腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:314

オメガ3脂肪酸、心血管疾患・がんの1次予防効果なし?/NEJM

 n-3脂肪酸サプリメントはプラセボとの比較において、主要心血管イベントやがん発症の低下に結びつかないことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のJoAnn E. Manson氏らによる無作為化二重盲検プラセボ対照試験「VITAL試験」の結果、示された。魚介類に含まれるn-3(オメガ3とも呼ぶ)脂肪酸は、心血管疾患やがんリスクを抑制することが、いくつかの観察試験で示されている。しかし、これらリスクが通常の一般集団において、n-3脂肪酸サプリメントにそのような効果があるのかは明らかではなかった。NEJM誌オンライン版2018年11月10日号掲載の報告。

フルベストラント+パルボシクリブはOSも延長しうる(解説:矢形寛氏)-963

フルベストラント+パルボシクリブがフルベストラント単独に比べPFSを延長することはすでに示されている。今回は最終結果ではなく、生存者が40%になったところでの解析である。OSにおいて統計学的有意性はないものの、6.9ヵ月の絶対差が認められた。あらかじめ計画されたサブグループ解析では、過去に内分泌療法の感受性があった患者で、OSに10.0ヵ月の実質的な差がみられた。 本研究における主要評価項目はPFSであり、症例数もPFSを基準として設定しているため、副次評価項目であるOSをみるには絶対数が少ない。しかし、大規模な症例数での臨床試験は困難であり、PFSの有意性をみつつ、少ない症例数からのOSへの影響をみていく必要がある。臨床的感覚でも過去の内分泌療法薬に感受性があった患者での効果はより大きく、その点でも本結果はリーズナブルと思われる。より長期的な観察での生存率への影響をみたい。

新たな免疫CP阻害薬《私を食べて》-さまざまながん腫に対する有用性を示唆(解説:大田雅嗣 氏)-961

NEJM誌11月1日号に「CD47 Blockade by Hu5F9-G4 and Rituximab in Non-Hodgkin’s Lymphoma.」のタイトルで論文が掲載された。スタンフォード大学のWeissmanらのグループの長年にわたる基礎研究が実を結び治療薬として脚光を浴びることとなった。CD47(インテグリン関連蛋白)はマクロファージ、樹状細胞などが介するphagocytosisの調節機能を担う蛋白で種々の細胞表面に発現している。CD47は免疫担当細胞の細胞表面膜の受容体の1つであるSIRPα(signal regulating protein α)のリガンドでもあり、双方の結合によりphagocytosisを抑制する“do not eat me”シグナルを伝達することが判明しており、腫瘍細胞は免疫担当細胞による捕食から身を守るシステムを有している。

アテゾリズマブ+CBDCA+nab-PTX、進行肺がん1次治療でPD-L1発現によらずPFS延長(IMpower130)/ESMO2018

 StageIV非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療におけるカルボプラチンとnab-パクリタキセルの併用療法へのPD-L1阻害薬アテゾリズマブの上乗せ効果を検討した第III相IMpower130試験の結果、アテゾリズマブ併用群でPD-L1発現状態にかかわらず、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことが発表された。ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で、AUSL della Romagna-RavennaのFederico Cappuzzo氏が発表した。

ALK陽性肺がんに、第3世代ALK-TKIロルラチニブ発売/ファイザー

 ファイザー株式会社は、2018年11月20日、「ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の効能・効果で、ロルラチニブ(商品名:ローブレナ錠25mg、同100mg)を発売した。  ALK陽性肺がん治療は2012年のザーコリの発売以降、合計3剤のALK阻害剤が上市され、治療選択肢が広がっている。一方で、遺伝子の耐性変異により既存薬で効果が得られなくなるといった治療上の課題が存在していた。

capmatinib、MET変異NSCLCに良好な結果(GEOMETRY mono-1)/ESMO2018

METエクソン14スキッピング変異は非小細胞肺がん(NSCLC)の約3〜4%に同定される。この変異はドライバー遺伝子と考えられている。また、深刻な予後不良因子であり、標準治療にも免疫治療にも奏効しにくい。MET阻害薬capmatinib(INC280)は、MET受容体に高い親和性を持つTKIで、最も強力なMETエクソン14スキッピング阻害薬であり、単独およびEGFR-TKIとの併用でMET変異NSCLCに対し、有効性と管理可能な安全性プロファイルを示している。

ペムブロリズマブ、単剤と化療併用で頭頸部扁平上皮がん1次治療のOS改善(KEYNOTE-048)/ESMO2018

 再発または転移性の頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)治療では、プラチナ製剤による化学療法後の2次治療として、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ、ニボルマブの有効性が確認されており、本邦ではニボルマブが2017年3月に適応を取得している。ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で、HNSCCの1次治療におけるペムブロリズマブ単剤および、化学療法との併用療法が、抗EGFR抗体セツキシマブと化学療法の併用療法と比較して全生存期間(OS)を改善することが明らかになった。イェールがんセンターのBarbara Burtness氏が発表した第III相KEYNOTE-048試験の中間解析結果より。

マクロファージ免疫CP阻害薬、再発・難治性リンパ腫に有望/NEJM

 中悪性度および低悪性度のリンパ腫の治療において、マクロファージ免疫チェックポイント阻害薬Hu5F9-G4(以下、5F9)は、リツキシマブとの併用で有望な抗腫瘍活性をもたらし、臨床的に安全に投与できることが、米国と英国の共同研究で示された。米国・スタンフォード大学のRanjana Advani氏らが、NEJM誌2018年11月1日号で報告した。5F9は、マクロファージ活性化抗CD47抗体であり、腫瘍細胞の貪食を誘導する。CD47は、ほぼすべてのがんで過剰発現している抗貪食作用(“do not eat me [私を食べないで]”)シグナルであり、マクロファージなどの食細胞からの免疫回避を引き起こす。5F9は、リツキシマブと相乗的に作用してマクロファージが介在する抗体依存性の細胞貪食を増強し、B細胞非ホジキンリンパ腫細胞を除去するとされる。

IV期扁平上皮がんへの免疫療法+化学療法併用について(解説:小林英夫氏)-950

肺がんの組織型は非小細胞がんが多くを占め、とりわけ扁平上皮がんと腺がんが中心となっている。1980年代までは扁平上皮がん、なかでも肺門型(中枢型)の扁平上皮がんが多かったが、その後徐々に腺がんが多数となり、扁平上皮がんを診療する機会が減少していた。ところが近年になり、以前の肺門型扁平上皮がんではなく、肺野末梢に発生する扁平上皮がんを経験する機会が増加してきている。なぜ再増加しているのか理由は定かではない。また、切除不能であるIV期の非小細胞肺がんの治療面では、2000年代以降になり遺伝子変異陽性の腺がんに対しチロシンキナーゼ阻害薬などの分子標的治療薬が急速に普及し、腺がんの標準治療は大きく変化してきた。一方で、IV期扁平上皮がん治療に有効な分子標的薬は導入できておらず、細胞障害性抗腫瘍薬または免疫チェックポイント阻害薬が現時点における治療の主役だが、まだまだ十分な効果は得られていない状況にある。