整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:5

eplontersen、遺伝性ATTRvアミロイドーシスに有効/JAMA

 ポリニューロパチーを伴う遺伝性トランスサイレチン型(ATTRv)アミロイドーシス患者の治療において、アンチセンスオリゴヌクレオチドであるeplontersenはプラセボと比較して、血清トランスサイレチン濃度を有意に低下させ、ニューロパチーによる機能障害を軽減し、良好なQOLをもたらすことが、ポルトガル・Centro Hospitalar Universitario de Santo AntonioのTeresa Coelho氏らが実施した「NEURO-TTRansform試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2023年9月28日号で報告された。   NEURO-TTRansform試験は、過去の臨床試験のプラセボ群(historical placebo)との比較を行う非盲検単群第III相試験であり、2019年12月~2021年6月に日本を含む15ヵ国40施設で患者のスクリーニングを実施した(米国・Ionis Pharmaceuticalsの助成を受けた)。

糖尿病患者の下肢切断に関連する因子を特定

 糖尿病と新規診断された患者では、喫煙や身体活動量の少なさに加えて、高齢、男性、離婚などが下肢切断(lower-limb amputation;LLA)の潜在的リスク因子である可能性が明らかになった。オレブロ大学(スウェーデン)のStefan Jansson氏らが行った研究の結果であり、詳細は欧州糖尿病学会年次総会(EASD2023、10月2~6日、ドイツ・ハンブルク)で発表される予定。  糖尿病患者はLLAリスクが高いことが知られているが、そのリスク因子は十分に明らかになっているとは言えない。これには、LLAが糖尿病の主徴である高血糖だけでなく、合併症である血管障害、神経障害、易感染や、年齢、罹病期間、喫煙習慣、居住環境(同居者の有無)、医療環境など、さまざまな因子が関与して発症・進行することが一因として挙げられる。これを背景としてJansson氏らは、検討対象を糖尿病と新たに診断された集団に絞り込み、人口統計学的因子、社会経済的因子、生活習慣関連因子、および医療介入時の臨床評価指標を考慮して、LLAリスクを検討した。

アセトアミノフェンの処方拡大へ、心不全などの禁忌解除で添付文書改訂/厚労省

 アセトアミノフェン含有製剤の添付文書について、2023年10月12日、厚生労働省が改訂を指示し、「重篤な腎障害のある患者」「重篤な心機能不全のある患者」「消化性潰瘍のある患者」「重篤な血液の異常のある患者」及び「アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者」の5集団に対する禁忌解除を行った。添付文書における禁忌への記載が、成書やガイドラインで推奨される適切な薬物治療の妨げになっていたことから、今年3月に日本運動器疼痛学会が禁忌解除の要望を厚生労働省に提出していた。

ステロイド漸減中再発のリウマチ性多発筋痛症、サリルマブが有効/NEJM

 グルココルチコイド漸減中にリウマチ性多発筋痛症が再発した患者において、サリルマブ+prednisone漸減投与は、プラセボ+predonison漸減投与に比べ、持続的寛解の達成とグルココルチコイド累積投与量の減少に有意な有効性を示した。米国・コーネル大学のRobert F. Spiera氏らが、合計118例を対象に行った第III相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験「Sarilumab in Patients with Polymyalgia Rheumatica (SAPHYR)試験」の結果を報告した。リウマチ性多発筋痛症の患者の半数以上が、グルココルチコイド漸減中に再発する。先行研究では、インターロイキン(IL)-6の阻害がリウマチ性多発筋痛症の治療で臨床的に有用である可能性が示されていた。

20代より身長4cm以上低下、椎体骨折を疑う/日本整形外科学会

 日本整形外科学会(日整会)は、10月8日の「骨と関節の日」にちなみメディア向けセミナーを都内で開催した。「骨と関節の日」は、ホネのホは十と八に分かれること、「体育の日」に近く、骨の健康にふさわしい季節であることから1994年に日整会が制定し、全国で記念日に関連してさまざまなイベントなどが開催されている。  セミナーでは、日整会の今後の取り組みや骨粗鬆症による椎体骨折についての講演などが行われた。  はじめに同学会理事長の中島 康晴氏(九州大学整形外科 教授)が、学会活動の概要と今後の展望を説明した。

手術を頼むなら女性外科医、男性外科医?

 外科領域はいまだに男性中心の世界であるが、患者が手術後に長期にわたる良好な転帰を得たいのなら、女性外科医に執刀してもらうことが鍵であることを示唆する2件の研究結果が報告された。両研究とも、「JAMA Surgery」に8月30日掲載された。  1件目の研究は、トロント大学(カナダ)外科学分野のChristopher Wallis氏らが、2007年1月1日から2019年12月31日の間にカナダのオンタリオ州で実施された25種類の一般的な待機的手術または緊急手術を受けた成人患者116万5,711人を対象に、外科医の性別と術後90日および1年後の転帰(死亡、再入院、合併症の発生)との関連を検討したもの。

数字が小さな背番号はアメフト選手を細く見せる?

 アメリカンフットボール(以下、アメフト)のワイドレシーバーの多くは、ユニフォームの背番号の数字は大きいより小さい方がスリムで俊足に見えると信じているが、これはあながち間違いではないようだ。2つの実験において、選手の画像を見せられた実験参加者は、たとえ体のサイズが同じであっても、一貫して背番号10〜19番のユニフォームを着ているアメフト選手の方が、背番号80〜89番のユニフォームを着ている選手よりも細く見えると評価することが示された。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)心理学分野のLadan Shams氏らによるこの研究結果は、「PLOS ONE」に9月7日掲載された。

手首の骨折の実態が明らかに―好発年齢は性別により顕著な差

 手首の骨折〔橈骨遠位端骨折(DRF)〕の国内での発生状況などの詳細が明らかになった。自治医科大学整形外科の安藤治朗氏、同大学地域医療学センター公衆衛生学部門の阿江竜介氏、石橋総合病院整形外科の高橋恒存氏らの研究によるもので、詳細は「BMC Musculoskeletal Disorders」に6月13日掲載された。  DRFは転倒時に手をついた際に発生しやすく、発生頻度の高い骨折として知られており、高齢化を背景に増加傾向にあるとされている。ただし日本国内でのDRFに関する疫学データは、主として骨粗鬆症の高齢者を対象とする研究から得られたものに限られていて全体像が不明。これを背景として安藤氏らは、北海道北部の苫前郡にある北海道立羽幌病院の患者データを用いて、全年齢層を対象としたDRFの疫学調査を行った。なお、北海道立羽幌病院は苫前郡で唯一、整形外科診療を行っている医療機関であり、同地域の骨折患者はほぼ全て同院で治療を受けている。そのため、著者によると、「単施設の患者データの解析ではあるが、骨折に関しては、地域全体の疫学研究に近似した結果を得られる」という。

椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛にはパルス高周波とステロイド注射の併用が有効

 腰椎椎間板ヘルニアにより坐骨神経痛を来した患者の疼痛緩和と障害改善において、パルス高周波(PRF)と経椎間孔ステロイド注射(TFESI)の併用療法は、TFESI単独よりも優れていることが、「Radiology」に3月28日報告された。  ローマ・ラ・サピエンツァ大学付属ポリクリニコ・ウンベルト・プリモ病院(イタリア)のAlessandro Napoli氏らは、12週間以上続く腰椎椎間板ヘルニアにより坐骨神経痛を来し、保存治療に反応しない患者を、CTガイド下でのPRFとTFESIの併用療法1回を受ける群(174人)と、TFESI単独療法1回を受ける群(177人)にランダムに割り付けた。治療後1週目と52週目に、下肢痛の重症度を数値評価スケール(NRS)で測定した。

タンパク質摂取で筋肉痛は抑えられない

 レジスタンス運動(筋肉に繰り返し負荷をかける運動)の前後にタンパク質を摂取することは、運動後の回復とトレーニング効果を高める一般的な戦略である。一方、タンパク質摂取が運動誘発性筋損傷(EIMD:いわゆる筋肉痛)を抑制できるのかについて調査した、英国・ダーラム大学のAlice G. Pearson氏らによるシステマティックレビューの結果が、European Journal of Clinical Nutrition誌2023年8月号に掲載された。  研究者らはPubMed、SPORTDiscus、Web of Scienceで2021年3月までの関連論文を検索し、運動後の各時点(24時間未満、24時間、48時間、72時間、96時間)におけるタンパク質摂取の効果と、EIMDを計る間接的マーカーのヘッジズ効果量(ES)を算出した。