腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:260

日本人は身長が高いと脳血管死亡リスク低い~JPHC研究

 成人の身長と死亡リスクの関連が以前の研究で示唆されているが、日本人における身長と全死因死亡率・疾患別死亡率との包括的な関連は不明である。今回、わが国の前向きコホート研究(JPHC研究)で評価したところ、成人での身長が高いと、男女共に脳血管疾患死亡リスクが低く、逆に男性のがん死亡リスクが高いことが示唆された。PLOS ONE誌2018年5月14日号に掲載。

エピシルが化学療法や放射線療法の口内炎の口腔内疼痛を緩和/Meiji Seikaファルマ

 Meiji Seikaファルマ株式会社は2018年5月16日、局所管理ハイドロゲル創傷被覆・保護材エピシル口腔用液(以下、エピシル)の販売を開始した。  エピシルは口腔内病変の被覆および保護を目的とする非吸収性の液状機器。口腔粘膜にエピシル適量を適用すると数分以内に口腔粘膜の水分を吸収してゲル状になり、物理的バリアを形成することにより、化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛を管理および緩和する。

感染症による慢性炎症で前立腺がんリスク増加?

 前立腺炎が、慢性炎症によって前立腺がんリスクを増加させる可能性が疫学研究から示唆されている。今回、フランス国立保健医学研究機構(Inserm)のSolene Doat氏らがEPICAP研究のデータで検討したところ、慢性前立腺炎・急性腎盂腎炎の既往のある男性、NSAIDを使用していない男性で、前立腺がん発症のオッズ比がとくに高かった。この結果から、泌尿生殖器感染症により生じた慢性炎症が前立腺がん発症に関与するという仮説が補強された。International Journal of Cancer誌オンライン版2018年4月26日号に掲載。

高リスク悪性黒色腫の術後補助療法でのペムブロリズマブ:第III相試験/NEJM

 再発リスクが高いStageIIIの悪性黒色腫に対する術後補助療法において、ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと、最長1年間)はプラセボと比較して無再発生存期間(RFS)を有意に延長し、新たな毒性はないことが認められた。フランス・サクレー大学のAlexander M. M. Eggermont氏らが、術後補助療法としてペムブロリズマブの有効性および安全性を評価した無作為化二重盲検第III相試験「EORTC 1325/KEYNOTE-054試験」の結果を報告した。ペムブロリズマブは、進行悪性黒色腫患者の無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を延長することが、これまでの研究で確認されていた。NEJM誌オンライン版2018年4月15日号掲載の報告。

早期NSCLC、ニボルマブによる術前免疫療法が有望/NEJM

 切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)の治療法には、過去10年間、ほとんど進展がないという。米国ジョンズ・ホプキンス大学のPatrick M. Forde氏らは、ニボルマブによる術前補助療法は副作用が少なく、計画された手術を遅延させず、切除腫瘍の45%に病理学的奏効をもたらしたとの研究結果を、NEJM誌オンライン版2018年4月16日号で報告した。早期肺がん患者では、PD-1経路の遮断により、宿主免疫の適合能が増大し、腫瘍のクローン不均一性が減弱するため、抗腫瘍効果が増強する可能性がある。また、原発巣は、腫瘍特異的T細胞の増殖と活性化、および微小環境の全身的な監視の抗原源として活用される可能性があるため、術前免疫療法は興味深いアプローチとされる。

国内初となるCAR-T細胞医療CTL019を承認申請/ノバルティス

 ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:綱場 一成)は、2018年4月23日、2つの適応について、キメラ抗原受容体T細胞医療(CAR-T細胞医療)であるCTL019(国際一般名:tisagenlecleucel)の再生医療等製品製造販売承認申請を行った。今回の申請は、小児を含む25歳以下のCD19陽性再発又は難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)、および成人のCD19陽性再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を対象としている。本申請は日本国内における初めてのCAR-T細胞医療の製造販売承認申請となる。

NSCLC 1次治療、ペムブロリズマブ併用でOS延長:第III相試験/NEJM

 EGFR/ALK変異のない転移を有する非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の未治療患者に対し、ペメトレキセド+プラチナ製剤ベースの標準化学療法にペムブロリズマブを追加することで、化学療法単独よりも、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)が有意に延長したことが示された。米国・ニューヨーク大学のLeena Gandhi氏らが、616例の患者を対象に行った第III相二重盲検無作為化試験の結果で、NEJM誌2018年4月16日号で発表した。変異を伴わない進行NSCLC治療の第1選択は、プラチナ製剤ベースの化学療法である。免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブは第2選択薬として承認されているが、PD-L1の発現が50%以上の患者では、化学療法に代わって第1選択とすることが認められている。化学療法へのペムブロリズマブの追加について第II相試験では、化学療法単独よりも有意に高い奏効率と、PFSの有意な延長が認められていた。

オラパリブ、BRCA変異陽性乳がんにおける全生存期間の最新データを発表/AACR2018

 アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ)およびメルク・アンド・カンパニー(本社:米国ニュージャージー州ケニルワース)は、2018年4月15日、米国がん研究会議年次集会(AACR2018)において、転移を有する乳がんにおけるオラパリブ(商品名:リムパーザ)の最終全生存期間(OS)の結果を示す第III相OlympiAD試験のデータを発表した。