腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:318

転移性脳腫瘍に対するSRSは、SRS+WBRTに比べて認知機能障害が少ない(解説:中川原 譲二 氏)-584

 全脳照射は、定位放射線照射後の腫瘍コントロールを改善するが、認知機能障害を合併するため、転移性脳腫瘍治療におけるその役割については、論争がある。1~3個の転移性脳腫瘍を有するがん患者では、SRS単独はSRS+WBRTに比べ認知機能の悪化割合が低いことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのPaul D Brown氏らの無作為化臨床試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2016年7月26日号に掲載された。

男性型脱毛症の人は皮膚がんを発症しやすい?

 米国・ブラウン大学のWen-Qing Li氏らの前向き研究で、男性型脱毛症が、浸潤性悪性黒色腫・浸潤性有棘細胞がん(SCC)・基底細胞がん(BCC)の発症リスクの増加に関連する可能性が示唆された。ただし、この関連は頭頸部、とくに頭皮で発症する皮膚がんに限られるようだ。International journal of cancer誌オンライン版2016年8月20日号に掲載。

ラムシルマブは肺がん治療に新たな可能性をもたらすか?

 2016年8月4日、イーライリリー主催のプレスセミナー「肺がんに新たな治療選択肢『サイラムザ』登場」が開催された。そのなかで、神奈川県立がんセンター 呼吸器内科医長の加藤 晃史氏は「進行・再発非小細胞肺がん治療におけるサイラムザの位置づけ」と題し、ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)の肺がんに対する新たな知見を紹介した。

子宮頸部上皮内腫瘍の治療が産科アウトカムに及ぼす影響/BMJ

 子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)に対する治療は、早産などの産科アウトカムを悪化させる可能性があることが、英国・インペリアルカレッジのMaria Kyrgiou氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌オンライン版2016年7月28日号に掲載された。子宮頸部の局所治療は早産や周産期合併症、死亡のリスクを増加させるが、円錐切除術の深さとの関連の可能性が示唆されている。治療が早産のリスクに及ぼす影響の検討結果には乖離が存在し、交絡因子としてCINが関与している可能性があるという。

第1回 日本がんサポーティブケア学会学術集会【開催のご案内】

 一般社団法人 日本がんサポーティブケア学会は、2016年9月3日(土)~4日(日)に「第1回 日本がんサポーティブケア学会学術集会」を開催する。テーマは「副作用を制するものはがん治療を制する 医はいたわりの心から始まる~学と術と道~」。多職種・多領域の参加者のもと、がん治療の副作用マネジメントのみならず、原病や治療の合併症、後遺症、サイコオンコロジー、リハビリテーション、がんサバイバー・就労支援など、多方面にわたる演題が発表される予定となっている。

Amazonレビューから日焼け止め製品の人気と購入傾向を調査

 日焼け止め製品は、皮膚がんリスクの低下、日焼け回避、光老化の緩和、また光線過敏症の治療に役立つ。米国・ノースウェスタン大学のShuai Xu氏らは、皮膚科医が適切な日焼け予防を指導するのに役立つ情報を提供するため、Amazon通販サイトの情報を解析し、消費者の購入傾向、人気の製品の特色などを調べた。

高齢がん患者、認知機能障害だと2年死亡率が6倍

 高齢がん患者でがん治療開始時に認知機能障害であった場合、生存率にはどのくらい影響するのだろうか。ベルギー・ブリュッセル自由大学のYves Libert氏らは、縦断的な2年間の追跡調査により、認知機能障害のある高齢患者はそうでない患者に比べ、がん治療開始後の2年間で死亡するリスクが6倍であったことを報告した。著者らは、高齢患者の罹患率と死亡率を減らすための介入ができるように、がん治療開始時に認知機能障害についてスクリーニングすべきとしている。PLOS ONE誌2016年8月1日号に掲載。

前立腺全摘除術、ロボット支援腹腔鏡 vs.開腹手術/Lancet

 ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術vs.開腹恥骨後式前立腺全摘除術のアウトカムを直接比較する第III相無作為化試験の術後早期12週時点の結果が発表された。オーストラリア・Royal Brisbane & Women's Hospital(RBWH)のJohn W Yaxley氏らによる検討で、機能的アウトカムについて有意差はみられなかったという。著者は、さらなる長期追跡が必要であるとしたうえで、「中間解析の時点では、患者は手術アプローチではなく、信頼を寄せている気心が通じた経験豊かな執刀医の選択を優先することを推奨する」と述べている。これまで両手術アプローチを比較した試験のデータはなかった。Lancet誌オンライン版2016年7月26日号掲載の報告。