精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:131

治療抵抗性うつ病に対する併用療法の有効性と忍容性~メタ解析

 うつ病治療を成功に導くことは困難な場合があり、治療抵抗性うつ病に至るケースは少なくない。治療抵抗性うつ病の治療では、抗うつ薬の増量、他の抗うつ薬の併用、抗うつ薬以外の併用薬の追加、非薬理学的治療の併用が行われる。しかし、これらの相対的な有効性および忍容性は、十分に検討されていなかった。とくに、併用薬であるリチウムと比較した、第2世代抗精神病薬(SGA)およびesketamineの有効性および安全性はよくわかっていない。米国・McLean HospitalのGustavo H Vazquez氏らは、治療抵抗性うつ病に対するSGAおよびesketamine併用療法の有効性および忍容性を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2021年7月9日号の報告。

コロナ禍がもたらすストレスと解消法/アイスタット

 約2年にわたる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、日常生活が失われ、生活のさまざまな面で自粛や我慢をする場面が散見される。また、経済活動の停滞は、収入減少など将来への不安要素となり、精神面に悪影響を及ぼしている。  そうした環境の中、COVID-19が私たちにもたらした精神面への影響はどのくらいあるのだろうか。株式会社アイスタットは、8月4日にアンケートを実施した。アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員20~49歳の東京在住の300人が対象。

アルコール依存症に対するナルメフェンの安全性と治療継続率

 アルコール依存症に対するナルメフェンの安全性と治療継続率を評価するため、英国・Castle Craig HospitalのJonathan Chick氏らは、2つの市販後研究を基に評価を行った。Alcohol and Alcoholism誌オンライン版2021年7月1日号の報告。  START研究(EUPAS5678)およびマルチデータベースレトロスペクティブコホート(MDRC)研究(EUPAS14083)の2つの研究を評価した。START研究は、ナルメフェン治療を開始した外来患者を対象とした18ヵ月の非介入多国間プロスペクティブコホート研究(フォローアップ受診:8回)である。MDRC研究では、ドイツ、スウェーデン、英国の医療データベースより、ベースラインデータおよびフォローアップデータを収集した。両研究ともに、明確な除外基準は設けず、すべての患者を対象とした。高齢者(65歳以上)および重大な精神的および/または身体的併存疾患を有する患者によるサブグループ解析を行った。

不安、うつ、ストレスと舌痛症との関連

 舌痛症は、臨床的に明らかな原因疾患を認めないにもかかわらず、口腔内における重度の熱傷を特徴とする痛みを伴う疾患である。舌痛症の原因の1つとして、メンタルヘルスの状態が影響を及ぼしている可能性が示唆されている。ブラジル・Federal University of CearaのCassia Emanuella Nobrega Malta氏らは、舌痛症と不安、うつ、ストレスとの関連を調査した。General Dentistry誌2021年7・8月号の報告。  60例の患者を舌痛症群、口腔内良性病変群(不安症状を有する対照群)、健康対照群(不安症状のない対照群)の3群に割り当て、ケースコントロール研究を実施した。ビジュアルアナログスケール(VAS)、ベックうつ病評価尺度、Lipp Stress Symptoms Inventory、Xerostomia Inventory-Dutch Version、舌痛症アンケートを用いて評価を行った。統計分析には、Kruskal-Wallis with Dunn post hoc、Pearsonカイ二乗検定、フィッシャーの正確確率検定、多項ロジスティック回帰テストを用いた。

抗CGRP抗体フレマネズマブ治療後の頭痛重症度と期間の変化

 フレマネズマブは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的としたヒト化モノクローナル抗体であり、片頭痛回数の減少が期待できる薬剤である。デンマーク・コペンハーゲン大学のMessoud Ashina氏らは、慢性片頭痛(CM)または反復性片頭痛(EM)患者を対象に、抗CGRP抗体フレマネズマブ治療による頭痛発作の重症度と期間に対する影響を評価した。Headache誌2021年6月号の報告。  3つの12週間ランダム化二重盲検第III相試験(HALO CM、HALO EM、FOCUS)のデータを用いて、探索的事後分析を実施した。3つの試験いずれにおいても、CMまたはEM患者をフレマネズマブ3ヵ月に1回投与群(1ヵ月目:フレマネズマブ675mg、2ヵ月目:プラセボ、3ヵ月目:プラセボ)、フレマネズマブ月1回投与群(1ヵ月目[CM]:フレマネズマブ675mg、1ヵ月目[EM]:225mg、2ヵ月目以降:225mg)、プラセボ月1回投与群に1対1対1の割合で割り付けられた。中~重度の頭痛日数の割合、ピーク時の頭痛重症度、毎月の平均頭痛時間(任意の重症度および中等度以上の重症度)、1日当たりの平均頭痛時間(すべての重症度)について、ベースラインからの変化を評価した。

初発統合失調症に対する薬理学的治療アルゴリズム~日本臨床精神神経薬理学会

 初回エピソードの統合失調症に対する治療アルゴリズムは、十分ではない。さらに、すべてのアルゴリズムは、急性期治療の適応であって、維持療法には当てはまらない。慶應義塾大学の竹内 啓善氏らは、初回エピソード統合失調症のための急性期および維持期の治療アルゴリズムの作成を試みた。Human Psychopharmacology誌オンライン版2021年7月9日号の報告。  日本臨床精神神経薬理学会のアルゴリズム委員会は、初回エピソード統合失調症の急性期、興奮状態、維持期における薬理学的治療アルゴリズムを作成した。  主な結果は以下のとおり。

PTSDに対する心理療法のための治療同盟~メタ解析

 治療を成功させるために、治療同盟は有用な要素である。恐怖、不信、回避などの症状を有するPTSD患者では、治療同盟がとくに重要であるにもかかわらず、包括的なシステマティックレビューによる検討は、行われていなかった。英国・マンチェスター大学のRuth Howard氏らは、PTSD患者における治療同盟を予測できる可能性のある因子および治療同盟がアウトカムに及ぼす影響について調査を行った。Clinical Psychology & Psychotherapy誌オンライン版2021年7月8日号の報告。

双極性障害に対する認知行動療法の有効性~システマティックレビュー

 双極性障害は、慢性的な経過をたどり、死亡リスクに重大な影響を及ぼす精神疾患である。双極性障害の生涯有病率は、1~1.5%といわれており、躁症状とうつ症状またはその両方が認められる混合状態の再発エピソードを特徴としている。双極性障害の治療には、薬理学的および心理学的治療があり、認知行動療法(CBT)の有用性が示されているものの、現在のエビデンスでは十分な臨床情報が得られていない。ペルー・Hospital de Emergencias Villa El SalvadorのGlauco Valdivieso-Jimenez氏は、双極性障害に対するCBT単独療法または薬理学的治療の補助療法としてのCBT併用療法の有効性を判断するため、システマティックレビューを実施した。Revista Colombiana de Psiquiatria誌オンライン版2021年7月6日号の報告。

小児に対する向精神薬の使用とリスク

 メンタルヘルスの問題と関連する自殺企図は、成人および小児において増加している。メンタルヘルスに問題を抱える患者が増加しているため、成人だけでなく小児においても向精神薬の使用が増加している。しかし、小児に対する向精神薬の使用は、潜在的な有害リスクと関連している可能性がある。米国・Le Bonheur Children's HospitalのKiley Hunter氏らは、米国中毒管理センター協会(AAPCC)の国立中毒データシステム(NPDS)に報告されたデータを用いて、小児に対する向精神薬使用の傾向とアウトカムについて、調査を行った。Clinical Toxicology誌オンライン版2021年7月1日号の報告。

高用量オピオイドの長期投与、用量漸減のリスクは?/JAMA

 高用量オピオイドを長期にわたり安定的に処方されている患者において、用量漸減は、過剰摂取およびメンタルヘルス危機のリスク増加と有意に関連することが、米国・カリフォルニア大学のAlicia Agnoli氏らによる後ろ向き観察研究の結果、示された。オピオイド関連死亡率の増加や処方ガイドラインにより、慢性疼痛に対してオピオイドを長期間処方された患者における用量漸減が行われている。しかし、過剰摂取やメンタルヘルス危機など、用量漸減に伴うリスクに関する情報は限られていた。JAMA誌2021年8月3日号掲載の報告。