小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:50

mRNAワクチン後の心筋炎、日本でも10~20代男性で多い傾向/厚労省

 ファイザー社および武田/モデルナ社ワクチン接種後、アナフィラキシーは若年女性で、心筋炎関連事象については若年男性で報告頻度が高いことが示された。9月10日開催の第68回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(第17回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会と合同開催)の報告より。同会では他に使用の見合わせ・自主回収の対応が行われている該当ロットの武田/モデルナ社ワクチン接種後死亡例についての現時点での評価結果、継続実施中のコホート調査の最新結果も報告された。

小児のコロナ入院の多くが軽症例/国立成育医療研究センター・国立国際医療研究センター

 国立成育医療研究センター 感染症科の庄司 健介氏らのグループは、国立国際医療研究センターの研究チームと合同で、小児新型コロナウイルス感染症による入院例の疫学的・臨床的な特徴を分析した。  これは、国立国際医療研究センターが運営している国内最大のCOVID-19入院患者のレジストリ「COVID-19 Registry Japan(COVIREGI-JP)」を利用したもので、本レジストリを使用した小児患者における分析は今回が初めてとなる。分析の結果、分析対象期間に登録された小児のCOVID-19入院患者の多くは、無症状または軽症であり、酸素投与を必要とした患者は15例、症状のあった患者全体の2.1%だった。また、ほとんどが無症状、または軽症であるにもかかわらず、入院期間の中央値は8日で、2歳未満や13歳以上の患者、基礎疾患のある患者は、何らかの症状が出やすい傾向にあることがわかった。そのほか、38℃以上の熱が出た患者は、症状のあった患者(730例)のうち10.3%(75例)、13~17歳の患者(300例)の約20%に、味覚・嗅覚異常がみられたことが示唆された。

思春期中等症~重症アトピー性皮膚炎、経口JAK阻害薬+外用薬は安全・有効

 中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)の効果的な全身療法として期待される経口JAK阻害薬abrocitinib(本邦承認申請中)について、外用薬との併用による検討結果が示された。米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のLawrence F. Eichenfield氏らによる、12~17歳の思春期患者を対象とした第III相プラセボ対照無作為化試験「JADE TEEN試験」の結果、併用療法の忍容性は良好であり、プラセボ併用と比べて有意な有効性が認められたという。  思春期の中等症~重症AD治療には、生物学的製剤デュピルマブ皮下注投与が承認されているが、同患者にとってより好ましいベネフィット・リスクプロファイルを備えた効果的な経口の全身療法の検討はこれまでほとんど行われていないという。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年8月18日号掲載の報告。

米国の10代で糖尿病の有病率が増加/JAMA

 米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)のJean M. Lawrence氏らSEARCH for Diabetes in Youth Studyの研究グループは、2001~17年に、米国の20歳未満における糖尿病の推定有病率がどう推移したかを調査した。その結果、この16年間に19歳以下では1型糖尿病の有病率が1,000人当たり1.48から2.15へ、10~19歳では2型糖尿病の有病率が1,000人当たり0.34から0.67へと、それぞれ統計学的に有意に増加したことが明らかとなった。研究の詳細は、JAMA誌2021年8月24・31日号で報告された。

小児マラリア、ワクチン+化学予防で入院・死亡を大幅抑制/NEJM

 合併症のない臨床的に軽症の小児マラリアの予防治療において、季節性のRTS,S/AS01Eワクチン接種は化学予防に対し非劣性であり、RTS,S/AS01Eワクチンと化学予防の併用はワクチン単独および化学予防単独と比較して、軽症マラリア、重症マラリアによる入院、マラリアによる死亡を大幅に抑制することが、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のDaniel Chandramohan氏らが西アフリカで行った臨床試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2021年8月25日号で報告された。

妊婦のケアを厚く追記した改訂COVID-19診療の手引き/厚生労働省

 8月31日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第5.3版」を公開した。  今回の改訂では、以下の5点が追記・修正された。 【2 臨床像の「5.小児例の特徴」の重症度、家族内感染率などについて一部追記】  最新(2021年8月時点)の陽性患児の特徴などが追加された。 【4 重症度分類とマネジメントの「5.妊産婦の管理」の項を追加】  追加項目では、自宅療養中の妊婦の訪問時の確認事項、妊婦への指導事項のほか、妊婦搬送の判断の注意点、産科的管理以外のバイタルの留意事項、COVID-19患者の妊婦から産まれた新生児への検査が追加された。

嚢胞性線維症、3剤併用療法で肺機能が改善/NEJM

 Phe508del-ゲーティング遺伝子型またはPhe508del-機能残存遺伝子型を有する嚢胞性線維症患者の治療において、elexacaftor+tezacaftor+ivacaftorによる3剤併用療法は、肺機能の改善に有効で安全性も良好であり、既存の嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)調節薬(ivacaftorまたはtezacaftor+ivacaftor)よりも大きな利益をもたらすことが、英国・マンチェスター大学のPeter J. Barry氏らが行った「VX18-445-104試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2021年8月26日号に掲載された。

新型コロナとインフルのワクチン接種間隔、現時点の考え方/日医

 今冬の季節性インフルエンザワクチンの供給予定量とそれに伴う予約の設定についての留意点、新型コロナウイルスワクチン接種との接種間隔の考え方について、日本医師会の釜萢 敏常任理事は9月1日の定例会見で情報提供を行った。  今冬の季節性インフルエンザワクチンの供給予定量は、8月時点で約2,567万本から約2,792万本(1mL を1本に換算)の見込みであり、昨シーズンより減る見通しとなっている。同日開催された厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会)において示された1)。とくに接種開始の 10 月供給量が少なく、供給時期が 12 月 2 週目まで続くことから、例年と比較して後ろにずれる見込みという。

新学期に向けてCOVID-19感染対策の提言/感染研

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のデルタ株の猛威に社会が混乱している。とくに小児などの低年齢層のCOVID-19感染者数の増加により、新学期を前に学校・塾などの教育機関は、生徒を受け入れるべきか、リモートで授業を行うべきかの判断に悩み、その扱いは全国的に感染の強弱もあり一律ではない。  こうした状況の中で国立感染症研究所は、「乳幼児から大学生までの福祉施設・教育機関(学習塾等を含む)関係者の皆様への提案」を8月26日に公開した。  提案では、教職員の感染予防法の習熟やICTの活用の推進、ワクチン接種、体調確認アプリの活用など具体的な取り組みが示されている。

子供たちはどこで感染しているのか/厚労省アドバイザリーボード

 全国的に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のデルタ株による感染者数が増加している。デルタ株の特徴は、広範かつ強力な感染力であり、陽性者も従来の高齢者や基礎疾患のある者から若年・中年層へと変化している。こうした社会環境の中で、新学期を控え、子供たちをこのまま就学をさせてよいかどうか、社会が揺れている。  8月25日に開催された厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第49回)の資料で、「3~18歳の新型コロナウイルスの感染場所等」が示された。  調査はHER-SYSデータを用いて、年齢階級別(3~5歳、6~12歳、13~15歳、16~18歳)の感染場所について、それぞれの割合を算出した。なお、感染場所の入力率が非常に少ないという点に留意が必要(期間は2021年4月1日~2021年7月22日)。また、COVID-19陽性者のうち、17.8%が感染場所抽出可能であり、そのデータを利用した。