COVID-19診断後、3割が半年以内に精神・神経症状発症
COVID-19の神経学・精神医学的後遺症が報告されているが、英国・オックスフォード大学のMaxime Taquet氏ら研究グループが23万例超のCOVID-19患者のデータを分析したところ、診断後6ヵ月以内に約34%が虚血性脳卒中や不安障害、気分障害などを発症していたことがわかった。集中治療を要する重症例では、推定発生率は約47%にまで上昇していた。Lancet Psychiatry誌2021年5月号掲載の報告。
本研究は、米国の62医療機関の患者8,100万人の電子カルテから匿名データを収集するTriNetX電子健康記録ネットワークを使用し、2020年1月20日~12月13日の期間、COVID-19診断後6ヵ月間における14種の神経学・精神医学的症状の発生率を推定した(頭蓋内出血、虚血性脳卒中、パーキンソン病、ギランバレー症候群、神経・神経根・神経叢障害、神経筋接合部・筋疾患、脳炎、認知症、気分・不安・精神病性障害、精神病性障害、気分障害、不安障害、物質使用障害、不眠症)。対照群として、インフルエンザや呼吸器感染症の患者コホートを設定し、傾向スコアマッチングを用いて発症率を比較した。