伝統的な子供向けゲームは、小児の身体的、感情的、精神的な健康状態を保護する可能性がある。トルコ・Civril Sehit Hilmi Oz State HospitalのDilek Kacar氏らは、伝統的な子供向けゲームがインターネット依存、社交性スキル、ストレスレベルに及ぼす影響を評価するため、検討を行った。その結果、伝統的な子供向けゲームは、インターネットの使用を減少させ、社交性スキルの向上に寄与する可能性が示唆された。著者らは、小児期は身体的、認知的、心理社会学的な発達にとって重要な時期であり、子供たちの健康状態を保護し促進するため、学校での伝統的な子供向けゲームの実施は利用可能な介入であることを報告した。Archives of Psychiatric Nursing誌2022年10月号の報告。
対照群を用いた試験前後の準実験的研究を実施した。調査の母集団は、トルコの都市部にある2つの中学校の5年生および6年生(日本の小学5年生、6年生に当たる)で構成した。対象は、介入群20人および対照群22人の合計42人の生徒。評価尺度には、家族と子供のインターネット依存症尺度(Family-Child Internet Addiction Scale)、ソーシャルスキル尺度(Social Skills Assessment Scale、Social Skills Scale)、小学生用ストレス反応尺度(Perceived Stress Scale in Children [8-11 years])を用いた。介入群には、伝統的な子供向けゲームを8週間実施した。
主な結果は以下のとおり。
・事前の調査では、インターネットの使用、社交性スキル、ストレスレベルは、介入群と対照群で有意な差は認められていなかった(p>0.05)。
・介入後に調査した毎日および毎週のインターネット使用は、介入群と対照群で有意な差が認められた(p<0.05)。
・介入群の社交性スキルに関する平均スコアは、対照群と比較し、介入後に上昇が認められた(p<0.05)。
・ストレスレベルの平均スコアは、両群間で有意な差が認められなかった(p>0.05)。
(鷹野 敦夫)