抗精神病薬の多剤併用療法は、精神科入院患者において高頻度に認められており、このことが薬物有害事象のリスク因子であると考えられる。しかし、この関連性は、十分に調査されていない。京都府立医科大学の綾仁 信貴氏らは、日本の精神科入院患者における抗精神病薬の多剤併用と薬物有害事象との関係を明らかにするため、検討を行った。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2021年7・8月号の報告。
薬物有害事象に関する多施設コホート研究Japan Adverse Drug Events study(JADE study)より、精神科入院患者448例(累積入院日数:2万2,733患者日)を対象とし、レトロスペクティブに検討を行った。多剤併用(2剤以上の抗精神病薬の使用)と薬物有害事象との関連を調査した。また、抗精神病薬による薬物有害事象の潜在的なリスク因子との関係を評価した。