腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:311

ソラフェニブ治療後の肝細胞がん、レゴラフェニブで生存延長/Lancet

 ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)治療後に病勢進行がみられた原発性肝細胞がんに対し、レゴラフェニブ(同:スチバーガ)の投与により、全生存期間が有意に延長したことが示された。無増悪生存期間や病勢進行までの期間についても、レゴラフェニブによる改善が認められた。スペイン・バルセロナ大学のJordi Bruix氏らが行った、第III相の無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で、Lancet誌オンライン版2016年12月5日号で発表した。

1日1本未満の喫煙でも肺がん死亡リスクが9倍

 米国では10本/日未満の喫煙者が増加しているが、生涯にわたる1日数本程度の喫煙による健康への影響は、ヘビースモーキングによる影響に比べてよくわかっていない。米国国立がん研究所のMaki Inoue-Choi氏らは、1本/日未満もしくは1~10本/日での長期喫煙と全死因死亡率・原因別死亡率との関連について、非喫煙と比較し評価した。その結果、1本/日未満や1~10本/日での長期喫煙者は非喫煙者より死亡リスクが高いこと、禁煙によるベネフィットがある可能性が示された。このことから、タバコの煙への曝露には安全というレベルはないことが示唆される。JAMA internal medicine誌オンライン版2016年12月5日号に掲載。

HR陽性乳がんへのフルベストラント、PFSを有意に延長/Lancet

 ホルモン受容体(HR)陽性局所進行または転移乳がんに対し、フルベストラント(商品名:フェソロデックス)500mg投与はアナストロゾール1mg投与に対し、無増悪生存(PFS)を有意に延長し、有効性について優越性を示したことが、英国・ノッティンガム大学のJohn F R Robertson氏らによる第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検試験FALCONの結果、報告された。HR陽性局所進行または転移乳がんは、アロマターゼ阻害薬が標準治療とされている。研究グループは、ホルモン療法既往のない閉経後患者を対象に、選択的エストロゲン受容体抑制薬のフルベストラントが、標準治療のアロマターゼ阻害薬と比べてPFSを改善するかを検討した。Lancet誌オンライン版2016年11月28日号掲載の報告。

オシメルチニブ、T790M変異陽性NSCLCのPFSを6ヵ月延長:AURA3 試験

 AstraZeneca(米国)は2016年12月6日、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が、EGFR T790M変異陽性転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の新たな標準的2次治療としての可能性を支持するAURA3試験のデータを発表した。このオシメルチニブ初の無作為化第III相試験では、オシメルチニブが、プラチナ・ダブレット化学療法と比較して無増悪生存期間(PFS)を5.7ヵ月改善したことを示した。この結果は、ウィーンで開催された第17回世界肺癌学会議(WCLC)で発表され、New England Journal of Medicine誌オンライン版に掲載された。

9価HPVワクチン、9~14歳への2回接種は男女とも有効/JAMA

 9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(メルク社製)の免疫原性について、9~14歳の男女児への2回投与(6または12ヵ月間隔で)は16~26歳の若年女性への3回投与(6ヵ月間で)に対し非劣性であることが、ノルウェー・ベルゲン大学のOle-Erik Iversen氏らによる非盲検非劣性免疫原性比較試験の結果、報告された。HPV感染は性器・肛門がん、疣贅を引き起こす。9価HPVワクチンは、子宮頸がんの90%に関与する高リスクの7つの型、および疣贅の90%に関与する2つの型のHPVに予防効果を示し、従来の2価および4価のHPVワクチンよりもカバー範囲が広い。JAMA誌オンライン版2016年11月21日号掲載の報告。

緩和ケアの患者・介護者それぞれへの効果は?/JAMA

 末期患者への緩和ケアは、患者QOLや症状負担を改善する可能性があるが、介護者の転帰への効果は明確ではないことが、米国・ピッツバーグ大学のDio Kavalieratos氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2016年11月22・29日号に掲載された。重篤な病態の患者のQOL改善は国際的な優先事項とされ、緩和ケアの焦点は、QOLの改善と、患者および家族の苦痛の軽減に置かれている。米国では、65%以上の病院が緩和ケアの入院プログラムを持ち、地域および外来ベースの緩和ケア提供モデルも増加しているが、実際の効果はよく知られていないという。