1,100例の登録が計画されていたが、第2回中間解析において、効果安全性評価委員会より有効中止が勧告されていた。

PD-L1陽性肺がん1次治療におけるペムブロリズマブ単剤の効果(KEYNOTE-042)/Lancet

 米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表された、PD-L1発現1%以上の進行または転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対するペムブロリズマブ単剤の1次治療を評価する第III相試験KEYNOTE-042試験の結果が、Lancet誌オンライン版2019年4月4日号に掲載された。  KEYNOTE-042は32ヵ国、213施設で行われたオープンラベル第III相試験。

日本人における糖尿病とがんリスクを検証~JPHC研究

 日本人集団における糖尿病とがんリスクについて、多目的コホート研究(JPHC研究)での前向きメンデルランダム化解析により、これらの関連を裏付ける強いエビデンスは見いだされなかったことを、国立がん研究センターの後藤 温氏らが報告した。従来の回帰モデルを用いたコホート研究では、2型糖尿病患者のがんリスク増加が一貫して示されていた。しかし、因果の逆転や糖尿病とがんに共通する危険因子による残余交絡が存在する可能性があり、糖尿病そのものががん発症に寄与しているかどうかは不明であった。International Journal of Cancer誌オンライン版2019年3月30日号に掲載。

「心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)」発表/日本循環器学会

 「心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)」が、2019年3月29日に発表された。本ガイドラインは「肥大型心筋症の診療に関するガイドライン(2012年改訂版)」および2011年発表の「拡張型心筋症ならびに関連する二次性心筋症の診療に関するガイドライン」の統合・改訂版。第83回日本循環器学会学術集会(3月29~31日、横浜)において、心筋症診療ガイドライン作成の合同研究班班長を務めた北岡 裕章氏(高知大学医学部 老年病・循環器内科学)が、その内容について講演した。

ラムシルマブ+エルロチニブ、EGFR陽性NSCLCの1次治療で主要評価項目を達成/リリー

 イーライリリーアンドカンパニーは、2019年3月12日、ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)の第III相試験(RELAY)で、サイラムザ+エルロチニブ併用療法がプラセボ+エルロチニブの併用に比べ、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に延長したことを発表。本試験は、転移のあるEGFR変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)  患者の1次治療で、サイラムザ+エルロチニブの併用療法をプラセボ+エルロチニブの併用と比較している。