整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:81

慢性腰痛患者におけるオピオイド療法の効果はうつや不安に影響される

 非がん性慢性疼痛患者ではしばしば、抑うつや不安といったネガティブ感情がみられる。こうしたネガティブ感情は疼痛の強さと関連しており、オピオイド治療が長期化する可能性が高い。米国・ハーバード大学ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のRobert N. Jamison氏らは、ヒドロモルフォン徐放性製剤のプラセボ対照二重盲検試験について2次分析を行い、ネガティブ感情はオピオイド療法のベネフィットを減弱させ、臨床試験においては脱落の予測因子となることを報告した。

I型の複合性局所疼痛症候群の運動障害には筋痛覚が関与している

 I型の複合性局所疼痛症候群(CRPS)患者でよく観察される運動障害に、感覚処理障害がどのような役割を果たしているかは、現在のところ不明である。オランダ・ライデン大学病院のDiana E. van Rooijen氏らは、初めてCRPSにおける感覚機能と運動機能との関連について研究を行い、筋痛覚がCRPSにおける運動制御の障害に重要な役割を果たしている可能性があることを明らかにした。The Journal of Pain誌オンライン版2013年3月27日の掲載報告。

抗TNF療法は帯状疱疹リスクを増大しない/JAMA

 先行研究において、関節リウマチ(RA)やその他の炎症性疾患に対する生物学的製剤は、結核などの感染リスクを増大することが知られる。一方、同療法の帯状疱疹リスクに与える影響については相反する試験結果が示され、これまで明らかではなかった。米国・オレゴン健康科学大学のKevin L. Winthrop氏らは、Safety Assessment of Biologic Therapyの一環として、抗TNF療法が帯状疱疹リスクを増大するのか、米国の4つの大規模データベースの集約コホートにて後ろ向き研究を行った。その結果、抗TNF療法群は非生物学的抗リウマチ薬(DMARDs)療法群と比べて帯状疱疹リスクが高くはなかったことを報告した。JAMA誌2013年3月6日号掲載の報告より。

むち打ち関連障害(外傷性頸部症候群)の治療、活動への恐怖心軽減が重要

 外傷性頸部症候群(whiplash-associated disorders:WAD)では、活動への恐怖と回避が障害を助長する一因となる可能性がある。米国・ワシントン大学のJames P. Robinson氏らは、WAD患者を対象に恐怖の役割について検討し、恐怖を軽減させることが治療効果に影響を及ぼすことを明らかにした。Pain誌2013年3月号(オンライン版2012年12月1日)の掲載報告。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(77)〕 TNFα阻害薬により低疾患活動性を達成した関節リウマチ患者でTNFα阻害薬の減量や中止は可能か?

 TNFα阻害薬の登場により関節リウマチの診療にパラダイムシフトがおこり、関節リウマチの疾患活動性を数値化し、糖尿病や高血圧のように定められた治療目標(寛解、低疾患活動性)に向けて治療が強化されるようになった。一般的な治療方法は第一選択薬としてメトトレキサート(MTX)が使用され、治療目標を達成できない場合にTNFα阻害薬が使用される。

RA単独療法は、トシリズマブがアダリムマブよりも症状改善が有意/Lancet

 メトトレキサート(商品名:リウマトレックスほか、MTX)が使用できない関節リウマチ(RA)患者に対する生物学的製剤の単独療法は、トシリズマブ(同:アクテムラ)がアダリムマブ(同:ヒュミラ)よりも優れることが、スイス・ジュネーブ大学病院のCem Gabay氏らによる第4相国際多施設共同無作為化二重盲検並行群間試験「ADACTA」の結果、示された。先行研究(第3相無作為化二重盲検対照試験)において、トシリズマブ+MTXまたはDMARDsの併用療法が異なるRA患者の症状を改善することが示されていたが、米国のRAレジストリにおいて約3分の1が生物学的製剤単独療法を受けているとの実態を受けて本検討が行われた。また、トシリズマブ単独療法の有効性および安全性は、先の第3相試験で示されていた。Lancet誌オンライン版2013年3月18日号掲載の報告より。