整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:78

MTX無効の関節リウマチへのDMARDs 3剤併用、MTX+エタネルセプトに非劣性/NEJM

 メトトレキサート(MTX)単剤療法の効果が十分でない関節リウマチ(RA)患者に対し、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)の3剤併用療法(MTX+サラゾスルファピリジン+ヒドロキシクロロキン)の効果は、MTX+エタネルセプトの2剤併用療法に対し非劣性であることが、米国・ネブラスカ大学医療センターのJames R. O’Dell氏らが実施したCSP 551 RACAT試験で示された。本試験は、欧州リウマチ学会(EULAR、スペイン・マドリード市)で報告され、NEJM誌オンライン版2013年6月11日号に掲載された。RAの治療はMTXで開始されることが多いが、MTX単剤で疾患活動性が低下する患者は約30%にすぎない。MTXの効果が不十分な場合に使用可能な生物学的製剤やDMARDsはいくつかあるが、RAは現在、糖尿病よりも治療コストの高い疾患となっており、その費用の大部分を生物学的製剤が占めるという。(※ヒドロキシクロロキンは国内未承認)

整形外科医はオピオイドの有効性に疑問を持っている可能性がある

 非がん性慢性疼痛へのオピオイド使用に対する考えは徐々に変化してきており、オピオイド処方の増加に伴い長期有効性および安全性が大きな問題となっている。米国・United BioSource CorporationのHilary D. Wilson氏らによるアンケート調査の結果、慢性疼痛患者に対するオピオイド使用に関する考え方は、医師の専門分野によって違いがあることが明らかとなった。

手の手術後の複合性局所疼痛症候群(CRPS)が明らかに

 CRPSの研究は、利用可能な試験コホートにおける不均一性により難しいとされている。米国・スタンフォード大学のAlison Pepper氏らは、手の手術を受けた患者における、早期にみられる複合性局所疼痛症候群(CRPS)様症状の特色を特徴づけることを試みた。その結果、共通してみられることとして、点刺激や圧刺激、寒冷刺激に対する感度が高いことなどを明らかにした。The Journal of Pain誌2013年5月号(オンライン版2013年2月28日号)の掲載報告。

新規骨粗鬆症治療薬カテプシンK阻害剤odanacatibの日本人患者における骨密度増加効果は?-二重盲検ランダム化比較試験-

 odanacatibは、骨再吸収を低下させ骨密度(BMD)を増加させる選択的かつ可逆的なカテプシンK阻害剤であり、2014年に承認申請が予定されている。 本試験は、骨粗鬆症日本人患者においてodanacatibの有効性と安全性を評価するために行われた多施設共同二重盲検ランダム化比較試験である。この結果、52週間にわたるodanacatib治療が、腰椎およびすべての股関節部位で用量依存的にBMDを増加し、骨粗鬆症日本人患者における忍容性が高いことが示された。国立国際医療研究センターの中村 利孝氏らによる報告(Osteoporosis International誌オンライン版2013年5月29日号掲載)。

デルマトームの神経根圧迫による疼痛やチクチクする痛みとの一致率は低い

 デルマトーム(皮膚知覚帯)は多様で、過去の研究では著しい個人差が示されている。なかでもL5またはS1神経根圧迫を有する患者では、疼痛およびチクチクする痛みの分布がデルマトームとあまり一致していないことが明らかとなった。英国・ジェームズクック大学病院のChristopher Taylor 氏らは観察的ケースシリーズ研究の結果、患者の自己申告は痛みや知覚異常の解剖学的な発生源を特定するには信頼性が低いと報告した。Spine誌2013年5月号(オンライン版2013年1月15日号)の掲載報告。

性格特性の主要5因子と痛覚感受性の関連について

 痛みに対する反応には個人差があり、その要因として年齢、性別、人種などの人口統計学的特性や性格を含む心理的要因に加え、痛覚感受性における遺伝的影響が考えられるが、まだ十分に解明されていない。ノルウェー・オスロ大学のOlav Vassend氏らは、双生児を対象とした研究で、熱痛覚強度より寒冷昇圧疼痛強度のほうが表現型的にも遺伝的にも性格素因との関連が示唆されることを明らかにした。Pain誌2013年5月号(オンライン版2013年1月29日号)の掲載報告。