小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:33

食物アレルギーの小児患者へ安全・有効な経口免疫療法/国立成育医療研究センター

 小児の食物アレルギーの2大原因である卵と牛乳。この2つの食物が摂取できるようにさまざまな治療が行われている。国立成育医療研究センター アレルギーセンターの宮地 裕美子氏らの研究グループは、鶏卵もしくは牛乳の食物アレルギーがある子供(4~18歳)に対し、食物経口負荷試験の閾値をもとに5つの方法(A~E群)で経口免疫療法を行い、それぞれの方法の安全性と有効性について電子カルテデータを用いて分析した。  その結果、閾値の1/100量から開始、1/10量で維持する方法が従来の方法よりも2回目の食物経口負荷試験の閾値上昇人数の割合が高く、重篤なアレルギー症状であるアナフィラキシー症状が出現することなく、症状が出現しても軽微なものに限られているということがわかった。Clinical & Experimental Allergy誌2023年12月号からの報告。

重症好酸球性喘息、ベンラリズマブでコントロール良好ならICSは削減可/Lancet

 ベンラリズマブでコントロール良好な重症好酸球性喘息患者では、毎日投与の吸入コルチコステロイド(ICS)を大幅に削減可能であることが、英国・キングス・カレッジ・ロンドンのDavid J. Jackson氏らによる、第IV相の多施設共同無作為化非盲検実薬対照試験「SHAMAL試験」の結果で示された。重症好酸球性喘息では、高用量のICSへの反応が不十分にもかかわらず、ICSの段階的強化がルーティンに行われている。生物学的製剤への反応が良好な患者では、ICSの用量低減が推奨されているが、これまで安全性を裏付けるエビデンスがほとんどなかった。Lancet誌オンライン版2023年12月7日号掲載の報告。

携帯電話依存症と先延ばし癖の関係~メタ解析

 携帯電話依存症は、学生の先延ばし癖に影響を及ぼす重要な因子として、広く研究されている。しかし、携帯電話依存症と先延ばし癖との相関関係とその影響力は、依然として明らかになっていない。中国・上海大学のXiang Zhou氏らは、学生の携帯電話依存症と先延ばし癖との関係、参加者の個人的特性(教育レベル、性別)、測定ツール、社会的状況要因(出版年、文化)の緩和効果を調査するため、メタ解析を実施した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2023年11月17日号の報告。  PubMed、Web of Science、Embase、PsycINFO、China National Knowledge Infrastructure(CNKI)、Wanfang、Weipuよりシステマティックに検索し、適格基準を満たす研究を収集した。メタ解析には、CMA3.0ソフトウェアを用い、緩和効果のテストには、分散メタ解析(ANOVA)を用いた。

小児の消化管アレルギー患者の約半数は新生児期に発症/国立成育医療研究センター

 新生児、小児では消化管は発達途上であり、アレルギーを発症しやすいことが知られている。一方でわが国には、新生児、乳児の消化管アレルギーについて全国を対象にした疫学研究は行われていなかった。そこで、国立成育医療研究センター研究所 好酸球性消化管疾患研究室の鈴木 啓子氏らの研究グループは、日本で初めて2歳未満の新生児、乳児の消化管アレルギー(食物蛋白誘発胃腸症)に関する全国疫学調査を実施。その結果、新生児、乳児の消化管アレルギーの約半数は生後1ヵ月までの新生児期に発症していることが判明した。Allergology International誌オンライン版2023年10月30日号からの報告。

生後6ヵ月~4歳へのコロナワクチン、救急受診・入院予防に40%有効/CDC

 米国では2022年6月より、新型コロナウイルスの起源株に対する1価mRNAワクチンが、生後6ヵ月~4歳児に推奨となった。米国疾病予防管理センター(CDC)は、2022年7月~2023年9月における乳幼児への新型コロナワクチンの有効性を評価したところ、ワクチン未接種と比較すると、2回以上のコロナワクチン接種は、救急外来受診と入院の予防に40%有効であることが認められた。本結果はCDCのMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)誌2023年12月1日号に掲載された。

第一三共のXBB.1.5対応mRNAコロナワクチン、一変承認取得

 第一三共は11月28日付のプレスリリースにて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するオミクロン株XBB.1.5対応1価mRNAワクチン「ダイチロナ筋注」(DS-5670)について、追加免疫における製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。本ワクチンが特例臨時接種に使用されるワクチンとして位置付けられ次第、厚生労働省との供給合意に基づき、国産初のmRNAワクチンとして供給を開始し、2023年度中に140万回分を供給する予定。  厚労省が11月27日に公表した資料(一変承認前の情報)によると、本ワクチンは、既SARS-CoV-2ワクチンの初回免疫完了者(12歳以上)に対する、「追加免疫」として使用することができる。

税負担が重過ぎる!どんな節税対策している?/医師1,000人アンケート

 年末調整に確定申告…。年末から春にかけては税金を意識する機会が増える。さらに、最近では定額減税や新NISAスタートなど、税金に関する話題が増加している。ケアネットでは、会員の勤務医(勤務先病床数:20床以上)1,021人を対象に、「今年行った、来年やりたい節税対策」についてアンケートを実施した(調査日:10/6~8)。  「Q1.今年(2023年)の所得について、確定申告をする予定ですか?」という設問には、9割以上の医師が「はい」と答えた。確定申告の条件である「年収2,000万円超」「年間20万円以上の副収入」にほとんどの回答者が当てはまっているようだ。

小児・青年のうつ病に有用な運動介入とは~メタ解析

 中国・浙江師範大学のJiayu Li氏らは、小児および青年の抑うつ症状に対するさまざまな運動介入効果について評価を行った。その結果、運動介入は、小児および青年の抑うつ症状を有意に改善することが明らかとなった。とくに、有酸素運動が効果的であり、週3回、40~50分の運動介入を12週間行うとさらに有効であることが示唆された。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2023年10月11日号の報告。  2023年5月までに公表されたランダム化比較試験(RCT)を4つのデータベースで検索した。バイアスリスクの評価には、Cochrane collaboration toolを用いた。ペアワイズメタ解析、ネットワークメタ解析には、Stata 16.0ソフトウェアを用いた。

新型コロナが小児感染症に及ぼした影響

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが小児感染症に及ぼした影響として、long COVID(罹患後症状、いわゆる後遺症)や医療提供体制の変化、感染症の流行パターンの変化などが挙げられる。これらをまとめたものが、イスラエルのネゲブ・ベン・グリオン大学のMoshe Shmueli氏らによってEuropean Journal of Pediatrics誌オンライン版2023年9月20日号に報告された。   本研究はナラティブレビューとして実施した。  主な結果は以下のとおり。

若者のうつ病に対する孤独感の影響

 COVID-19パンデミックは、孤立の長期化や社会的関係の混乱をもたらし、それに伴って学生の孤独感は増大した。孤独は、うつ病を含むさまざまな精神疾患と関連しており、自傷行為や自殺など、重大な事態を引き起こす可能性がある。中国・広東技術師範大学のM-Q Xiao氏らは、孤独感がうつ病に影響を及ぼす要因について調査を行った。European Review for Medical and Pharmacological Sciences誌2023年9月号の報告。  COVID-19パンデミック中に中国広東省広州市の中等教育および高等教育を受けていた学生879人を対象に、アンケート調査を実施した。収集したデータは、包括的に分析した。